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クロの思い出
「いいかげん出てきてくれ…」
よみがえるクロとの日々。
社会人1年目の夏。友人からもらって初めて家に連れ帰った時は、キョドキョドしてすぐにソファーの下に隠れてしまったクロ。
1日経ってやっと出て来て恐る恐るご飯を食べてくれたクロ。
いつの間にか我が家にも慣れて、俺の布団の上でへそ天で寝るようになったクロ。
仕事から帰った俺を「にゃーん」と甘えた声で泣きながらいつも出迎えてくれたクロ。
なんて事のない日常だったが、俺には欠かせない存在だったんだ…。
クロが見つかったらうんと可愛がってやろう。うん、そうだ。奮発してマグロの切り身をやろう。あいつはマグロを前にすると野生に帰ったかのように飛びつくからな。よし、もっと気合いを入れて探すぞ。
フッと笑いながらそんな事をつらつらと考えていたのがいけなかったのだろうか。
俺は気がつけば死んでいたー。
クロちゃんどこいったんでしょう(;ω;)