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0270 夜這い 最終ラウンド

 「あぁ、やっぱりロビン・モアは地球からの転生者だった・・・・・・そして更にもう一人、この時代に転生した日本人がいたんだなぁ」


 俺は繰り返し読んだこの本を頭の中で反芻してみる。

 あぁ、ロビン・モアの秘密兵器ランクルを俺も見てみたかったなぁ。

 300年後の今はもう現存しないんだろうか?

 まぁ既に蒸気機関が実用されてるから過去の遺物になってる可能性が高そうだ。

 そういえばベルディーンにロビン・モアの記念館があるとギルマスが言ってた。

 一度、見に行った方がいいだろう。エマさんたちがいた街でもあるしな。


 ロビンが不自然な若死にをした謎って教会に消されたんじゃないか?

 この本に登場する女枢機卿エウフェミアの記述だとそう読み取れるわ。

 当時と今じゃあ状況は違うだろうけど調子こいたら教会から抹殺される可能性があると警戒していおいた方がいいな。

 ま、エマさんがいてくれれば教会に関することで下手を打つことはないか。

 

 しかし男の聖職者が出世のためにチンポ切り落とすとかマジかよ・・・

 こんな宦官まがいのことが教会でまかり通ってたのが怖いわ。

 いや、今でもやってるかも!

 ヒェー、想像したら玉袋がヒュンて縮み上がった。ブルブルブル


 おおぅ、キンタマ委縮どころか、寒気までして来たぞ。

 

 ブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブル


 違う!そうじゃない・・・この震えはアレだ・・・

 

 ブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブル



 ヴィンヴィンから摂取した魔力がまた切れたんだ!!



 嘘だろぅ、昨日は一昨日の二倍から三倍の汗を飲んだ筈だ。

 それなのに何でもう魔力切れになっちまうんだよ。

 クソ、少なくとも今夜は大丈夫だと踏んでた俺が激甘だったのか。

 ギルマスの楽観ぶりを笑った自分が恥ずかしいわ。


 ブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブル


 こうなると俺に選択肢はない。

 行くしかない。

 ヴィンヴィンの部屋へ。

 

 いや、行きたいんだ。


 あのツンドラ魔導師の元へ。

 本当は行きたくて仕方ないんだ。

 芸術品のような青白い肌と全身を覚醒させる魔力が眠るベッドへ。

 

 心なしか今夜は昨夜ほどの寒さは感じない。

 たまたまなのか何か理由があるのか分からない。

 でも、そんなことに関係なく俺は欲しがっている。


 ヴィンヴィンの魔力が欲しくて溜まらなくなってる!


 そう自覚したら居ても立っても居られず部屋を飛び出した。

 気づいたらヴィンヴィンの部屋へ侵入していた。

 その暗闇で我に返ると慎重さを取り戻し匍匐前進でベッドへ向かった。

 そしてペラペラの掛け布団をめくって中へとスネークしていく。


 恐らくヴィンヴィンは既に気付いている。

 気付いていて素知らぬふりをしている。

 だがその胸の内までは分からない。

 俺はもう自分の心のままに動くことにした。


 寝汗を出させるにはきつく抱きしめて密着する必要がある。

 俺は躊躇なくそうした。

 一刻でも早く魔力入りの汗を舐めて飲み干したかった。


 昨夜までは寝たふりをしていたヴィンヴィンだが、今夜は寝息の真似をすることはなく少し荒い息を吐いている。

 1分もしない内に青肌魔導師の体に玉のような汗が浮かび上がった。

 俺は昨夜同様にツンドラ美少女の全身を舐め回していく。


 ぺロペロぺロペロぺロ


 「んんっ・・・」


 やはりヴィンヴィンはもう寝たふりは止めたようだ。

 ただただ呻き声を上げないよう我慢している。

 そんな彼女の変化を見ながら俺は舐め取った汗をゴクンと飲み干した。


 うおおおおおおおおおキタキタキターキターーキターーーッ!!!


 さっきまでの寒さが嘘のように体の内側から消えていく。

 むしろ熱いほど火照ほてってきた。

 そして全身を駆け巡るこの覚醒感。

 何でもできそうな万能感と誰にも負ける訳がないという無敵感が俺の頭を徐々に支配していった。

 

 こうなったらもう止まらない。


 さらに浮かび上がってくるヴィンヴィンの汗を夢中で舐め尽くした。

 そして今夜もまた魔力ハイがきわまった。

 昨夜はここでベッドから抜け出しかめはめ波を撃ちにいったが今夜は違うぜ。


 モミ モミモミモミ


 「キャーーーーーッ!!」


 ドカドカドカッ

 足蹴り三連発。

 これで昨夜はベットから落とされたが今夜はかろうじてこらえた。


 「ちょっとアンタ!なんてことすんのよ!」

 「いや、胸を揉んだだけですけど・・・」

 「ハァ~ン? 胸の贅肉なんか揉んで私を馬鹿にするつもり!」

 「違いますよ。僕の国では胸を揉むのも愛情表現なんです!」

 「アンタそれを言えば何でも許されると勘違いしてない?」ギロリ

 「いやでも本当のことですし・・・」


 「フン、次はどんな変態行為を愛情表現だと言うつもりなのかしら?」


 あぁ怒った顔が似合い過ぎるよこの女王様は。

 罵倒する唇の形ですら芸術品のように美しい。

 その口元を思わず見つめているとあるモノが目に映り本能が欲した。


 「ヨダレ、ヨダレです。相手の唾液を飲むのも最上級の愛情表現です」


 「な・・・フ、フーン、アンタ私の唾液を飲みたいって言うのね?」

 「はい、飲みたいです!」

 「本当なのね? あとで冗談なんて言ったら・・・殺すわよ」ギラリ

 「その時はどうぞ殺してください。絶対に有り得ませんから」

 「そう、じゃあ望み通りにしてあげるわ。光栄に思いなさい」


 頭突きされる勢いでキスされた。

 ツンドラ魔導師の口から唾液が注入されてきて俺の口内を満たしていく。

 汗を口に含んだ時より数倍も濃厚な甘酸っぱさが広がった。

 こ、これは、凄いというか、ヤバイ!


 「どう、美味しいからしら? 十分に味わってから飲み干すのよ」


 唾液を出し切り、その全てが俺の口内に収まって行くのを見届けたヴィンヴィンは背徳感に酔っているように声を震わせながら言った。

 言われるまでもない。

 俺は存分に口の中で青白い女王様のヨダレを堪能してから一気に飲み干した。


 グラ、グラグラ、グラグラグラグラグラグラグラグラグラッッッ


 えっ、いきなり視界が歪み始めた・・・。

 あ、ダメだこれ・・・今度は変な幻覚が見え始めた・・・

 回る、回る回る、止まらない、したがない、上もない、止まらない・・・


 プツン


 突然、俺の意識は途切れて消えた。




 熱い。身体が熱い。

 無い。実感がない。

 魂が体を抜けて漂ってるようだ。

 視界も暗くぼやけている。

 さっきから厚い壁越しのように不明瞭なノイズが鼓膜を震わせている。


 何か見えた。

 女だ。

 何十年も昔のブラウン管テレビでかすれたビデオを観てる様に画質が悪い。

 そのビデオの中で女がうごめいている。

 そしてこちらを見たかと思うと顔を近づけてきた。


 ヴィンヴィン?


 そう認識しかけていたら女は口をパクっと開けて俺の肩に噛み付いた。

 痛覚は感じなかったが何か別のモノが体内を駆け巡り俺はまた意識を失った。


 

 チュンチュンチュン、チュチュンがチュン!

 ・・・小鳥たちのさえずりが聞こえる・・・ん、朝か・・・

 あれ、俺たしか昨日、ヴィンヴィンに夜這い、あっっっ、


 全て思い出した。

 まずヴィンヴィンを汗を飲んで魔力を摂取した。

 その後にキスされてツンドラ魔導師の唾液を一気に飲んで気絶した。

 そして意識が一瞬戻りはしたが肩を噛まれてまた気絶した。

 それが全て・・・のはずだ。


 まかり間違って一線を越えたなんてことないよな。ゴクリ

 いや待て待て待て待て待て。

 あのヴィンヴィンがそんなことを許すわけがない。

 不埒な行為に及んだ瞬間に炎玉ファイアボールで消し炭にされるだろ。

 少なくとも寝てる間に殺されてないとおかしい。


 つまり、問題ナッシンだな。うん、セーフセーフ。

 だけど魔力酔いの勢いでキスしたのは不味かったよな。

 ヴィンヴィンはたぶん初めてだったろうし。

 そんなことを考えながら、こちらに背を向けて横たわっている青肌魔導師を見ると、寝息を立てていなかった。


 起きてますねこれ。

 しかもそれを隠そうともしてない。

 どういうつもりなんだろう。

 俺からのアクションを待ってるんだろうか?

 とにかく、普通じゃなかったのは間違いないんだから謝っておいた方がいいよな。


 俺はそっと彼女の右腕に手を置いて謝罪の言葉を口にしようとした。


 「まさか、謝るつもりじゃないでしょうね?」


 エスパー!

 怖っ、何で分かったんだ?

 俺の考えてることなんてお見通しってことかよ。

 ・・・いや違うか、ヴィンヴィンも考えてたんだろうな。最悪のケースを。


 俺が謝ることで昨夜のことをあやまちにされる。


 プライドの高い女王様にはそれが一番耐え難いことのはずだ。

 だから、先回りして俺の謝罪を遮ったのか・・・

 そういうことなら俺がすべきことはこれだな。


 「どうして僕が謝らないといけないんですか? むしろお褒めの言葉を頂きたいですね。僕の可憐な唇を捧げたのですから」


 「どうして私がそんなもので感謝しないといけのよ!」

 ヴィンヴィンは寝返りをうち俺に顔を向けて睨みつける。

 ただ、その瞳には僅かに安堵の色があった。

 どうやら俺の選択は正しかったようだ。


 「自分からしてきたくせに」

 「な・・・」

 敗北を悟った魔導師はプイっとまた俺に背中を向けてしまった。

 でも雰囲気は悪くない。

 むしろ繋り合った男女の甘い空気が漂ってさえいた。


 しかし、まだ埋め切れていない溝がある。


 お互いにそれは分かっていた。

 本当に話すべきことが他にあることを。

 だけど、それを口にしたら終わってしまいそうで言えなかった。

 今はまだハッキリさせずにこのままでいたい。ずるいけど。


 「じゃあ僕は部屋に戻りますからこれで失礼しますね」


 背を向けたヴィンヴィンからは何も言葉は返ってこなかった。

 そっとベッドから下りて静かに部屋を出る。

 そして今朝も誰にも見つからずに自分の部屋まで戻った。




 童貞失格だ。

 あっけなく唇を奪われてしまうなんて。

 あんな風に大人の階段を上るつもりなんてなかった。

 まさかあんな展開になるとは。


 だが起こってしまったことをクヨクヨしても仕方ない。

 むしろこれは慶事けいじだと寿ことほぐべきだ。

 パーティ内最強の敵と思われたツンドラ美少女と進展があったのだから、ハーレムルートのトゥルーエンドへ大きな一歩を踏み出したと言える。

 あとはここからヴィンヴィンに嫌われないように上手くやればいい。


 だがそこが非常に不安な部分ではある。

 俺は青肌魔導師から魔力を得たことで凍死を免れたが、副作用で体が魔力を欲しがるにようになってしまった。

 言うなれば魔力ジャンキーだ。

 ヴィンヴィンの体液に含まれた魔力は俺にとって麻薬でもあった。

 あの覚醒効果は抗い難い誘惑がある。


 これからは彼女の顔を見ただけで声を聞いただけで体が魔力を求めそうだ。

 だから気を強く保ってその誘惑・欲望に耐えよう。

 ホント油断したら皆の前でもヴィンヴィンに土下座してお願いしそうだからな。


 よし、反省はここまでだ。

 俺は念入りにシャワーを浴びてヴィンヴィンの匂いを流し去った。

 エマさんに感づかれるのは不味い。

 それから私服に着替えて朝食の時間になってからダイニングへ向かった。


 「皆さんおはようございます」ガチャ


 まだ時間に余裕があるのに朝食の席には既に全員が揃っていた。

 エマさんたちからの挨拶に一人ずつ目で応えながら席についた。

 パンを齧りながらミルクを飲みながらついついヴィンヴィンを見てしまう。

 そしてある事に気付いた。


 青肌魔導師さんがミニスカのワンピースを着てる!


 太ももまで黒のストックキングを穿いてるので肌が露出した部分は絶対領域しかないけど、これって俺を意識してるのか?


 「何チラチラ見てんのよこのエロ助!」

 

 怒られちゃいました。

 きっと考えてることバレバレだったからしゃーない。

 でも昨日までの迫力が感じられなかったりするな。

 当然だけど、俺たちの中で何かが変わってる。

 

 「ヴィー、イクゾー様に見てもらえるなんて喜ぶところですよ」

 エマさんも変わって来てるよな。

 だけど、その分鋭くなってバレちゃわないかとヒヤヒヤだわ。

 ここは話題を変えるのが良策だろう。


 「エマさん、今日の皆の予定はどうなっていますか?」


 「はい、今日は金庫室警備がありませんので私は教会で務めを果たしてまいります。イクゾー様の洗礼式の予約もしておきますのでご心配なく」

 あ、忘れてたわ。

 俺が冒険者登録するのに身分証が必要で洗礼を受ければ貰えるんだった。


 「私はローラと森で大暴れしてくるねー」

 「肉を仕留めてきマス。今夜はご馳走なのデス」ジュルリ

 肉も良いけど俺が頼んだことも忘れないでくれよ。

 あと、レイラちゃんのことをくれぐれも頼むぞ。

 俺が目で訴えかけるとローラはパンッと自分の尻を叩いた。

 どういうサインか分かんねーよ。


 さて、残る一人のご予定はどうなってるのかな。

 「ヴィンヴィンさんの予定は?」

 「特に無いわ」

 そ、そうですかー。

 いやでもそうなると、この家に俺と二人きりで残ってることか?

 それはちょっと不味いよ。自分を抑える自信がないわ。


 「イクゾー様、私が昼食を作りに戻りますね」

 魔乳女神エマさん最高です!

 ふぅ、これなら何とか持ちこたえられそうだ。


 「必要ないわ。私が作るから」

 

 なんですとー!?

 ヴィンヴィンお前何を言ってるの?

 そもそもツンドラ女王様が料理なんてできるのかよ。

 

 「イクゾーもそれで良いわよね?」


 「はい、ヴィンヴィンさんの手料理楽しみです・・・」

 女王様の目力が凄くてそう答えるしかなかった。


 「ヴィー本当に大丈夫ですの? イクゾー様のお身体が心配ですわ」

 「あまり心配ばかりしてると早く老けてイクゾーに捨てられるわよ」

 ダメだ。この二人が会話してるだけで心臓に悪い。

 「エマさん、本当に僕は大丈夫ですから」

 「分かりましたわ。でも何かありましたら教会へお越しになって下さいね」

 「はい、その時はお願いします」


 そんな流れから、朝食を済ませ着替えを終えた外出組を俺は玄関で見送った。

 リビングに戻って4人掛けのソファーに座り一息ついているとヴィンヴィンが現れてテーブルを挟んで向かい側の4人掛けソファーに座った。

 一体どういうつもりだ?

 その答えは直ぐに分かった。

 ヴィンヴィンは俺の真正面で薄紅色の唇をゆっくりと開いていく。

 そこにはたっぷりと溜まった唾液が・・・

 そしてツンドラ美少女は俺を挑発するように笑った。

 あ、ああああ、ああああああああああああああ!!!!



 

 「アナタ、おかしいんじゃないの?」

 意識を取り戻しソファーの上でぐったりと横たわる俺に悪態が飛んできた。

 「自分から誘っておいてその言い草はどうかと思います」

 「勘違いしないでもらえる。唾液をあんなに欲しがるなんて誰も思わないわ」

 お前こそ勘違いするな。俺が欲しいのはそこに含まれる魔力だ。

 とはいえ、俺に魔力が無いのは秘密だから正直には言えん。

 「あ、愛情表現ですから」

 「人として有り得ないと言ってるの。普通なら昨日の夜で死んでるわ」

 げぇ! 俺が魔力中毒になったことを気付いてるのか?

 もしかしてそれを狙って誘ったのか?


 「僕を殺すつもりだったんですか?」

 「馬鹿ね。殺してどうするのよ。せっかくの養分を」ニヤリ


 よ、養分!? 

 どういう意味か訊くのが怖すぎるぜ。

 んんん?

 なんかちょっと違うな。

 不敵に笑う青肌女王様のパステルブルーの長髪に違和感があった。


 「髪の色が少し変わってませんか?」


 「そう? 気のせいでしょ」

 ヴィンヴィンは俺の視線を引き剥がして立ち上がると大浴場へ行った。

 

 

 ヴィンヴィンが作ったシチューパスタ的な昼食は掛け値なしに美味しい。

 感動をありのまま素直に称賛しておく。 

 「当然でしょ」

 と澄まして答えるツンドラ美少女はちょっと照れていた。

 

 食事を終えて皿を片付け始めたヴィンヴィンを見て、俺も自分の皿ぐらいはと一緒にキッチンへ持っていった。

 この家に来て4日目だけどキッチンに入るのは初めてだな。

 ちょっとした定食屋の厨房ぐらい広い。

 そして左奥には外へと続く勝手口があった。


 ヴィンヴィンが皿を洗い受け取った俺が布巾で拭いていく。

 左隣で作業をする青肌魔導師さんのオッパイが弾んでいる。


 これ明らかにノーブラだよね。


 そう思った時には口が開いていた。

 「ブラジャーしないんですか?」

 「この家であんなものをするのはエマぐらいでしょ」

 えっ、そうなの?

 言われてみればレイラちゃんもたまに乳揺れしてたような・・・


 「もぉ! また水が止まったわ」

 んん、確かに蛇口から水がでなくなったな。

 しかし、俺にはこの異世界のキッチンの仕組みが分からんからどうにもならん。


 「イクゾー、そこの上にあるタンクを調べなさい」

 いやだから俺は構造も仕組みも知らんのだ。

 だがツンドラ魔導師の漆黒の瞳は口答えなど許してくれなかった。


 俺はスリッパを脱いで調理台の上に登り指示された戸棚を開く。

 そこには確かに貯水タンクたしきものがあった。

 とりあえず水がまだあるかどうか確認しようと両手でタンクを掴み持ち上げて見ようとしたら、アッサリとタンクがパイプから外れて俺は体勢を崩した。


 お、落ちる!


 ドガバッシャーン!!!


 「イテテテテ」

 キッチンの床に落ちた俺は痛む腰に手を当てながら周囲を見回す。

 げぇ! やっちまった。

 青肌魔導師さんはキッチンの床にうつ伏せで気絶してる!


 しかも貯水タンクの水を浴びて全身がぐっしょりだ。

 どうしよう? どうしよう?

 と、とりあえず服をちゃんと脱がしてからお風呂へ・・・


 俺はヴィンヴィンのワンピースを何とか脱がすことができた。

 

 サクサクサクサク


 ヒィィィイィィ、庭で足音、足音が近づいて来る! 

 やばいよやばいよー。

 下着姿のヴィンヴィンを見られたら誤解されるぅぅぅう。

 そうだ! 俺の服を着せよう!

 テンパってる俺は自分の服をバババっと脱ぎ捨てた。


 サクサクサクサク


 ヒィィィイィィ、足音がもうそこまで来てる! 

 嘘っ、誰か帰ってきたの!?

 最悪だ。こんなの見られたら確実に終わる。

 あぁ、足音がキッチンの勝手口の前で止まった。

 今度こそ、もうダメっぽい・・・・・・・


 ガチャ


 「え? キャッ! あなた誰ですか?どうして裸なんですか!?」

作中の『ロビン・モア物語』にあたる作品を以下で連載します。

「落武者Jリーガーの異世界遠征記」

https://ncode.syosetu.com/n5094gk/

お願いですから読んでみて下さい。

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