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 薫が自宅に帰りついたのは、昼の1時を過ぎた頃だ。

 バスは、停車も発車も渋滞のため、かなりの時間が掛かったためである。


 売買システムでどこでも物が買える薫であるが、流石に手ぶら状態から飲食することはなかった。

 込んでいる車内とはいえ、どこで誰が見ているか分かったものではない。年の割に不用心ではない薫である。



 自宅近くのバス停で降車した薫は、のんびりと歩きながら家路を歩んでいた。


 ――キャアアアァァァ


 突然、女性の叫び声が聞こえた。

 どこから発せられた叫びなのか、薫には分かっている。

 地図スキルと用心スキルは、まだ使用しているからだ。


 千里眼スキルを使い対象を視界に捉えると、空間収縮スキルを発動した。ご婦人に襲いかかろうとする、犬顔をした人型モンスターのコボルトを倒し、空間収納スキルで魔石も回収する。

 ご婦人は腰を抜かしているが、怪我はないみたいだ。何度か見かけたことのある程度で、名前までは知らない人だった。


 ご近所さんにやさしいというより、自宅周辺の揉め事は勘弁願いたいという思いから、行動した薫だった。


 ついでに、家中のモンスターを駆逐していく。


 すると、白と黒、例えるなら墨流しを球体の表面で行っているような状態がしっくりくる、その様なソフトボール大の明滅する球体が浮かんでいた。


 鑑定スキルによると、ダンジョンコアと表示された。


「ダンジョンコアか……ふむ」


 建物内で発生しているモンスター。外には出てこない。

 つまり、モンスターが出現している場所は、ダンジョン化しているのだ。


 ならば、このダンジョンコアを倒すか破壊すれば、解決するかもしれない。おそらくは……。


「さてと、スキルが通用するのか試してみようかな」


 薫、安定の独り言である。

 薫は、ふわふわと浮遊し明滅するダンジョンコアに、空間拡張スキルを使用した。


 ――ピシピシッパリン


 ダンジョンコアはあっけなく消滅し、虹色のコインが1枚と、きのこの山サイズの奇麗な小箱が床に転がった。

 同時に、薫はレベルアップに似た高揚感を覚えた。


 ドロップアイテムを回収した薫は、最初にステータス画面を確認する。



   キサラギ・カオル(15)


 【種族】 新人族

 【Lv】 16 new

 【職業】 現創師ランク2

 【状態】 健康

 ・HP  638/638 new

 ・MP  638/638 new

 ・腕力  266 new

 ・頑丈  266 new

 ・器用  266 new

 ・俊敏  266 new

 ・賢力  266 new

 ・精神力 266 new

 ・運   266 new


 【スキル】

 ・空間拡張レベル2

 ・空間収縮レベル2

 ・HP上昇レベル5

 ・MP上昇レベル5

 ・腕力上昇レベル5

 ・頑丈上昇レベル5

 ・器用上昇レベル5

 ・俊敏上昇レベル5

 ・賢力上昇レベル5

 ・精神力上昇レベル5

 ・運上昇レベル5

 ・鑑定レベルMAX

 ・千里眼レベルMAX

 ・地図レベル3

 ・用心レベル3

 ・情報偽装レベル1

 ・魔物調教レベル3

 ・清浄レベルMAX

 ・物理耐性レベル1

 ・魔法耐性レベル1

 ・ストレス耐性レベル1


 【固有スキル】

 ・スキル改造レベル2


 【EXスキル】

 ・究極空間収納(∞)


 【称号】

 ・生還者         ・大物殺し

 ・迷宮核討伐者(初) new


 【所有スキルポイント】 132P new



 薫のレベルは、16へと上昇していた。

 

「レベルが16に上がったか。さっきの感覚の正体は、これだったのか。ん~、なんか残念だなあ。予想だと、新しいスキルを覚えると思ってたんだけどな。これだと、レベル20かな? 今後に期待だな」


 薫にとっては、やや不満がある結果だった。


 しかし、他にも新たに迷宮核討伐者(初)の称号が手に入った。


 そして、所有スキルポイントも132Pと大幅に増えていた。


 こちらは、”祝! 世界初のダンジョンコア討伐者にスキルポイントを50P進呈”と、表示されていた。


 元が22Pでレベルアップで+10P、ダンジョンコア討伐のボーナスで+50P、合せて82P。

 つまり、ダンジョンコアを壊せば、スキルポイントが50P手に入るのだろう。

 これは、レベルアップ以外でスキルポイントを入手できるので、なかなか貴重な情報を得た。


 売買システムの画面へ移行すると、またもやSPが大幅に増えていた。


 残り292,434SPだ。


 ダンジョンコアを破壊すれば、10万SPも入手できる様だ。


「ダンジョンコアうまー。こりゃ、見つけたらなるべく駆除するか?」


 これは非常においしいと、薫は思った。

 今のようなダンジョンコアは、見つけたら積極的に壊して行こうと、薫は決意した。



 薫はホクホク顔で家路を歩く。

 これで、従魔3体を購入できるようになったのだから、当然である。

 心に余裕が生まれた薫は、すぐには購入せず、家に帰って家族の安全を確保する事を優先することにした。

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