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スペシャルエピソード【仲の良い二人組】

お待たせして申し訳ありません!!


~前回のッ!あらすじィ!!~

(`・ω・´) 最終回だぜ☆


……以上です。

え?前回のあれで最後じゃないのかって?……オマケあるとうれしいじゃん?


ではでは!

本編をどうぞ!!






 |TCS《ユグドラシルの創った世界》の中でも結晶に包まれた外界でもない、夕焼け時の屋敷。

彼岸花(ひがんばな)の咲き乱れる庭を眺められるこの場所には、二人の少女がいた。


 一人は能面をつけた黒い和服の少女、もう一人は神々しくも禍々しい少女の組み合わせだ。


 姉妹の様に仲良く並んで座っている二人の少女だったが、ふと懐にしまってある“とあるカード”が発光し始めた。


「イザナ! 」

「何なのこれぇ!? 」


 黒い和服の少女に“イザナ”と呼ばれた少女は手に持っていたカードを捨てようとしたのも(つか)の間、間に合わず黒い和服の少女諸共(もろとも)光に包まれてしまった……


「ふっふっふっ……二名様ご案内~」






 __________






 謎の光に包まれた二人の少女。

 彼女らは気が付けば人が忙しなく行き交う、大通りのど真ん中に立たされていた。


 不安そうな表情を浮かべた神々しくも禍々しい少女、“イザナ”はいつも通り顔を包帯で覆い、能面を付けた黒い和服の少女が隣に存在している事に安堵(あんど)を覚えながらも話し掛ける。


「ねぇ、妃菜(ひな)

「……どうしたの? イザナ」

「ここってさ……どこ? 」


 この世界の住人とは思えない容姿をした2人だが周りの人は特に気に止めた様子も無く活動している。


 ふと見回した街並みはビルが多く建っており、その奥にある体育館の様なを中心に数多くの建物から煙を出していた。

 忙しく動き回っている人々もどうやらそこに向かっているらしい。


 科学では説明出来ない未知のエネルギーでこの空間を軽く調べた妃菜は結果をイザナにも教えた。


「……分からない。でも空間に限界がある。外界じゃないのは確か」

「なるほどね。外界じゃないなら……どこかに閉じこめられたのかな……? どうやったら帰れるのかなぁ……」

「ん」


 イザナが帰りを考え情報の少なさから行き詰まっていると妃菜はイザナがずっと手に持ち彼岸花畑で突如発光を始めたカード、“The world”のカードに指を向けた。


 元はただのタロットカードだった筈のそれは裏に数字が記載されていた。

 こうして話している間にも数字がどんどん減っている。


 デザインも若干変わっており、表の中央に描かれていた美しい女性は黒いドレスを(まと)いピエロの仮面を付けた女に変わっていた。

 そこには吹き出しもあり、そこに書かれている文字をイザナが読み上げる。


「ん~? 何々……『裏の数字がゼロになったら帰れるよ☆』だってさ」

「……イザナ、それ燃やすからすぐに捨てて」


 妃菜はそう言うと手のひらに炎を浮かべ、投げの姿勢に移行した。

 ある種の“世界を超える鍵”であるタロットカードを燃やせば元の場所に戻ることも出来る。

 だが……


「……いや、あなたの父の形見だった。燃やせる筈もない。ごめん」


 一見動じていない様に見える妃菜だが、内心は突然見慣れない土地に連れてこられてそれなり不安を感じている。

 それが分かっているからこそイザナは特に気にした様子もなく


「いいよ。時間一杯まで一緒にここを見て回ろ? 」


 そうして二人の少女は瓦礫まみれの街に仲良く手を繋ぎ、歩みを進め始めた。






 __________






 建物の瓦礫が散乱している場所。

 そこでは数人の人間が作業していた。


「ふぅ……瓦礫の撤去はかなり進みましたが……全体を見るとまだまだですね」


 思わずそう口にしたのは横田(よこた)利秋(としあき)、かつて存在していた“ブレイズ”の組織でサブリーダーをしていた。


 今でも数人の部下が付いてきている。彼らの耳にも横田の呟きは届いていた。そしてその内の一人が横田の呟きに答える。


「清掃ロボットが使えれば良かったんですがね~……」

「“何故か”ロボットは全機停止しちゃいましたからね。ですが生産施設は生きているんです。人力でやればどうにかなるでしょう。さぁ、さっさと手を動かして終わらせますよ! 」

「「「了解! 」」」


 そんな彼らをの近くを偶々通りがかり、軽く見つめる視線が一つ。


「ケッ! あんな面倒な事良くやるぜ……」


 (イフリート)3部隊をまとめていた男だ。

 彼は何か“壊すこと”が生き甲斐だった。そして神を“壊した”今、他に壊せる物が無く彼はイラついていた。

 最近は仕方が無く食べ物に走っている事が多い。


 だから今も食べ物が詰まった袋を持って自宅に帰る所だった。そして彼は見てしまった。


「にしても何でこんなにここボロボロなんだろうね、妃菜」

「……さぁ? 」


 見慣れない……と言うか不自然な服を着た、二人の少女を。


「なんだあいつらの格好……」


 周りの人間も特に気にした様子は無い。


 だが池浦は気になってしまった。どうしても気になってしまった。そして……


「おいガキンチョ、食いもんやるよ」


 こう声をかけてしまった。すると……


「む……私はガキンチョじゃない。今日は頭上には気を付けた方が良い」


 差し出した物と手を振り払われ、二人の少女はそのままスタスタと歩いていった。


「可愛くないガキンチョだぜ……」


 池浦も自宅に向かって戻り始めた。


 すると……


「あっ! やば! ちょっと大きめの瓦礫がすっ飛んじまった! 近くにいる奴は気を付けてくれ!! 」


 近くの現場からそんな声が聞こえてきた。

 当たらないだろうと思い、特に回避はしようとしなかったが……


「ガッ!? 」


 何故かこちらに飛んできた瓦礫は池浦の後頭部へ綺麗に激突した。


「おい! あんちゃん、大丈夫か!? おい! おーい! 」






 __________






「なーにプリプリしてるの~? うりうり~」

「……べひゅに(別に)にゃにもない(何もない)


 子供扱いされて多少気の立っている妃菜。

 そんな彼女の頬をイザナが摘まんで遊んでいると“The world”のカードが懐から飛び出し、ここに来た時のように発光を始めた。


 空中で浮遊を始めたカードは発光を始め、妃菜とイザナは光に包まれながらも互いの存在を確かめるように手を握っていた。


 光の向こう側からもその様子が見えていたのか、微笑ましいものを見たような声が聞こえてきた。


「ふふっ、時間切れで~す」

「っ! あなた何者……? 」


 妃菜はイザナの手を握りながらも一歩前に進み、謎の女に問いかける。


「さぁ? 誰だろうね。ただあなた達みたいな面倒な人……? に危害を加える気は無いよ。それより! “この世界”は楽しめたかな? バイバーイ! 」


 謎の女は妃菜の問いには答えず、ただこちらに手を振るだけだった。


 その様子にムカついた妃菜をイザナが光に包まれながらも(なだ)め、何度か瞬きをするとそこは元の彼岸花が咲き乱れる屋敷だった。


「無事に戻ってこれた……みたいだね。妃菜~! 」

「イザナ……抱き締めるのは良いけど力が強い。痛い」












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