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フィーンド・ルインカルマ  作者: 臣将汰
第一章【憂鬱なる魔王】
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9話『戦争商人』


『ガァァァァアアアアアアア!』


 そう吠えながら、進九と千尋、レクドに獣人が襲い掛かってくる。

 それに対し、進九は体内にある魔力を振り絞り、一体を除き、全ての王獣僕を獣の姿で出現させた。


「いいぜ! 相手してやるよ! 憂鬱の王に従い、力の象徴。破壊の獣、古に契約に従い権限せよ!


 二番目(ザ・セカンド)、セブス・クロヴ!」


 その呼びかけに応じ、ヤタガラスの王獣僕が、進九達の周りに顕現する。


「セブス・クロヴ、蹂躙しろ!」


 進九の命に従い、ヤタガラスは殲滅を開始した。


 二番目の三本足のカラス、ヤタガラスの王獣僕、セブス・クロヴはあらゆる物を崩壊させる。


セブス・クロヴの破滅に導く闇が、あらゆるものを朽ち果てさせる。


そのヤタガラスの攻撃により、ログスが引き連れ来た獣人集団は、壊滅した。変わりに、町並みが更地になってしまったが。


「す、素晴らしい。これが、魔王の力!」


 そうログスが感嘆していると、いつの間に起き上がったのか、ダストが隣にいた。


「なるほどなぁ。確かに魔王が相手だったのかよぉ。そりゃあアンタの懸念ももっともだぁ。仕方ない、約束だ。よこせぇ」


「いいのですか? ブレイクを使えば、もうまともには戻れませんよ」


 ログスが忠告するが、ダストは首を振る。


「かまわねぇ。呑まれるなら、それは俺がその程度だってことだ」


 ふぅっと息を吐き、ログスはダストにブレイクを渡す。それをダストは躊躇いなく、首筋につき立てた。


「くくクッ。キタきタキたキタァァァァァ!』


 次の瞬間、ダストの体は膨れ上がり、体がまるで彼の獣僕のように角のように鋭利な牙の生えた巨大な象の姿へと姿を変貌させる。


『イクゼェェェエエエエエ! マオォォォォオオオオオオゥ!』


 そう雄たけびを上げ、獣僕と同化し、完全に化け物と化したダストは、進九に向かっていく。


「自我を保つとは、流石ですね」


「なんだ、ありゃあ!」


 進九は驚き、王獣僕で迎え撃つ。


『オラァァァアアアアア!』


 ダストが地面を鼻で叩くと、地面から地の杭が飛び出てくる。


「くっ!」


 一瞬、判断が遅れ地の杭が迫る。仕方なく、進九は自分の体を盾として千尋とレクドの前に、放り出した。

 体にかすり傷程度の傷が出来る。


『シネェェェェエエエエエ!』


 猛然と突撃してくるダストに対し、進九は吠えた。


「我が身に纏う武具となれ! 八番目ザ・エイス、ザリオス・バリア!」


 そう叫ぶと、サイの王獣僕、ザリオス・バリアは、進九の左手に纏い付き、その姿を角付きの盾へと変えた。

 ザリオス・バリアの能力は引力。強力な引き寄せる力がある。

 進九はその力を使い、ダストを引き寄せ、自らも駆け出す。


『ナニ!』


 ダストは驚愕するが関係ない。盾とかしたザリオスバリアの角が輝く。進九は更に加速する。


「粉砕しろ! ザリオス・バリア」


 次の瞬間、ガツッと轟音が響き、ダストの牙が砕け、頭を盾に打ち付けられる。そして大きな音を立てダストの巨体が倒れた。


「ふぅ、終わったか」


 ため息を吐き、疲れを感じる。


「まだですよ!」


 そんな声が聞こえる。

 声の主は、ログスだった。ログスの手には赤い液体があった。

 それが、なにか進九は気付いた。あの液体は自分の血液である。どうやら、ダストの攻撃を受けた時に出た血を何らかの方法で収拾したものだろう。


「さあ、目覚めてもらいますよ。魔王殺しの英雄兵器!」


 そう言って、ログスが指を鳴らすと、突如、ログスの後ろに錆びた巨人が現れる。

 そしてその巨人にログスは進九の血液を掛ける。

 それがかけられると、巨人からみるみる内に錆が消え、神々しい輝きを放ち動き出した。


「起きなさい。不変不屈の英雄人形『ジークフリート』!」


 メランを殺した獰猛な鋼鉄の巨人人形、進九にとって因縁の相手が目を覚ました。



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