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フィーンド・ルインカルマ  作者: 臣将汰
第一章【憂鬱なる魔王】
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7話『蘇理』


 蘇理またの名をリターン。……それは代が途絶えた魔王に起こることである。

 代が途絶えた魔王は次に突然、その強大な力を持ち、突然、赤子として生まれるのだ。それが蘇理と呼ばれる現象だ。


『つまり、メランと同じだ』


 メランとは先代の憂鬱王の事だ。メランも蘇理の魔王だった。

 そして紆余曲折あり、進九がその力を受け継ぐ事になったのだ。


「そうか。で、俺に頼みたい事はなんだ?」


『流石、話が早い。お前にはレクドを守って貰いたい』


 進九にとって予想通りの答えが返ってきた。


「いいぞ。その変わり、何が来ようとぶっ倒すが、構わないな」


『ふふ。好きにしろ』


 プツッと通話が切れる。

 そして進九は、レクドを見る。いつの間にか見つけたチョコレートをパクパク食べていた。それを見て進九は拳を強く握り締めた。



《〇》



 とある倉庫にログスが入っていく。


「ふふふふふ。ようやく、準備が整いました。さて、始めましょうか。戦争という破壊を!」


 あははははと、とある倉庫の中で、ログスの笑い声が響いていた。

 その後ろには、大量の巨大な獣人達が雄たけびを上げていた。



《〇》



 一方その頃、進九家では。

 レクドを守ることを決めた日、結局二人は進九の家に泊まる事になった。幸か不幸か、進九は一人暮らしだったため、泊まることになったのだ。


「ああ、憂鬱だ」


 レクドと千尋が風呂に入っている間、コーヒーを飲みながら、夜空を見上げながら、そんな事を呟いていた。

 そして色々な事を思い出していた。何を思い出していたかというと、メランとの生活を思い出していた。

 メランとは色々あったし、ロリババアだったが、それでも仲良くやっていたのだ。

 しかし、あの戦い『ベルセルクリベリオン』さえなければ、今も、メランは永遠の憂鬱にため息を吐いていたことだろう。

 すべては終わったことだ。だが、忘れてはならない。メランの教えを。



『敵は容赦なく、自らの憂鬱を増やす前に叩き潰せ』



 忘れてはならない。メランの心を魂を。進九はそのために生きているのだから。



《〇》



『さて、読者諸君。彼らの関係が分かってきたところで、残念ながら、ミレイお姉さんの時間だ。


 おっと、ここで話を切らないでくれたまえ。


 私は休憩を入れたいだけなのさ。


 いや、正確には嫉妬したいだけなのさ。


 だって私、悪くない。私は引きこもりの魔王だよ! あ、間違えた嫉妬の魔王だよ! 引きこもるのが仕事なんだよ!


 え? 違う? は、また間違えた。私は嫉妬の魔王、嫉妬王。


 嫉妬するのが仕事なんだよ!


 だって私にだって『ティアマト』とかいう、こんなにカッコいい二つ名付いてるんだよ!


 付いているんだよ!


 なのにこの仕打ち! どういうことだい。


(長いので以下略)


 ぜ――ぜ――。どうだ言ってやったぞ。


 え? それよりも早くナレーションしろって? 分かったよ。


 これは二人の物語ではない。


 そこに運命の歪みが発生し、三人目の少女が現れた。


 あの物臭女郎、何ボクッ娘とか増やしてやがんだ!


 ……オホン。それはさておき、そのお陰で二人の運命も大きく変わる。


 三人の運命は大きく動き出す。


 そして進九は因縁の相手と激突する。


 さあ、お楽しみが始まる。


 でもそこに私いないんだよな――。


 出番欲し……(回線が切断されました)』


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