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-始まり-

 大人になった多くの人間は、子供の頃、缶蹴りという遊びを学び、友人達と遊んだ。今は中学生である俺も、小学生の頃は、友人と缶蹴りでよく遊んだものだ。しかも、一度やるとなかなか面白く、空が暗くなるまでやったのを覚えている。

 一応、ルールを知らない人のために説明する。ここでは、俺が知るルールのみを簡潔に説明するだけなので、やる人や、やる場所。それに地域などによっては、多少ルールが変わると言う事を予め了承していてほしい。

 必要な物は、缶とそれなりに広さのある公園。それに数名のプレイヤーだ。

 ゲームを始める前に、ジャンケンなどで鬼を決める。これはかくれんぼや鬼ごっこと一緒だ。そして、鬼は決められた場所に缶を置く。置いた場所で目を閉じ、決められた数を大きな声で数える。その間に鬼ではないプレイヤーは隠れるのだ。

 数を数え終わった鬼は、隠れたプレイヤーを捜す。しかし、缶からあまり離れては危険だ。よって、缶から見える場所でプレイヤーを捜す。理由は後で説明する。

 鬼がプレイヤーを見つけたら闘いの開始。鬼は『~君、見っけ!!』などと叫び、見つけた事を意思表示する。もちろん嘘をついてはいけない。暗黙のルールだ。ここまでは、ほぼかくれんぼとルールが同じだ。しかし、缶蹴りはここからが違うのである。プレイヤーを見つけた鬼は、缶のある場所まで戻り、缶を踏む。これで見つけられたプレイヤーを確保した事になる。確保されたプレイヤーは時期が来るまで何も出来ない。時期はまた後で説明する。

 このゲームは、かくれんぼとは違う。よって、見つかっただけでは終わりではない。見つけられたプレイヤーは、鬼が缶を踏むまでは負けではないのだ。そう、それが缶蹴りの醍醐味である。鬼が缶を踏むまでに、その缶を蹴ってしまえばいいのだ。この時、確保されたプレイヤーがいた場合、そのプレイヤーは解放。つまり逃げる事が出来る。しかも蹴られた鬼は、その缶を見つけ、また元の場所へ戻さなければいけないのだ。それからは振り出しに戻る。鬼が缶を戻すまでに、他のプレイヤーはまた隠れなくてはいけない。

 もちろん、見つかる前に缶を蹴り、鬼を邪魔したりしてもいい。しかし、鬼が缶を踏んだにも関わらず無理矢理蹴ったり、確保されたプレイヤーが鬼を邪魔したりするのは禁止だ。

 結果的に鬼の勝利条件は、缶を守ったまま、全てのプレイヤーを確保する事である。

 今考えると、あれはある意味、鬼へのいじめなんだ。圧倒的に鬼が不利なゲーム。それが缶蹴りなんだ。

 俺は、今回、その事実を改めて知る事になる。

 俺の缶蹴りという戦いは、ある日曜日に始まった。

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