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第25回:強えぜ!楽毅!

ミニコラムの続きです。

中国ちゅうごく戦国時代せんごくじだいいま北京ぺきんのあたりは「えん」とったそうです。現在げんざい中国ちゅうごく首都しゅとでもありますし、三国志さんごくしころは、劉備りゅうび関羽かんう張飛ちょうひ桃園とうえん三兄弟さんきょうだい出身地しゅっしんちでもあります。張飛ちょうひ自分じぶん名乗なのりを「燕人えんひと張飛ちょうひ見参けんざん!」といますが。それはえん出身しゅっしんだからです。


 ところが、戦国時代せんごくじだいでは燕国えんこくはパッとしません。辺境へんきょうのイメージがつよく、春秋時代しゅんじゅうじだいから各国かっこくをあっとわせたような時期じきがなかったのです。


 しかし、そんなえんにも、戦国時代中期せんごくじだいちゅうきにやっとこさ英雄えいゆうあらわれます。それが楽毅がくきです。


 当時とうじ戦国時代せんごくじだいひがしせい西にししんとの2強時代きょうじだいでした。えん一度いちどせい滅亡寸前めつぼうすんぜんまでまれていて弱小国じゃくしょうこくでした。


 えん昭王しょうおうのこりとせいへの復讐ふくしゅうため人材じんざいもとめていました。当時とうじえんでは昭王しょうおうが「どうしたらいい人材じんざいるかな?」となやんでいたら、郭隗かくかいという人物じんぶつが、「まず、わたしにたっぷりの契約金けいやくきんあたえてください、私は自他じたともにみとめる凡人ぼんじん郭隗かくかいごときがあんな大金たいきんもらえるなら、才能さいのうあるヤツはもっとがっぽり大金たいきんもらえるだろうとおもって人材じんざいがあつまりますよ」といました。実際じっさいにめちゃ志願者しがんしゃあつまったそうです。


 この故事こじを「まずかいよりはじめよ」といいます。


 各地かくち放浪ほうろうしていた楽毅がくきえん昭王しょうおう人材じんざい募集ぼしゅうしていること仕官しかんします。ちなみに楽毅がくきは、元々(もともと)は中山国ちゅうざんこくつかえていましたが、ちょうほろぼされたため、えん亡命ぼうめいしたとわれています。


 仕官しかんした楽毅がくき当時とうじせいそうほろぼして調子ちょうしっていることをつけます。慢心まんしんしてる斉王せいおう武勲ぶくんおお孟嘗君もうしょうくんうとんじてせいからします。


 これをチャンスとかんがえた楽毅がくきかんちょうとも連合軍れんごうぐん結成けっせいしました。超大国ちょうたいこくせい弱小国じゃくしょうこくでもちからわせればあなどれない勢力せいりょくになるという発想はっそう見破みやぶれませんでした。


 楽毅がくきすぐれた戦術せんじゅつで、5カ国連合軍ごかこくれんごうぐん総指揮そうしきを取り、せい徹底的てっていてきやぶりました。せい首都しゅと陥落かんらくさせ、宝物ほうもつうばってえんおくりました。


 燕王えんおう最高さいこうよろこびました。んで、せい首都しゅとまでみずかおもむ楽毅がくきねぎらいました。そして、たかくらいあたえます。


 楽毅がくきはその破竹はちくいきおいでせい各地かくちしろとしまくります。怒涛どとういきおいです。もう、せい各地かくちでは「楽毅がくききたる!」のニュースがとどくだけでみなまわるほどでした。


 楽毅がくきせいみやこ臨淄りんし占領せんりょうし、せい湣王びんおうを、きょという地方ちほうめました。のこされたきょ抵抗ていこうしていたのは田単でんたんという将軍しょうぐんだけでした。


 あと一息ひといきせい滅亡めつぼうするというときえん昭王しょうおうんでしまいます。息子むすこ恵王けいおう即位そくいしますが、こまったことかれ楽毅がくききらいでした。


 せい田単でんたん起死回生きしかいせいさく燕王えんおう陰謀いんぼうしかけ、これが見事みごと的中てきちゅうします。「楽毅がくきせい王位おういねらってまっせ」という流言りゅうげんしんじて楽毅がくき処罰しょばつかんがえます。


 楽毅がくきはそれをさっしてちょうこく亡命ぼうめいします。楽毅がくきなくなってえんはすっかりダメになります。


 反省はんせいしたえん恵王けいおう楽毅がくきに「ごめんよ。もどってきてよ」と手紙てがみおくります。


 しかし、楽毅がくき丁寧ていねい返書へんしょしました。「もどっても、もう、おたがいに気まずいだけですし、やめておきます。でも、先王せんおう昭王しょうおうこころから尊敬そんけいしてますよ」という内容ないようでした。


 楽毅がくき離脱りだつで、えん一瞬いっしゅんのきらめきと栄光えいこう時代じだいわりました。

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