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毒りんご編
ピンポーン。
お昼前、誰かが家のチャイムを押した。
配達か何かかな‥
そう思ってドアを開けてみるとりんごのカゴを持ったおばあさんが立っていた。
「これ、うちで採れたんだけどよかったらどうぞ。怪しい者じゃないわよ。よく近所に配ってるのよ。」
田舎だとこういうことよくありそうだし貰っちゃおうかな‥。
「ありがとうございます。」
「お嬢さん、1つ食べてみて!美味しいから。」
あまりにもお腹が空いていたので、わたしはりんごをそのままかぶりついてしまった。すると急に目眩がしてきた。
おばあさんは、おばあさんと思えないほどのスピードで逃げるようにその場を去っていった。
追いかけようとしたけどわたしはそのまま倒れてしまった。
7人の従兄弟たちの声がかすかに聞こえる中、意識は遠のいてしまった。