3話 異世界到着とステータス
木々が揺れる音と小鳥の鳴き声、暖かな日の光によって俺、天ヶ瀬 雪人は目覚めた。
まだ起きたばかりで視界がボヤけて見えるがこの場所が森の中だということ、太陽の方向を見るに今は昼頃だと分かる。
「いててて、身体中痛いんだけどなんでだ?えーっと......あぁ思い出した!ティア様に異世界に転移させてもらったんだっけ?」
となるとこの身体中の痛みは長時間硬い地面の上で寝ていたのが原因なのだろう。もっと良い場所なかったんですかね?せっかくスキル貰えたのに魔物に食べられていてもおかしくなかったですよね。
とはいえ人の近くに転移させるわけにもいかのは分かるから文句は言えない。
「確か着いたらステータス開けって言ってたような......いや言ってなかったような気もする。ん?そもそもステータスの開き方知らないな。ステータス!......ラノベならこれで出るよね」
しーん......。
何度試しても何も出てこないがどうやってステータスを視るのだろうか、俺のやり方が間違っている?たまにステータスは教会や[鑑定]スキルでしか視ることがてきないって設定のラノベあるよね?この世界はそのタイプの世界かな?だがその鑑定の使い方も知らない。
どうすれば良いか最低限付近の警戒を行いながら脳をフル回転させ思考していると不意にティア様がなぜ世界に着いてからステータスを開くように言ったのか気になった。
あの時の俺と今の俺で違うのはなんだ?
「・・・魔力か?」
身体に何か以前と違う感覚がないかを調べるために軽く走ったりジャンプをする。
その結果ナニかが身体を動かす前より減っているのが感じられた。
そのナニかを使い[鑑定]のイメージをする。
「ビンゴ!さっき感じたナニかが魔力だったのか!」
名前 :天ヶ瀬雪雪人
称号 :なし
状態 :健康
レベル:1
HP :15/15
魔力 :51/58
筋力 :9
敏捷 :11
器用 :8
運 :40
スキル一覧
[精神耐性]レベル1 [魔力操作]レベル1 [鑑定]レベル1 [アイテムボックス]レベル1 [剣術]レベル1
適正魔法
氷雪
加護
最上位転生神の加護
「魔力が減っている......身体を動かすときに無意識に魔力を消費させていたのか?思った以上に消耗が激しそうだ。それよりも......最上位転生神の加護?スキルだけでもありがたいのに加護までくれたのかティア様は。街を見つけられたらお礼を言いに教会に行こう」
最上位転生神の加護
鑑定のスキルレベルが足りません
ティア様の加護にどのような効果があるのか気になり鑑定を使うがどうやら今の俺の鑑定ではレベルが低すぎて何も分からないようだ。
だが加護を持っていて悪いことはないだろう、そこまで気にせずともよさそうだ。
「さて、ステータスも見たし魔力ってのも何となく分かったところで次の疑問解決といこうじゃないか」
ステータスやスキル、加護等のことが気になり一番気にしなければいけないことをスルーしていたが・・・
「ここどこですか?!」
周りを見渡しても木木木木山山山山ところにより7匹の狼の群れですね!!
・・・・・・ん?今なんと?......おおかみ?オオカミ......狼の群れ?!
は?えっ?マジ?
こっちはまだ異世界について10分も経ってないのですが!?
「ふぅ待て待つんだ俺......落ち着くんだ俺。幸い俺はあの狼の群れに気付けたがまだあいつらは俺に気付いた様子はない。ここはまたもや[鑑定]さんの出番ですね」
(鑑定!)
・・・反応なし
あっれれー[鑑定]さん?なんでぇー?
80メートルほど先の狼の群れに鑑定を使うが何も起きなかった。
なぜだ?そういえばスキルにはレベルがあったな、鑑定のスキルレベルが低いからできない可能性もある。
狼たちは今のところ岩場でリーダーと思われる個体を中心として休んでいるように見える、今のうちに鑑定をしておきたい。
[鑑定]を鑑定すれば分かるか?
鑑定
対象を鑑定できる
スキルレベルにより更に詳細な鑑定が可能
スキルレベルに応じて鑑定可能距離が増す
レベルに応じて鑑定距離が増す?これか!
現在のスキルレベルは1だ、となると相当近づかなければ鑑定できない可能性がある。
・・・えぇー相手狼だよ?肉食だよ?それに狼とは言っているが明らかに地球の狼より身体が大きい、それだけでも充分すぎる程恐ろしいが最も恐れなければいけないものは牙だ。30センチほどの長さがある、あれに噛まれては逃げ出すことなどほぼ不可能だろう。
というのがリーダーと思われる個体の周りにいるやつ。
リーダー個体は周りの灰色の毛をした狼とは異なり黒い。
種族が違うのかそれとも突然変異かそれは分からないがどう見ても他の個体よりも強いのは雰囲気でなんとなく分かる。
どうするべきだ?今の俺はまだレベル1だ、スキルも剣術をもらったがその剣がない。攻撃に使えそうなのは俺が元々持っていた才能の氷雪魔法のみ。
異世界に来て一瞬で殺されましたなんてなったら目も当てられないが、それでも自分の実力を試してみたい思いも少なくなかった。
「やってみよう。氷雪魔法は普通の魔法と違って威力や範囲が優れている派生魔法の部類だったか。威力はともかく相手が複数いる今だと広範囲というのはありがたい」
思い立ったが吉日と言うだろう
すぐに行動に移る
学校では常にぼっちだった自分は人との関わりをできるだけ避けるために気配を消していた。
その成果とは言いたくないが群れまで40メートルといった距離まで近づくことができた。
これ以上進めばおそらく狼だってバカではない、流石に気付くだろう。
しかし気付かれても問題はない、俺の武器は魔法だ。
ティア様は氷や雪の魔法とはまた違う可能性があると言ってたが、名前から察するに氷魔法のような高威力且つ雪魔法のような高範囲を攻撃できるのではないかと考えている。
イメージするのは何者であろうと凍死する極寒地帯、魔力が足りるかは賭けだが負けたら死ぬんだどうせ死ぬなら何か行動を起こしてから死ぬ方がいい。
『氷獄!』
魔力が大量に身体から抜け意識も朦朧としてきたが、7匹の狼は寒さに耐えながらゆっくりと俺に向かって歩みを進める。
『ワォォォォォ!!』
俺の命を刈り取るために黒いリーダー狼がこっちに向かって走り出す。
あんな殺意剥き出しで来られたら恐ろしくて今すぐにでも逃げ出したい......けど
「この殺し合いは俺の勝ちだ!!!」
黒いリーダー狼は寒さになんとか耐えまだかろうじて生きているが、他6匹は既に『氷獄』によって息絶えていた。
そしてその6匹を倒した経験値により俺のレベルは上がっていた。
莫大な魔力を手に入れたわけではない、しかしこの場面では僅かでも魔力を手に入れられたのはありがたい。
残る僅かな魔力とレベルアップ時に得られた魔力を全て使い魔法の威力を上げる。
『ワ....ォォ...』
そして聴こえる狼が倒れる声。
7匹の狼全ての死をこの目で確認し、ようやく自身の勝ちを確信する。
命を賭けた大勝負が終わり緊張感がなくなったからか身体に力が入らない、視界も地震が起きたかのように揺れはじめる。
「あ、もしかして俺死ぬ?まぁ狼に喰われて死ぬよりはまだ悪くない終わり...かな......」
つい10分ほど前にこの世界での初めての起床を迎えたばかりだが今度は魔法を使いすぎた影響によりまた長い眠りにつく。