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カードマスターの流浪旅  作者: 八神清吾
第一章 放浪の旅
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獣人三人娘の修行

翌日、一階に下りると三人はちゃんと起きて準備していた。

黒板の依頼を見ながら、どれにするか相談しているようだが、今回は関係ない。

三人を呼ぶといつもの受付嬢のお姉さんの前に並んだ。


「ショーさん。おはようございます。今日はどの依頼にしますか?」


「今日はゴブリンやオークの群れがいそうな場所を教えて欲しいのです」


「ショーさんが、ゴブリンを?」

Sランクがゴブリンの討伐依頼を受けるのか?と不思議そうな顔をされた。


「いえ、依頼を受けるのは此方の彼女達三人です。二、三日だけですが、彼女達三人から、修行を頼まれましてね」

三人もエッ!私達が倒すの?と驚いた顔をしている。


「そうでしたか。貴方達のランクは?」


「全員Eランクです」


「大丈夫。俺がちゃんと彼女達を補佐しますので、問題ありません」

受付のお姉さんが、エッ!Eランク三人だけで大丈夫な?と言う顔をしたので俺がフォローすると説明した。


「まあ、ゴブリンやオークの群れぐらいでしたら、ショーさんお一人で倒せますからね。わかりました」

受付嬢のお姉さんに詳しい場所を教えてもらうと、現地に出発した。


ただ、バイクを使うわけにもいかず、どうしようと悩んでいると、リリーが馬車を借りようと言い出した。馬車か?馬車なら確か、持っていたな。馬は三人娘の馬を借りればいいか。


俺達が召喚された草原で手当たりしだいカード化した中から、馬車を魔法の袋から出すふりをして、召喚すると、三人に驚かれてしまった。

ただ、馬の扱いを知らないので三人娘に任せることにした。


カードから召喚した馬車は小さな四人乗りで、内部には座席が向かい合わせになっているので俺達四人なら、十分に座れる広さだ。

実はカードした馬車は他にも幌馬車や八人乗りの馬車と、種類が色々ある中で一番小さな馬車を召喚したのだ。


「その魔法の袋は凄いな」


「一体、買えば幾らするのでしょう~?」


「さあ、盗賊を退治した際にアジトにあったものだから、詳しくは知らない」


「へぇ~、盗賊を。何と言う盗賊団ですか~」


「えっと、確か黒狼盗賊団と名乗っていたな。結構、荒稼ぎしていたようで、アジトにもお宝が色々あったよ」


「「エッ!黒狼盗賊団!!!」」


「最近、噂を聞かないと思ったら、ショーさんに討伐されていたのですね~」

まあ、俺と言うよりもインフェルノウルフなのだが、そんな会話をしていると目的地に到着した。


気配察知で森の広範囲を探るとすぐに魔物の群れを察知した。

三人を連れて気配察知がする場所へ向かうとゴブリン五十匹ほどの群れを発見した。


「まず、ルースがゴブリンの群れの中央目掛けて魔法を放ってくれ。ゴブリンが此方に向かって来たら、俺がゴブリンの自由を奪うから、三人で始末する。わかった?」


「「「はい」」」


ルースはファイヤーボールの魔法をゴブリンの群れの中心付近に放つとゴブリンは一斉に周囲の警戒を始めたところへ、俺がゴブリンの前にでた。


ゴブリンの群れが一斉に動き出し、俺に襲いかかてくるタイミングで粘着性を上げた念糸数百本をゴブリンに向けて飛ばした。ゴブリンが蜘蛛の糸に絡まった虫のように身動きができずに糸を剥がそうと必死で藻掻きだした。


「今だ!」


「「「はい」」」

ソフィアは剣で、リリーは槍で、ルースは魔法でゴブリンへの攻撃を始め、二十分ほどで始末した。


「じゃあ、ゴブリンの討伐部位と魔石を取り出したら、次に行くよ」


「「「はい?」」」


「何?強くなりたいんだよね?」


「「「はい」」」


三人が解体している間、俺はホロホロ鳥を探し、石を投擲して四羽ほど仕留めた。

最近、ホロホロ鳥の羽毛が高価な寝具に使われていると知り、ホロホロ鳥の羽毛を集めているのだ。

しかも、ホロホロ鳥の肉は美味で高く売れると聞いた。一度、どんな味がするのかとBBQで食べてみたが、あまりにも美味しかったので、今は自分のために確保している。


ホロホロ鳥は警戒心が強く、すぐに逃げてしまうので、捕まえるが難しいらしいが、離れた位置から投石すれば、簡単に仕留められる。

ホロホロ鳥を昼食時にBBQにして三人に振舞うと滅茶苦茶喜ばれた。


その日はゴブリンを中心に狩りをしたので、二百五十匹ほど倒すと三人はクタクタで歩けないほどに疲弊しきってしまったので、今夜は森で一泊することにした。


晩飯には街で買った肉や野菜をBBQして食べ、夜は三人をテントの中で休ませ、俺とインフェルノウルフは見張りをすることになった。


最近、二日や三日、徹夜を繰り返しても大丈夫なので、見張りをする時間にカードから取り出した安物の剣、槍、杖を召喚すると、ミスリルと剣、ミスリルとトレントの材木に槍と融合させ、丈夫なミスリルの剣と槍を作った。

そして杖はトレントの材木と複数の魔石を融合させ、魔法発動を補ってくれる丈夫なトレントの杖にした。


ソフィア、リリーの武器は今日一日で刃毀れやゴブリンの血で切れ味が鈍っているので新しく作ったのだ。ルースの杖もゴブリンを殴り殺した際にヒビが入っていたので交換用に準備した。少し、武器に無理をさせ過ぎたようだ。


「エッ!本当にもらっても良いのか?」


「凄い!丈夫なトレントの杖よ~」


「助かるわ。刃毀れが酷くてどうしようと思っていたのよ」

翌朝に三人に新しい剣、槍、杖を手渡すととても喜ばれた。


「ああ、気にせずに受け取ってくれ。今日はオークが相手だから、刃毀れやヒビの入った杖では戦えないからな」


「「「・・・・・・エッ!」」」


「大丈夫だ。たかがオークだ。ちゃんと手伝うから」


「因みにショーさんはCランクでしたよね。今のランクは?」


「Sランクだけど」


「「「・・・・・・エッ!」」」


俺はネックレス代わりにしているゴールドのギルド証を見せてやると、三人はまた驚いていた。

まあ、Sランクと言ってもやることは同じなので、重要なのはレベルだ。ただ、Sランクになると冒険者ギルドが俺への対応が変わり、魔物の情報なども親切に紹介してくれるようになった。


朝食を食べ終えると、すぐに気配を探りながらオークの群れを探した。二十匹ほどの小さな群れを見つけると急いで向かった。


「俺がオークの群れに突っ込み、足を斬るから、後は三人で始末してくれ」


「「「はい!」」」


俺はオークの群れに突っ込むと魔剣朔夜を抜き、加速三倍でオークの片足を次々に斬っていった。ソフィア、リリー、ルースは俺の後を追いかけながら、オークに止めを刺すだけだ。


オークは解体せずに全て魔法の袋に入れるとすぐに次のオークを探し、三時頃までに九十三匹を倒し、街へ戻ることにした。三人は馬車の中で熟睡していたので、オートマタを召喚し、馬車の操縦を任せた。


冒険者ギルドに到着すると受付嬢のお姉さんに裏の解体場まで案内してもらい、倒したゴブリン二百五十匹以上の素材とオーク九十三匹を丸ごと取り出し、精算をお願いした。


後のことは三人に任せると、俺は部屋に戻り、仮眠を取ることにした。暫くするとドアにノック音が聞こえたので、ベッドから起き上がり、扉を開くと三人娘が立っていた。


「この買い取り金額の分け方で相談にきた」


「俺はいいから、三人で分けてくれ。それよりもランクは上がったか?」


「いいのか?」

ソフィアが何度も確認してくるが、金には困ってないし、倒したのは三人なので断った。


「だから言ったでしょう。きっと受け取らないって」


「私達、二つもランクが上がってCランクになったの~、エヘヘへ。それにレベルが二日で七も上がったの~」


「ところで、明日はどうする?明日も続けるなら、もっと厳しくなるぞ。でも、お勧めは自分達だけで魔物を狩り、まずはレベルの上がった自分達の実力を再認識することを勧める。どうする?」

三人はゴニョゴニョと話し合いを始めた。


「はい。ショーさんの言うように、まずは自分達の実力がどうのくらい上がったのか確認したいと思います。だから、明日は私達だけで狩りに行きます」


「ただ、馬車をお借りしたな~と・・・」


「ああ、いいよ。好きに使ってくれて構わない。但し、無理は絶対にするなよ。魔物と戦う際は必ず、逃げ道を確保しておくこと。俺は無理やりにレベルを上げさせたけど、自分達で戦う際は自分の命を第一優先にしろ」


「「「はい」」」

これで明日はゆっくりできる。


無理やりにレベルを上げさせたので、自分達の実力を再認識しないと、自分達の実力と感覚が余りにもかけ離れると慣れるのに時間がかかると思い、アドバイスしたのだ。だが、三人は獣人だけあって元々、身体能力が高いので、すぐに慣れるだろうな。


かく言う俺は経験値十倍や二十倍の指輪で無理やりにレベルを上げているので慣れる、慣れないがどうのと関係なしにやっている。まあ、自分の手で魔物と戦いながら、感覚をつかんでいる感じだ。





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