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カードマスターの流浪旅  作者: 八神清吾
第一章 放浪の旅
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初めての狩り

心を落ち着かせようとマイクロバスのシートに腰を降ろし、どうすれば良いのかと考えた。

取り敢えず、マイクロバスから降りて、ここは何処なのかと周りを見回した。

落ち着いてくると初めは気付かなかった光景が見えてくる。よく見るとその周辺には、古びた自動車や飛行機、汽車、電車、馬車や江戸時代の駕籠まである。他にも学校や病院、ホテルなどが放置され、今にも崩れそうだ。恐らく、今回のように乗り物ごと、建物ごと召喚されてしまい、この場所に放置されているのだろうな。


「先ずは自分のステータスの確認だ。えっと、確かステータスオープン」

目の前に透明な画面が現れ、自分のステータスを確認した。


========================================

名前:ショウタ カネダ

種族:人族 職業:カードマスター LV:1 SP:100

生命力:12 魔力:1 力:3 俊敏性:7 

持久力:5 器用:27 精神力:17

スキル:-

ユニークスキル:カード化、カードホルダー

========================================


「何度見ても、メチャクチャ低いステータスだよな。確か、一番低い浅香優奈のステータスても100以上の数値だったよな。ハァ~、取り敢えずはカードマスターの職業だよな。俺らしいと言えば俺らしいのだが・・・・・・」

しばらくステータス画面を見つめ、試しにカードマスターの職業欄をクリックしてみた。するとゲームマスターの説明画面に切り替わった。


■ゲームマスター

ゲームマスターは魔力を使用せずに対象物のカード化、召喚が自在に行なえるユニークスキル。

スキルポイントの100Pでカード十枚と交換できる。入手できるカードの種類はモンスターカード、マジックカード、スキルカード、ユニークスキルカード、アイテムカードの五種類。カードはカードホルダーに無限収納できる。但し、レベル100でスキルポイントの恩恵は終了となる。


「なるほど。じゃあ、カードを使えば魔法やテイマーの能力が使え、スキルも会得できると言うことか。となれば、スキルポイントでカードを入手するしかないな」

スキルポイントをクリックすると、「100Pでカードを入手しますか?」と「はい/いいえ」の選択画面が表示されたので「はい」を選択すると、十枚のカードが入手できた。


■アイテムカード キャンプセット

テント、エアーマット、寝袋、調理道具、マグカップ、椅子、ランタンなど必要な道具が揃った万能キャンプ魔道具。更にテントは空間拡張され、ロックの詠唱で周囲に結界が張られる。アンロックで解除可。


■アイテムカード ハンバーガーセット

ハンバーガー、ポテト、ドリンクのセット十食分。


■アイテムカード 魔道具の水筒

ミネラルウォーターが湧き出る水筒。常に水筒内を満水にしてくれる不思議な魔道具。


■アイテムカード 経験値十倍の指輪

魔物を倒すと得られる経験値が十倍になるレアアイテムの魔道具。但し、レベル100になると使用できなくなる。


■モンスターカード インフェルノウルフ(従魔)

地獄に住む狼の王と言われる幻獣。全身の毛色は闇夜のように黒い。牙や爪が異常に発達している。闇と影魔法で敵を攻撃し、高い知能を持つ。


■スキルカード調合

採取した薬草をカード化すると、ポーションに自動生成してくれるスキル。


■ユニークスキルカード自動言語取得

相手が話す言語を聞いた瞬間に、その言語の発音や文字を習得するレアカード。


■ユニークスキルカード 融合

二枚以上のカードを融合させ、別の物に変えてくれるレアカード。


■マジックカード ファイヤーボール

指定した対象に火球魔法を三回まで発動できる。


■マジックカード エアーカッター

指定した対象に真空刃魔法を三回まで発動できる。


アイテムカードが四枚、モンスターカードが一枚、スキルカードが一枚、ユニークスキルカードが二枚、マジックカード二枚の計十枚か。俺はすぐに経験値十倍の指輪をカードから召喚すると、中指に嵌めてみた。俺の指には大きいかなと思った瞬間、指輪は俺の指に合わせて自動でサイズ調整した。便利な魔道具だ。


従魔のインフェルノウルフを護衛用に召喚すると、スキルカードの調合スキルとユニークスキルカードの自動言語取得と融合のスキルを覚えた。


草原に放置されたままの古びた乗り物や建物が、なんだか物悲しく見えてしまったので、すべてカード化しておいた。カードに描かれた写真を見ると、古びた乗り物や建物が、新車や新築に変わっている。試しにオフロードバイクをカードから召喚するとピカピカの新車になって召喚された。


「一旦、カード化すると自動で修復、修繕されるのか。これは便利だ」

カードホルダーと唱えると、空中にカードがずらり並び、意識するだけでカードの出し入れが自由に出来るようだ。


でも、これだけの乗り物や建物があると言うことは今までに一体、何の目的でどれだけの人数を召喚したのかと疑問に思ってくる。まさか、魔王を倒すために?それとも他国への戦争を仕掛けるため?他に何かあるのか。それに今までに召喚された人々はどうなったのか?元の世界に帰してもらったのか?考えれば、考えるほど疑問が増えてくる。だが、その疑問はこの国の王都へ行くことで解消されるのだった。


「しかし、ここは何処だ?近くに街や村があるのかな。こうなると地図スキルが欲しいとこだけど・・・・・・」


「グルルルルル」

急にインフェルノウルフが唸り声を発したので慌てて周囲を確認すると大きな猪二匹が森から突進してくるのが見えた。


「うわぁー!」

いきなりの出来事に俺は腰が引けてしりもちをついてしまったが、インフェルノウルフは落ち着いた様子で、影から影分身のような二匹が現れると、あっと言う間に大きな爪で二匹の喉を切り裂いて倒した。それと同時に俺の身体がほんのりと熱くなったような気がした。

倒した猪は影分身のインフェルノウルフが銜えて持ってきてくれた。早速、カード化して魔物の名前を確認した。


「これがワイルドボアか。やっぱり、この世界って魔物がいるんだな。おっと、それよりもレベルが上がったような気が。ステータスオープン」


========================================

名前:ショウタ カネダ

種族:人族 職業:カードマスター LV:3 SP:20

生命力:17 魔力:6 力:8 俊敏性:12 

持久力:10 器用:32 精神力:22

スキル:調合

ユニークスキル:カード化、カードホルダー、自動言語取得、融合

========================================


「レベルが上がっている。と、言うことは・・・・・・」

従魔が魔物を倒しても俺の経験値になると言う事か。ステータスはまだまだ低いが、スキルポイントはちゃんと20P増えている。じゃあ、レベルが一つ上がる毎に10P増えると言うことか。レベル100になるまでにレアカードが沢山入手できるといいけど・・・・・・。


俺は早くレベルを上げたくて、インフェルノウルフに護衛させながら、森の浅い場所で魔物を探した。周りを警戒しながら探していると魔物ではなく、三人の亡骸を見つけてしまった。

亡骸は側には武器があり、防具を身に纏っていることから、冒険者ではないかと推察した。もし、本当に冒険者なら、近くに街や村がある可能性が高い。確認するために亡骸をカード化すると名前と職業、冒険者の持ち物がカードになって分かれた。


名前:デビット(元冒険者)、名前:マイケル(元冒険者)、名前:ロバート(元冒険者)、鋼の剣×2、鋼の鎧×2、鋼の盾、杖、ローブ、ナイフ、ギルド証×3、衣類×3、履物×3、お金(金貨二枚、銀貨十三枚、大銅貨四枚、銅貨三十二枚)


やっぱり、冒険者で正解だったようだ。

俺はアイテムカードのキャンプセットから、スコップを召喚し、その場に穴を掘って三人の亡骸を埋めてやった。三人の亡骸を持っていく訳にもいかなし、放置することもできなかったので埋めることにしたのだ。墓石代わりの石を置いて三人の名前をナイフで刻んでやった。それと、生えていた花を何本か積むと墓に供えた。三人のギルド証は冒険者ギルド預けるつもりだ。家族がいれば、亡くなったことがわかるだろう。


三人の冒険者の持ち物の中から、鋼の剣とナイフをカードから召喚した。思った通り、召喚した剣とナイフは錆びてボロボロだった刃が綺麗な状態に戻り、新品のようになっている。


剣を右手に持ち、ナイフを腰のベルトに挿すと森の探索を続けた。暫くするとインフェルノウルフが、急に走り出し、俺は慌てて後を追いかけた。すると目の前に二足歩行で歩く豚の魔物五匹が、此方に向かって来るところだった。インフェルノウルフから伸びた影が、豚の魔物五匹の影に重なった瞬間、魔物の動きが止まった。恐らく、影縛りのような魔法だろうと推察した。次の瞬間、インフェルノウルフの爪が豚の魔物五匹を切り裂いてあっさりと倒してしまった。すぐにカード化すると魔物の名はオークと書かれていた。


先程の戦いで思ったのだが、魔物の強さを十段階のレベルで表すとすれば、ワイルドボアはレベル2、オークがレベル3とするなら、インフェルノウルフの強さはレベル7以上の強さはあると思う。他の魔物はわからないが、オーク程度の魔物なら、インフェルノウルフの敵ではない。


それからも大きな兎のホーンラビット、アニメで見たようなスライム、ワイルドボアを狩ると、召喚された草原に戻った。


アイテムカードのハンバーガーセット食べながら何故、この世界でハンバーガーセットが?それに出来立てのように温かい。まあ、考えても答えはでないが。それよりもレベルが11に上がったことが重要だ。スキルポイントの100Pと交換で新たなカード十枚を入手した。


■アイテムカード ラーメンセット

ラーメン(塩、味噌、醤油、豚骨味の四種類)とチャーハンのセット四食分。


■アイテムカード ワイングラス

ワイングラス五個セット。


■アイテムカード ウィスキー

アルコール度45のウィスキー六本セット。


■アイテムカード 拳銃

サプレッサー付き自動装填拳銃とホルスター。弾500発。


■スキルカード気配察知

敵対する存在の気配を察知できるスキル。察知範囲は魔力量によって異なる。


■スキルカード解体

倒した獣などをカードにすると解体の有無を選べる。


■ユニークスキルカード死獣隷属

自身で斃した獣を死獣隷属の従魔としてカード化できるレアカード。但し、カード召喚した従魔が死亡した場合、再カード化不可。


■ユニークスキルカード等価交換

等しい価値を有するものに交換することができるレアカード。


■マジックカード ファイアアロー

指定した対象に火矢魔法を三回まで発動できる。


■マジックカード ファイアウォール

指定した対象に火壁魔法を三回まで発動できる。


また、アイテムカードが四枚か。でも、スキルカードが二枚、ユニークスキルカードが二枚もある。それにマジックカードが二枚だ。

スキルカード二枚の気配察知、解体とユニークスキルカード二枚の死獣隷属と等価交換を召喚し、新たなスキルを覚えた。ステータスの値もかなり上がってきたので確認することにした。


========================================

名前:ショウタ カネダ

種族:人族 職業:カードマスター LV:11 SP:0

生命力:77 魔力:66 力:68 俊敏性:72 

持久力:70 器用:92 精神力:82

スキル:調合、気配察知、解体

ユニークスキル:カード化、カードホルダー、自動言語取得、融合、

        死獣隷属、等価交換

========================================


まだまだ、他の召喚された奴らには敵わないが結構、身体が軽くなったように思う。


新しく取得した解体スキルで倒した魔物を解体すると、オークは魔石、肉、討伐部位の鼻に解体され、ホーンラビットは魔石、肉、毛皮、討伐部位の角に、ワイルドボアは魔石、肉、毛皮、討伐部位の牙になった。ただ、スライムだけは解体しても魔石にしかならなかった。


しかし、意味のわからないアイテムカードもある。食べ物や水はまだわかるが、ウィスキーの意味がわからない。未成年の俺には飲めないのだが。ひょっとして、ウィスキーは等価交換で何かに換えろと言うことだろうか。


その日はラーメンセットの醤油ラーメンとチャーハンを食べると、キャンプセットをカードから召喚し、休むことにした。

キャンプセットを召喚すると、テントが張られた状態で召喚され、ペグまで地面に打ってある。テントに入ると一人で寝るには広い過ぎる空間だ。夜はロックでテントの周りに結界が張られるせいか、インフェルノウルフに守られているせいか、安心して心地よい眠りについた。





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