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バルカン半島ー1
1936年8月
ブルガリアを事実上支配下に置いたルーマニアは、次に矛先を向けたのはハンガリーであった。
ルーマニアはハンガリーの再軍備の支持の要請を拒否、両国間の関係は急速に冷え込んだ。しかしながら一触即発の状況ではあるものの軍事力の圧倒的な差とソ連の脅威があるからか、徐々に凍り付いた関係解けていく...はずだった。
9月1日、ルーマニアはハンガリーに突如、政府の交代を要求する。指名した政治家はいずれも親ルーマニア派であり、実質的には傀儡国家になるように要求するものであった。
二日後の9月3日、ルーマニアはハンガリーに再度政府の交代を要求、軍事行動すら辞さないという最後通牒を一方的に突きつける。
さらに、ルーマニアは軍を国境に、それも防衛にしては過剰すぎる戦力を集めた。ハンガリー守備隊との戦力差は歴然であり、質でも量でも勝るルーマニア軍に勝てる見込みは無かった。
これを受け、ハンガリー政府は屈服せざるを得ず、ハンガリー事実上のルーマニアによる支配を受けることとなる。