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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

勇者

作者: 桜ひな

僕は勇者。この世界では「魔物」がいて勇者とは、それら魔物を従える魔物の王「魔王」を倒す役職だ。初めから勇者というわけでなく、僕は、19を過ぎたあたりに勇者になった。それまでは「魔物殺し」という異名がついたSランク冒険者をしていた。

みんなに勇者ってすごい!かっこいい!憧れる!などと言われてきた。自分が主人公の本にされたり歌にして子供達にきかせたりと、とにかく有名だ。

だけど、僕はこの役職が好きじゃないんだ。他の役職、剣士や魔法使いなどの人達は魔物を出来るだけ倒して、レベルアップして、強くなるため、誰かを守るため、と何か理由があって戦っている。仲間と協力して、高みを目指して。

でも、勇者の役職は、この世に1つだけ。ある日誰かが、子供の時かも知れないし、大人になってからかも知れないし、貴族かも知れないし、平民や奴隷からなることもあるそうだ。ただ、1人しかいないから1つの世界に勇者が2人いることはないんだって。

そして勇者はこの世界の人間の中で一番強い。

なぜ分かるのかって?

勇者しか持たない能力があるからさ。


「この世界のことはなんでも知ることができる」


この能力でこの世界のことについてはなんでも分かる。僕が住んでる世界とは別の世界があることも知っている。それがどんなところかはわからないけど。


まぁ、この能力は万能なんだ。なんでも分かるし分からないことがあると脳内に勝手に答えが浮かんでくる。


で、なんでこの役職が嫌いなのか、だったね。

それはね、この世界のことが分かる、つまり人間側だけでなく、魔物側のことについてもわかってしまったんだ。


魔物たちの世界について。それはひどいものだったよ。人間たちは、子供でも老人でも見境なく殺して、そして経験値をとり、レベルアップして、また殺して。それが今まで永遠に続いてきて。魔物殺し、とまで言われた僕は、これを知ってしまった。最初は罪悪感で何もできなかった。何もしたくなかった。でも、周りからは、勇者と言われ、魔王を倒してくれ、魔物を全滅させてくれ、と。そんなことできるわけがないのに。




魔物だって、人間と同じ。何かを考え、実行して。ご飯を食べたり、寝たり。生きるために、毎日毎日頑張っている。彼らも「知性」というものがあるのだ。




だけど、

どうしようもなかった。

僕も魔物が知性を持っている、人間と同じだ!と人々に伝えてまわった。だが結果は同じ。誰も話を聞いてくれやしない。このことを人々に伝えようとしたのは僕だけじゃないらしい。僕より前の勇者たちの中にもこのことを伝えよう、争いはやめようと言った人がいる。そのとき人々は、勇者が変なことを言っているとしか考えなかった。


おかしい、変だ、と思うだろう?誰も「勇者」の声に耳を傾けないなんて。すぐに能力に聞いてみたさ。そしたらね。


「世界のシステムにより人間と魔物の争いが無くなることはない」



と。世界のシステムね。システムはこの世界の基礎となっているもの。変えることはできないんだ。どんなに努力しても。





勇者になって、数年が経ち。僕は勇者として「1人」で魔王と今戦っている。大変だったが、仲間なんて作れない。自分のパーティが喜んで魔物を殺す姿を見たくない。


魔王は強い。他の魔物とは違う。

戦っている中で気づいた。魔王は怒っているんだ。魔物を殺してきた僕たちに。でも、魔物だって人間を殺している。そうやって自分に言い聞かせてきた。魔王が僕の攻撃を避け反撃してきた。攻撃をよけることができない。僕は死ぬのか。死んだら楽になるのかな。

でも、僕が死んだら新たな勇者が生まれてしまう。

願うなら、次の勇者はどうか、僕のようにはならないでくれ。

今までの記憶が頭の中を一瞬で駆け巡る。初めて、冒険者になったときのこと。勇者になったときのこと。この世界について知ってしまったときのこと。ああ、これが走馬灯か。




そして攻撃が



僕の腹を貫通した。










勇者が魔王に負けた。この情報は瞬く間に世界中に広がった。勇者がいなければ人々が魔王を倒すこともできない。


人々は、次の勇者の誕生を祈った。
















そしてまた、



新しい勇者がうまれる





















読んでくださりありがとうございました。自分がかきたくなってかいたものですから、文がよく分からなかったものやぐちゃぁとしたものがあったと思います。

最後まで読んでくれた方に感謝。

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