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終末後記  作者: Takahiro
1-4_米軍の反撃
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セントポール攻防戦Ⅱ

「第二戦隊、DF4空域に集合せよ!尾張、信濃、3時の方向に突撃!第三戦隊、DG4空域に向かえ!」


伊藤少将は、混乱の渦中にある第二艦隊に対し、次々と怒濤の指示を下す。その様子は、普段のキザの雰囲気とはまるで別人であり、一個艦隊を預かるにふさわしい、勇猛な将軍のそれであった。


第二戦隊は、バラバラに敵と戦闘していたものが、荒業ではあるが、纏まりを持ちつつある。


戦艦尾張と信濃は、第二戦隊の進路上の敵艦を沈めるため、敵に突撃した。


第二戦隊は、その間隙に向かって全力で突入し、混沌とした戦場から、一時的に距離を取る。


敵は依然として混乱しているようだが、その中でも第二艦隊はすぐに秩序を取り戻した。


やはり、これまでの戦闘で疲弊しておらず、完全充足の第二艦隊は、米艦隊とは動きが違う。


依然として各艦が孤立して戦っている米軍に対し、第二艦隊は、狙いを一隻一隻に定め、その砲撃は敵の散発的なものとは異なり、砲弾の雨を敵の頭上に降らしている。


一隻、また一隻と、砲弾を浴びた敵は沈んでいく。


「よし、敵の背後に回り込む!全艦、南に回頭し、FR空域にまで進み、敵の左翼を叩く!」


伊藤少将の号令で、第二艦隊は、次の段階に以降する。


米艦隊の中央は混乱しているが、その両翼はまったく秩序立っている。第二艦隊は、敵中央を突破し、その背後に回り込み、秩序立った敵の背後に迫っていく。


同時に、敵の左翼に連合艦隊も砲火を集中し始めた。


「よし、全艦、全力で砲撃せよ!」


第二艦隊の主砲は、一斉に火を噴いた。砲弾は米艦隊に次々と着弾し、あちこちから炎が上がり、艦が傾いている。


一方で、米艦隊からの反撃は少ない。


連合艦隊と第二艦隊に挟まれ、どちらを狙えばいいかという意志が統一されていないのだ。あるものは前方、あるものは後方を狙い、狙いが集中せず、敵の砲火は非常に薄い。


第二艦隊は、そんな敵に、容赦なく砲弾を当て続けた。敵は、酷く混乱している。


この領域においては、連合艦隊が圧倒的に優位に戦闘を進めている。連合艦隊の砲弾は、次々と敵を撃ち抜いているのだ。


しかし、そんな状況も長くは続かない。舞台は、大和に移る。


「敵右翼、こちらに接近してきています」


「ふむ、全艦、第三段階に移行せよ」


敵左翼を挟む片方である連合艦隊に対し、敵の右翼が迫ってきた。このままでは、逆に、敵の十字砲火を浴びる羽目になるだろう。


東郷大将は、次の作戦として、敵な左翼の更に外に全部隊を集結させ、全艦隊を改めて一つに纏める作戦を立案した。


こうすることで、連合艦隊全体と米艦隊は直角に交わり、巨大な丁字が完成する。この遠大な陣形でもって、未だに戦力において引けをとっている連合艦隊に勝利をもたらす算段である。 


「全艦、敵の左翼に移動した後、単縦陣に移行し、砲撃戦に備えよ」


連合艦隊は、敵の左翼に砲撃を加えながらも、徐々に南側に移動していく。


敵の右翼が向かって来ているが、決してその射程に入らないような間合いを取りつつ、連合艦隊はじわじわと下がっていった。


「第二艦隊と合流しました」


「結構。連携は密にするように」


敵の左翼の左側にて、連合艦隊主力と第二艦隊は合流し、一つの単縦陣の形成に入る。


接近する米艦隊に対し、長大な蛇の如し連合艦隊が待ち受ける。


米艦隊は、連合艦隊の半包囲の中に囲まれ、殲滅のワルツを舞うことになるだろう。



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