時計塔にてⅡ
サブストーリーです。キャラから滲み出るラノベ感。
時は、五大湖攻防戦の最終盤である。
件の時計塔では、再び、怪しい人々が会談に臨んでいた。この時計塔は、度々表には出せない秘密交渉に使われているのであった。
この場所に、戦車に乗って訪れたのは、大日本帝国の代表団と、黒衣の集団であった。軽く儀礼的な挨拶を済ませると、いつもの交渉は始まった。
だが、原首相のもとに届いたのは、少女の声であった。
「原首相、今回も、戦争の制御、感謝します。全ては、世界の平穏のために」
テーブルを囲む者たち。片側には、スーツに身を包んだ原首相を筆頭とする、閣僚たち。もう片方には、黒い外套に身を包んだ数人の者たちがいた。
その真ん中には、黒服の代表者と思われる、背の低い少女が座っている。少女に外套というのは妙な組み合わせだが、案外、様になっていた。
そして、彼女の髪は真っ白であった。真っ白な髪が、外套と、美しいコントラストを成している。
「いえいえ、全ては、帝国政府の利益の為ですよ」
「へえ、なかなかなことを仰りますね」
「まあまあ、それは置いといて下さい」
原首相は、如何にも政治屋といった、相手に媚を売る話方をしていた。
しかし、その交渉相手は、そんなことは気にしていないようだ。
「では、今季も、資源を提供しましょう。できれば、戦争で無駄遣いして欲しくないものですが」
「これは、手厳しい。物資については、ありがとうございます。そして、我々は、世界の平和を維持しましょう」
「では、姫様、物資の搬送は手配しておきます」
「お願いします。
それと、くれぐれも、私達の存在を悟られないように、原首相」
白髪の少女は、原首相に念を押した。
「もちろんです。それは、我々の不利益ともなりますから」
「では、こんな与太話はやめて、さっさと戻りましょう。戦車を」
「承知」
双方は、既定の交渉を終えると、すぐにこの場から離れていった。
「全ては、あの子のために」




