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終末後記  作者: Takahiro
1-3_五大湖攻防戦
80/720

ある少女の記憶Ⅴ

サブストーリーです。ネタ全振りです。

その日、少女はまた人間と出会った。


「おーい、そこの君ぃ!何してるの?」


少女に叫びかけたのは、ゴシックな黒いメイド服を着た女性であった。そして勿論、この寂れた世界では、彼女は異質そのものであった。


「あっ、危ない人だ」


少女は、颯爽とその場から立ち去ろうとした。それは、過去会った人の中で、一番危なそうな人であった。だが、その相手は追いかけてきた。


「ちょっ、待って!」


「ああ、なに?」


「とりあえず、自己紹介でもしようよ」


「いいけど……」


「私は、ノン・イラストリアス。君は?」


「私は、コウ」


「おお、よろしく、コウ!」


ノンは、コウに手を伸ばしてきた。そして、二人は熱い握手を交わした。もっとも、ノンが一方的に掴みかかってきただけであるが。


「で、こんなとこで何してるの?」


「別に、何かあるわけじゃないよ。ぶらぶらしてるだけだよ」


「ふーん、他に、ヒトにあったことはあるの?」


「ああ、さっき、イシイとか言う人にあったよ」


コウがそう言った途端、ノンの表情が僅かに曇った。しかし、コウはそれには気づかなかった。


「うーん、知らないな」


「そう」


「ねえ。そうそう、どうしてヒトは屍人をみんな殺そうと思わないか、わかる?」


「あなたもそういうこと言うの?」


少女は困惑したような、面白がっているような顔をした。


「まあ、確かに屍人を放っておくのは謎だね。考えたことなかったよ」


「ふうん。だったらいいや」


その時、突然に地が揺れる衝撃が訪れ、周囲の埃が舞った。遠くを見れば、煙が遥か高く上がっていた。


「始まったか」


ノンは、鋭い目でその先を眺めていた。その瞳には、どこか、怒りが感じられた。


「なにが?」


「戦争だね。あれは、多分、都市の壁が壊されたんじゃないかな」 


土煙は、かつて少女が見たこともないほど巨大であった。


「おお、それなら中に入れるかな」


「まあ、そうだね。て言うか、君はヒトと会いたいの?」


「まあ、うん」


「だったら、行ってみたらいいんじゃないかな」


「うん、そうするよ。じゃあね、お姉さん」


「バイバーイ。」


少女は、煙の中に駆け込んで行った。




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