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終末後記  作者: Takahiro
1-3_五大湖攻防戦
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ホワイトハウスにてⅤ

ちょっと最近ネタがないサブストーリーです。

時は、ヒューロン湖での攻防戦の最中である。ホワイトハウスでは、ハル特使の報告についての議論が交わされていた。


「ほう、日本からそんな言葉が飛び出してくるとは、驚きですな」


「ああ。我々は()()の為、日本軍を撃滅しなければならん」


ルーズベルト大統領の台詞は、いつでも皮肉めいている。


「アルテミスならば、十分ではないのですか?」


「それがな、そうとも言い切れんのだよ」


「と言うと?」


「君は、アルテミスの本来の運用方を知っているかね?」


「運用方?あれは、ただの湖上要塞の発展型ではないのですか」


アルテミスには、電磁加速砲の他には特別なものはない。大臣には、ルーズベルト大統領の意図は図りかねた。


「ふむ、参謀総長、説明してくれたまえ」


「了解しました」


参謀総長は、アルテミスの運用について語った。


彼曰く、アルテミスは本来、同型の湖上要塞とともに防空にあたるものである。複数の要塞で広範囲を守備するのが設計された当初の計画であり、単機で広い範囲をカバーすることは想定外であった。


即ち、今のアルテミスは、拡散した敵に対しては有効でないということである。


「なるほど。アルテミスも、万能の兵器ではないのですね」


「うむ。わかってくれたなら、結構だ」


「では、その先も考えるべきということですな」


「そうだとも」


「しかし、どうするのですか?」


「まずは、Ωの発動を許可しましょう」


「なっ、アルテミスを棄てると言うのですか!」


「そうです。五大湖でしか使えないアルテミスには、戦略的な価値はあまりありません」 


確かに、日本軍は、五大湖に近づかなければ、アルテミスの脅威に晒されることはない。


「私からも、許可しよう。別段、200年前の先人の努力など、今、役だたなければ意味がないだろう?」


ルーズベルト大統領は、案の定、これを許可した。


「そうですな。これは、十分に合理的だ」


「しかし、Ωの発動には相当な時間がかかりますぞ。ましてや、日本軍に気づかれずに為すとなれば……」


「ならば、二次的安全策を講じるべきでしょうな」


「だったら、諸君、デトロイトに対して『ネロ指令』を適用するのはどうかね?」


「なっ、あの大都市をも棄てるのですか!?」


大統領が言葉を発したとたんに、議場は騒ぎたった。だが、ルーズベルト大統領は、それを静める。


「諸君!我々が、既に南米を征服したことを忘れたのかね?デトロイトを失おうとも、まだあそこが残っているじゃないか」


「確かに、そうですが……」


「反論は、あるかね?」


大臣達は、何も言うことができなかった。ルーズベルト大統領の言葉は、あまりに非情かつ合理的であった。


「決まりだな。チャールズ元帥に伝えておいてくれたまえ」


再び、ホワイトハウスは奸計を巡らすのであった。



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