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終末後記  作者: Takahiro
1-2_ロッキー山脈攻防戦
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占領都市

章の書き方を変えてみました。

例えば、1-2は、第一部の第二章という意味です。

崩壊暦214年2月6日08:26


およそ三週間前、大日本帝国陸軍は、ロッキー山脈攻防戦を制し、カルガリーを制圧した。


その後、残存艦隊をもって、ロッキー山脈要塞を()()()()攻撃。


それは想定外だったのだろう。ロッキー山脈は、いとも簡単に陥落した。


R号作戦は、成功裏に終わった。


もっとも、犠牲は大きかったが。連合艦隊は、戦艦3隻、巡洋艦8隻、駆逐艦12隻を永久に失った。それに、多数の艦は多かれ少なかれ損傷している。


「大損害だったな」


「はい。連合艦隊の再建は、暫くはかかりますね」


東郷大将と、東條中佐は、大和の艦橋からカルガリーを見下ろしながら、言葉を交わす。


例え地上に着陸している状態であっても、大和は巨大であり、艦橋から都市を見下ろすことができるのだ。


「しかし、カルガリーは、無血開城に終わり、綺麗ですね」


「ああ。だが、市民には、我々はどう写るのだろうな」


「まあ、下手を打たなければ、レジスタンスの類いは現れないでしょう」


「そうだな。サンフランシスコの轍は踏みたくない」


現状、カルガリーは平和そのものである。もちろん、戦時下のこの時代としてはだが。


帝国軍は、その軍規を守り、軍紀は乱れていない。今のところ、市民とのいさかいは報告されておらず、カルガリー市民は、平凡な生活を享受している。


本国からの、食糧、弾薬の補給も堅実に進んでいる。軍政においても十分な物資が、届いている。


だが、彼らが物思いに耽っているその時、突然の通信が入ってきた。


「閣下、本国からです」


「繋げ」


そして、スクリーンに写るのは、如何にも優しそうな顔をしている、少し緩いスーツに身を包んだ男である。


「おはよう。東郷大将、東條中佐」


「おはようございます、原総理。今回は、どのような案件でおかけになったのですかな」


この時代、シビリアンコントロールの原則は完全化されている。内閣の下に、軍部があるのだ。つまり、原総理大臣は、名目上の帝国軍最高司令官である。


また、天皇の統帥権は独立せず、内閣の輔弼を要する。


「早速なのだが、大将、率直に言うと、帝国には、連合艦隊の被害を補うだけの新造艦を造る余裕はないのはわかるな」


「それは、こちらも承知の上。ついては、鹵獲した敵艦の改修、利用、大破した艦の修復をもって、戦力を拡充するつもりでありますが」


東郷大将は、今後の計画として、ある程度の損害は、現地で補うつもりである。そして、それは十分に可能であったのだ。


「それでは、遅いのだ。帝国は、速やかな終戦を望んでる」 


「では、どうしろというのですか?」


「先日、御前会議にて、大本営は、中央軍の第五艦隊、南方軍の第四艦隊を、アメリカに送ることに決定した。この二個艦隊は、大将の指揮下に入る。指揮権の問題は、心配しないでくれ」


原総理大臣が言うには、南方と中央から艦隊を派遣する予定らしい。もっとも、東郷大将一人には拒否権はないが。


「私としては、ありがたい限りであります。しかし、事後告知とは、私も会議に交えて欲しかったものです」


「すまないな。幾分、急だったもので。それに、ソビエト国境の軍縮は既定事項だったから、どのみち艦隊は余るんだ」


「なるほど。私としては、より補充された艦隊をもって、より一層の戦功をあげたいと思う所存であります」


「よろしい。では、よろしく頼むぞ」


通信は終わった。


「とんだものが来ますね」


「ああ、そうだな」


「艦隊の編制も、考えなければなりません。早速、手配しますね」


「結構。よろしく頼む」


連合艦隊は、カルガリーにて暫しの再編成と、修復を行う予定であったが、またすぐに戦場に向かうことになりそうだ。








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