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終末後記  作者: Takahiro
1-2_ロッキー山脈攻防戦
49/720

ホワイトハウスにてⅢ

サブストーリーです。

時は、ロッキー山脈陥落の直後である。


「大統領、ロッキー山脈要塞が落ちたのですよ!どうするおつもりですか!?」


会議は、早速大統領への問責から始まった。


「まあまあ、落ち着きたまえ。確かに、我らが軍は大敗はした。だが、そんなものは、偉大なアメリカ軍の一部に過ぎないだろう。まだまだ、我々は余力を残している。心配には及ばんよ」


ロッキー山脈という、アメリカの二大要塞のひとつを失っても、ルーズベルト大統領は余裕綽々であった。


「しかし、これは、日本軍に重要な拠点を与えてしまうことになりますぞ。この大陸から日本軍を追い出すのが困難になります」


「別段、日本軍を追い払う必要はないだろう。ロッキー山脈より東の日本艦隊を殲滅すれば、敵も講話にのるのではないか?」


「では、やはり、五大湖の『アルテミス』を使いますか?」


国防大臣は、次の切り札の投入を提案した。


「ああ。あれならば、日本艦隊など敵ではないだろう?」


「それは、五大湖以西の都市は要らない、ということでしょうか?」 


「そうだ。それらの都市は、戦略物資を五大湖に輸送し次第、放棄する。それと、艦隊も損害がでないようにな」


「全ては、アメリカの勝利の為、でありますな」


政府は、国民よりも国家を優先した。


「ああ。正確には、()()()()()の為だがな」


「まさに、その通りですな」


そして彼らは、内心で民衆を嗤うのだった。

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