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終末後記  作者: Takahiro
2-5_バトル・オブ・ブリテン
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今日の世界(総集編的な何か)

新章スタートです。結構この名前好きです。で、まあ今回は新規さんいらっしゃい的な?

挿絵(By みてみん)

事の発端は、恐らく崩壊暦207年に遡れよう。もちろん、歴史というものは、原因を遡り続ければ人類の登場時まで遡れ、実際に紀元前数千年の出来事が現在に影を落としていたりするが、ここは妥協をしよう。


207年、アフリカ連邦共和国で内戦が勃発。文明崩壊後、辛うじて保たれていた列国間のバランスが崩壊した。所詮、平和など、河原に積まれた石にも等しく儚かったのだ。


欧州合衆国は政権側を支援、圧倒的に不利であった政権側は持ち直したが、それは同時に内戦の際限ない延長をもたらした。欧州合衆国はアフリカに注力せざるを得なくなった。


ここで動き出したのが、アメリカ連邦である。大西洋の脅威から解放されたアメリカ連邦は、突如として南米とオーストラリアに侵攻を開始した。


対して、大日本帝国率いる大東亜連合はこれに毅然として反対。南米への宗主権は認むれど、「豪州は東亜の生命線」であるとして、オーストラリアにおいて日米の代理戦争が勃発した。


そして213年、大本営は「世界の大勢我に利あり」と判断し、対米開戦を決意。ここに、日米戦争、ひいては第五時世界大戦の火蓋が切って落とされた。


当初より日本軍は連戦連勝を重ね、ロッキー山脈大防衛線を突破、五大湖要塞にまで侵攻した。しかし、五大湖での米軍の奇策により敗北。日本軍は撤退を重ね、ついにはロッキー山脈の直前まで前線を後退させた。しかしここで日本軍は決定的な戦術的勝利を収め、戦線は膠着状態に陥った。


だが、ここで事態は思わぬ方向に転換する。214年も終わりが見えてきたころ、突如として、前線の日本軍、米軍が同時にクーデターを起こした。


米軍はワシントン上空で決戦を挑み、政府軍を打倒。新たな軍部独裁政権を樹立したが、この戦闘で多大な艦艇が失われてしまった。


他方、日本軍は東京を強襲した。同時にソビエト共和国も大日本帝国に宣戦布告し、大日本帝国の終焉は確実と見られた。


しかし双方共に大日本帝国近衛隊の新兵器「震洋」により壊滅。震洋とは、敵艦隊に兵士を乗り込ませる為の、言わば特攻兵器である。もっとも、人間の兵士が使われることはなく、もっぱら屍人が虐殺兵器として使われた。


また大日本帝国政府軍は同兵器を用いて大量の艦を鹵獲、ついに大日本帝国は弱体化しなかった。それどころか、多数のソビエト艦を鹵獲し、戦前よりも高い水準の艦隊を運用している。


ソビエト共和国と大日本帝国の戦争はそのまま継続、アメリカ連邦では新政府が樹立されたが、戦争そのものは継続された。当初こそ日本軍が優勢であったが、やはり生産力は二国合計の方が優り、現状では両戦線とも小康状態が続いている。


さて、日本軍のクーデターの後、その残党はアフリカに逃亡した。反政府勢力、自由アフリカはこれを受け入れると共に、協力を要請した。日本軍はこれに応え、惰弱なアフリカ政府軍を一方的に撃破、一夜にして自由アフリカを大勢力たらしめた。


以後、諸軍閥の好意的中立などにより、アフリカ内戦は膠着した。しかしながら、自由アフリカ、アフリカ連邦共和国、共にアフリカ統一を目指していることに変わりはない。いずれ戦いは再開されるだろう。


また日本軍は欧州にも軍を派遣した。当時の欧州では、国家社会主義ヨーロッパ労働者党(略してNS)を筆頭とし、腐敗した民主主義に対する革命の機運が高まっていた。日本軍は、革命を起こすべく、ソビエト共和国の黙認のもと、同党と共にベルリン急襲を実行。これで革命に火が点いた。


NSは欧州合衆国をヨーロッパ国(Europäische Reich)と改称し、これをヨーロッパ唯一の正当な政府とした。ヨーロッパ国は早くも大陸を制圧し、残すところはギリシャとイングランドのみとなった。


今、世界の焦点は、この内戦の帰結にある。NSとアメリカ連邦は結託し、グレートブリテン島攻略を試みつつある。逆に欧州合衆国は大日本帝国、アフリカ連邦共和国と結託し、徹底抗戦の構えを見せている。


恐らく、ヨーロッパの覇権を握った勢力こそがこの大戦を勝ち抜くだろう。




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