ある少女の記憶II
彼女は、海岸から出発し、あてもなく地上を彷徨っていた。地上には、無数の屍人と、その他旧文明の遺産がごろごろ転がっていた。
仲間はとうに失った。今は、たった一人の旅である。ボロ布を仕立てて纏い、服らしくしている。武器という武器は、飛行戦艦の残骸から拾った軍刀ぐらいであった。
「壁にはよるなって、言われたしな〜」
彼女は、以前の仲間から、都市には近づくなと再三言われていた。理由はよくわからないが、とりあえずその通りにしてきたのだ。
「わお、でっかい山だなぁ。富士山よりでかいかも」
やがてたどり着いたのは、大きな山脈である。彼女は、山を越えることにした。何故だか、山火事が真っ盛りで、色んなものが燃えていたが、それを横目に少女は進んだ。
「はっ、戦艦だ」
そこに、飛行戦艦がやってきた。
飛行戦艦こそが、彼女の仲間を殺した兵器そのものだ。
当然ながら、彼女は恐れた。そして、飛行戦艦は、轟音を発しながら少女に迫ってきた。
「にげよ」
彼女は山中を逃げた。しかし、人と比べれば、飛行艦は圧倒的に速い。すぐに飛行戦艦は彼女に追いついてきた。
そして、2隻の艦が、地上に降り立ってきた。
「うわ、なんか、ヤバそう」
とりあえず、彼女は地上に降りてきた艦から離れ、身を隠した。何やら作業をしているようだった。また、幾ばくかの銃声も聞こえた。
暫くすると、飛行艦は再び空へと戻っていった。
そして少女は、更に山の向こう側へと進んでいくのであった。
ひたすら独り言を言ってるだけっていうね。




