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終末後記  作者: Takahiro
2-3_極東の戦い
373/720

アラブ連合の姿

豆知識シリーズです。

挿絵(By みてみん)


アラブ連合は文明崩壊後に誕生した組織である。その目的は、アフリカにもヨーロッパにもアジアのもロシアにも影響されないアラブ世界の保持である。つまり、文明崩壊前の時点で、アフリカ北部のアラブ世界は、そのアイデンティティをアフリカの一員に切り替えていたということだ。


ただ、その国力は低く、単独ではいずれの勢力ともまともな勝負が叶わない。そこで、アラブ連合の採ってきた政策は、ひたすらに列国を対立させ、その狭間で生きることであった。


さて、そんなアラブ連合について見ていこう。


アラブ連合は5つの独立国の連合であり、それぞれの国は軍人、外交以外の主権を全て有する。


まず最初はサウジアラビア。アラブ連合では最大の国力を持つ国であり、強い政治的影響力を有している。その政治体制は、20世紀から変わっていない。かつてアラビア半島には幾つかの小国が存在したが、それらは全て滅亡、故地はサウジアラビアに併呑された。


次にシリア。この国は、アラブ連合で唯一の共和国である。22世紀初頭のイスラエル征服戦争、アラブ-トルコ戦争などを経て、着々と領土を拡大、文明崩壊後も生き残り、十分な国力を残した。


次にイラク。かつてイラク侵略戦争でアメリカの支配下に置かれていたイラクは、21世紀中頃の王党派革命により、王政を復古させると共に、アメリカの支配を完全に脱した。その後も中東随一の軍事国家として振る舞い、諸国民戦争の際には、サウジアラビアと共に、対アメリカアフリカ軍団の主力を成した。文明崩壊後はクウェートなどの小国は併呑された。


次にイラン。政治的に、経済的に、サウジアラビアに次ぐ第二の強国である。一般に、この二国がアラブ連合を率いていると言われる。またイラクとは仲が悪い。そして、この国の特徴が、特定の王を立てず、貴族により合議を基本として国家を運営する点である。その為、国家元首はこの会合の議長となる。


最後にアフガニスタン。ソビエト共和国と国境線を接し、国土が妙に細長いこの国は、比較的厳格なイスラム国家であることが特徴である。もっとも、昔と比べれば緩いものだが。そしてこの国は、22世紀中頃の第二次ターリバーン運動の結果として生まれた国である。この革命の過程で、アメリカは追放され、イスラム共和政体が誕生した。


とまあ、こんな多種多様なイデオロギー渦巻くアラブ連合ではあるが、国益という最大の理由によって、今なお固い結束を保っている。


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