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終末後記  作者: Takahiro
1-2_ロッキー山脈攻防戦
33/720

R号作戦始動

大日本帝国って、作戦名に普通にアルファベット使ってたんですよ。

崩壊暦214年1月8日07:32


ここは、サンフランシスコ空港である。


少し前までは、米軍の抵抗の一大拠点であったが、今では逆に、帝国軍のロッキー山脈侵攻の拠点となっている。


そこには、新たに編成された連合艦隊が集結している。


「全艦に告ぐ。これより、ロッキー山脈攻略作戦、『R号作戦』を開始する」


連合艦隊は、次々と飛び立っていく。


その偉容は、第一艦隊を優に上回るものであり、東郷大将をして、勝利を確信せしめるものであった。


目指すは、ロッキー山脈北部である。その先には軍事都市カルガリーが控える。


ロッキー山脈は、要塞であるだけでなく、多数の敵飛行戦艦の根拠地となっている。山脈の南北から東に侵攻すれば、要塞線は無視できるが、常に山脈に潜む敵の脅威に晒されることになるのだ。


これが、R号作戦が立てられた所以である。


「近衛大佐、大和の機関は正常か?」


「ええ、閣下。問題なしですよ」


近衛大佐曰く、異常はないようだ。


「大和、問題はないか?」


「はい。全く問題ありません」


東郷大将は、確認に大和にも尋ねるが、正常らしい。大和の言葉なら信頼できる。


「よし。大和、離陸!」


大和はゆっくりと地上から離れていく。そして、連合艦隊旗艦は、東へと向かって行くのだった。


連合艦隊は、第一艦隊と第三艦隊を併せたものである。そして、空母4隻、戦艦10隻、巡洋艦22隻、駆逐艦36隻からなる大艦隊である。


奇しくも、彼の米軍サンフランシスコ防衛艦隊とほぼ同規模の艦隊である。


「さあ、諸君。作戦の確認だ」


ロッキー山脈までは、特に操舵がある程度自動化された大和では、しばらく暇なので、R号作戦に関する作戦会議が行われた。


「今回の作戦では、戦艦を主軸とする砲撃による敵要塞の破壊が主目的である。要塞の破壊の後には、カルガリーに侵攻し、空爆を中心とした攻撃で、敵を降伏させる」 


ロッキー山脈の斜面には、幾百の砲台が鎮座している。対空砲もまたである。


今回は、前回のような奇策を使う予定はない。正攻法を以て、連合艦隊の火力で押し潰す。


帝国軍には、この連合艦隊に絶対の自信があったのだ。


「ロッキー山脈をレーダーに捉えました」


ロッキー山脈がレーダーに入った。砲台の配置は白日の下となる。


「予想より多いな。東條中佐、何かあるかね?」


「はい、閣下。敵の砲台は異常に多いです。他の地点ではこのようなことは報告されていない以上、米軍はここで待ち構えており、その準備は万全と思われます。慎重に攻めた方が良いと思われます」


「そうだな。まずは、航空艦隊に砲台を潰させるとするか。神崎中佐、やってくれるか?」


「もちろんです!」


敵の砲台は、帝国軍の予想より遥かに多かった。戦艦で短期決戦で勝負を決める予定であったが、どうも無理なようだ。


東郷大将は、セオリー通りに敵砲台は事前に空爆で破壊することに決めた。


それに、砲台は増設されているが、対空砲は見られない。航空戦隊にとっては絶好の獲物であった。


「全機、出撃!」


各空母から、戦闘攻撃機が次々と飛び立つ。数はおよそ420。それも、予備隊を艦隊に残してこの数である。


「さあ、みんな。狩りの時間だ!艦隊の障害を破壊する!」


日本航空艦隊は、ロッキー山脈に津波のように襲い掛かる。


もはや、一方的な攻撃あるのみと思われた。だが、そう事はうまく進まない。


「なっ、対空砲火か。各機散開!かわせ!」


神崎中佐を襲ったのは、どこからともなく現れた対空砲火であった。突然現れた鉄の暴風に、神崎中佐も退かざるを得ない。


米軍は、黙って撃たれることを許さなかった。




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