サンフランシスコ失陥に関する発表
新章スタートです。
今回は、「東郷召還」と二本立てでお送りします。
時は、サンフランシスコ失陥の翌日である。
アメリカ連邦中部の軍事都市、デトロイト。五大湖湖上要塞と堅牢な防空施設に守られたアメリカ本土防衛の要衝である。
大統領ルーズベルトはここで国民へ声明を発表した。
「親愛なる国民の皆様。
私は、皆様に、大変つらい事を知らせねばなりません。
昨日、我が軍が最重要と見なし、反撃の起点と位置付けておりましたサンフランシスコが敵の手に落ちました。
これで、西海岸三都市は、全て失われたことになります。
この戦いで、日本軍は卑劣にも民間人虐殺をちらつかせ、市民を第一に考えるチャールズ元帥を、罠にはめました。
更には、降伏した市民を爆撃までしたのです。日本軍は、無抵抗な市民を、無慈悲に、殺したのです!
私は、この蛮行を、決して許すことはできません!
日本軍には、制裁を与えねばなりません。
幸運にも、我々には、ロッキー山脈大防衛線と、ここ、五大湖湖上要塞があります。
我々に敗北はあり得ないのです!
サンフランシスコの無辜の民の仇をとり、日本軍を、アメリカの土地から追放しましょう!
アメリカ万歳!
自由万歳!」
『アメリカ万歳!自由万歳!』
万歳三唱の声はデトロイト中に響き渡った。
演壇のそばで彼が小さく聴衆を嗤ったことは誰も知らない。
二章からは、戦闘以外の場面が多めになっていく予定です。




