表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
終末後記  作者: Takahiro
2-1_太平洋新秩序の形成
273/720

東京にて

サブストーリーです。

帝都、首相官邸の廊下を、一人の恥も外聞も無い男が歩いていた。白人、背は高く、図々しくも、常に人を嘲笑う目をしている男だ。


その目指す先は原首相の私室であった。男はドアをノックした。


「どうぞ」


ドアの向こうからは面倒ごとを見てしまったような声が届いた。しかし男は動じず、愛想笑いとともに部屋に入った。


「よくまあ、どうした敵国にこうも当然のように入られるのですかね」


「長年の政治家人生でね。随分と神経が麻痺してしまったようです」


「はあ。そうですか。ええ。まあ、そんな御託は置いておいて、さっさと件の話について、伺いましょうか」


「ありがとうございます。そして、私が何がしたいかと言えば、まあお察しでしょうが、アメリカ連邦における復権です」


「でしょうな。あなたならば、私利私欲の為なら国など安いものでしょう」


「いえいえいえ。高いからこそ売り払うんじゃないですか」


「はあ。まあ、そうですか」


原首相は終始呆れた様子であった。この白人、東洋人と西洋人の違いなどでは説明できない程、原首相とはかけ離れた頭をしていた。


例え政治家と言えども、少しくらいは国家の為になることをしようと思うものだ。ソビエトやアラブは言わずもがな、民主主義国家アメリカでも、それは同じだろう。


だが、こいつは違う。自分の為なら国を売るか?


「ああ、まあ、さっきの話は理解しました。帝国は、アメリカ連邦を占領した後の軍政に、あなたを加えましょう」


人間としての原はこの男を嫌っていたが、政治家としての原首相はこの男を重役に就けてやることにしたのだ。


政治的に最も賢明な判断だからである。


チャールズ元帥が革命を起こしたとは言え、その国民にはあまり実感がないそうだ。保守派、無関心層を味方にするならば、この男が役に立つ。


「話は以上です。それさえ守って頂ければ、何も文句はありませんとも」


「へえ、そうですか。ではさようなら。ルーズベルト大統領閣下」


「さようなら」


ルーズベルトは何処かへ去っていった。





はい。これで終わりです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ