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終末後記  作者: Takahiro
1-6_内乱
211/720

元老院Ⅷ

サブストーリーです。

その日は、北米事変よりおよそ2週間。決戦来るべき、といった時分であった。


さて、元老院には、2人の客が訪れていた。毎度奇妙な客が訪れる元老院だが、今回もその例に漏れない。今回の客人は、鬼面を被った男と、室内でも機動装甲服を纏った髪の長い女であった。


「どうも。俺の名は、ネサクと言う」


まずは、鬼面の男が言葉を発した。天皇の前にもまったく怯まないあたり、相当に豪胆な者と見える。


「クラミツハです。宜しくお願いします」


一方、女の方は、静かに名を告げた。こちらもこちらで、人間味というものが感じられない。


なんとも対照的な二人であった。


「この場への臨席、感謝しよう」


天皇は、非常に尊大な態度で言った。どうも、いつもとは様子が違かった。いつもより、彼らを見下しているような感じであった。


「どうぞ、座って下さい」


「おうよ」「ありがとうございます」


侍従の一人が、椅子を引いて二人を座らせた。そして、会談は、緊張のうちに始まった。


「さて、まず、お二人には、お呼びした要件は伝わっておりますか?」


まず、元老の一人が話し掛けた。


「伝わってるが」「ええ」


「それは良かった。では、まあ、まずは、報酬の話からしましょう」


「頼む」「お願いします」


それにしても、全く正反対の人物なのに、ここまで気が合っているとは、なかなか面白い二人だ。


そして、侍従が資料を手渡した。そこには、この会談で必要な情報の9割は書かれてある。二人は、それなりに長い資料を読み出した。そして、暫くの沈黙の後、これまた二人同時に顔を上げた。


「大方、我々が望む内容だ」「ええ。望み通りのものです」


「それで良いかな?」


天皇は尋ねた。しかし、一点だけ、彼らには満足出来ないものかあったようだ。


「ヨミとの関係は、どうなってるんですかね?」


ネサクは、荒っぽく尋ねた。


「奴らは、朕の道標ではない。いずれは、それを破却するであろう。諸君らこそ、朕の盟友である」


それは、官僚的な、明言を避ける発言だ。天皇は、ネサクの質問には答えなかった。


「それで十分です」


クラミツハは、それで十分だったようだ。顔が見えないネサクも、わかったという仕草をしている。


「他に何かありますか?」


「いや」「いいえ」


これで話はついたらしい。


「では、俺達は計画通りに日本国を攻撃し、あんたらと協力する。あんたらは、俺達の生存に手を貸す。それでいいな?」


「ああ。良い」


「仕事も報酬の話も終わりましたし、これでお開きにしましょう」


「ああ。さようなら」


20分程の会談の後、二人は去った。





ここで唐突に新キャラ出してくスタイル。

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