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終末後記  作者: Takahiro
1-6_内乱
201/720

北米事変に関する詔

サブストーリーです。古典文法を使おうとも思いましたが、僕の語学力では無理でした。

その日、その放送は始まった。事前に通告されていたものの、その内容までは明らかにされていなかった。帝国臣民は、それを、固唾を飲んで見つめていた。


アナウンサーが重々しく入ってきた。


そして、アナウンサーはカメラを見つめた。


「ただいまより、重大な発表がございます。この放送をご覧の方は、皆様、ご起立願います」


暫しの間が空いた。


「天皇陛下におかれましては、かかる北米での事変に関しまして、畏くも御自ら臣民に対し、訓戒を述べ給われることとなりました。これよりは、慎んで、御玉音をお送り致します」


テレビからは君が代が流れる。


そして、最後の音が止むと、放送が始まった。流れてくるのは、若い、しかし君子としての力を持った男の声であった。そして、まさにそれこそが天皇その人の玉音であった。


==========


朕は、深く世界の大勢と帝国の現状とを鑑み、この非常なる措置を以て事態を収拾せんと欲し、ここに、忠良なる臣民諸君に告ぐ。


朕は、帝国政府をして、日本国と名乗る逆賊に対し、宣戦を布告せしめた。


そもそも、皇国と臣民の安寧を図り、世界の平和を乞い願うは、皇祖皇宗の遺された規範であり、朕は常にこれを守り通すものである。


先に米連邦に宣戦し、東亜に軍政を布きしこともまた、東亜の安定を念願するに出で、あらゆる帝国の行いは、常に、この遺範を出ずることはなかった。


されども、日本国とやらは、帝国の治安維持活動を、残虐なる行為だとし、非難した。


これこそ、朕が日本国とやらに宣戦を布告せしむる所以である。


朕は、今や日本国が朝敵となったと認める。臣民諸君には、これを敵とし、皇国が為に戦ってもらいたい。


神武天皇が御即位、建国より三千年。この皇国に敗北などあったか。ここで負けては、朕、如何にして皇祖皇宗の御御霊に謝れようか。


ついては、ひたすらに東亜全局の平和を念願し、それ故に帝国は戦うのである


日本国とその軍は、彼の将門に比類する朝敵である。その首魁、東郷大将は、その首を切られるべし。されども、その配下の者には罪はない。今すぐにでも帝国が軍門に下るのであらば、一切の叛逆を不問とし、帝国に迎え入れよう。


日本国とやらとその軍に告ぐ。朕と帝国は寛大にして、汝らの投降を認めよう。


臣民諸君に告ぐ。不遜なる叛逆に対し、最後の一兵となるまで戦い抜き、ひいては、米帝の、大東亜を侵略したるをも撃滅せんと欲す。


この世界において、全ての人種、民族が共存し、平和に生き得る世界を顕現させることこそ、帝国と皇祖皇宗が最たる望みである。


汝臣民、克く、朕が意を体せよ。


==========


その後も厳粛に君が代が流れた。


そして、開戦に関する政府の発表などが続いた。




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― 新着の感想 ―
[気になる点] なんで東條英機が天皇陛下に敵だって言われてんの?むしろ東條英機は天皇陛下に頼まれて戦争を止めようとした人間やで
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