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終末後記  作者: Takahiro
1-6_内乱
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Iの会談

サブストーリーです。あいつらが結集します。

何処とも知れぬ荒野。屍人が徘徊し、およそ生ける人間の気配はない。もっとも、屍人が人間かという議論は、今なお、結論されていない議題でもあるが。


さて、そんな荒野に、人間の体を為す存在が3つ。


ある者は、東洋の軍服を纏い、ある者は、西洋の礼服を纏い、残りの一人は、これまた西洋の使用人の如き格好をしている。


彼らに名はない。だが、人間界で活動するには困難だとして、一応の名はある。


「皆さん、お久しぶりです」


礼服を纏った者、イルクナー卿は言った。


「久しぶりだな」「久しぶり~」


残りの二人、ノンと石井もまた、挨拶を交わした。


「そうだね、まず、全員が一応敵対しちゃったね」


「ああ。珍しいことだ」


「確かに。これまで我々は、2対1となるのが常でしたから。楽しいことになりそうです」


イルクナー卿は、少々難しい演劇の司会のように言った。その様子は、心底楽しみそうだと見えた。


「ナポレオンの時は、ノンと私が組んでいたな。太平洋戦争の時は、ノンとフォルクハルトか」


「いかにも。常々、石井さんは負け側にいますね」


「それが役目だからな。前に、ヨーロッパの辺りで会った哲学者によると、歴史は、常に三竦みで動くらしい。そうすると、負ける役がいなければ、歴史は回らないだろう?それが私だと思っておこう」


石井に、負けを悔しがる様子などなかった。寧ろ、それを誇りとしているようだった。


「まああんたは、そういうの興味なさそうだからね。」


「ああ。観察者としての役目を果たせれば、それで十分だ。」


その時、イルクナー卿が、二人の会話を塞き止めた。


「そうそう。ノンは、日本革命について、どう思いますかね?これは、君の理想に反する気もしますが」


「そうでもないよ」


「ほう、それはどうして?」


「『例え人々が真実を知らなくても、幸福ならばそれでいい』って、私は教えられたからね!」


ノンは、無駄に誇らしげであった。対して、イルクナー卿は、若干呆れ気味である。


「そうですか。良いことを聞かせてもらいましたよ」


「うん。絶対興味ないよね」


その時、今度は石井が、閉塞した空気を破った。


「遺跡についてだが、3日前に見たが、今なお動いている。ペルシャと出雲は健在だ」


「ヴァルホルも健在ですよ」


「全部オッケーだね。それと……」


彼らの会談は、まだ続く





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