元老院Ⅰ
サブストーリーです。
時は、東郷らがサンフランシスコで戦っている頃である。
皇居の地下では、天皇と元老のみによる秘密会議が開かれていた。これには特に正式な名前がなく、便宜上、元老院と呼ばれている。
さて、元老院では今後の国策の大綱が纏められていた。
「屍人どもを利用して、皇国の隆盛を謀る。これは、もはや決定されたと考えてよいですかな?」
「ああ、よいだろう」「異議なし」
「我が帝国は、過去一度も敗北したことはない。これからも敗北してはならない」
「もちろんでございます、陛下」
大日本帝国は過去一度も敗北したことはない。それは、元老の中でも侵さざる絶対の真実なのだ。
そして、話はまた別の方向へと進んだ。
「いずれは、大臣達の本意を確かめなくてはなりません」
「屍人どもに味方するとあれば…」
「東方の東郷大将。奴は皇国に忠を尽くすか。臣民にか。あるいは人類にか。場合によっては危険な存在だ」
「陛下のご計画の際には、消さねばならぬやも知れんな」
「東郷大将の艦隊など、丸レでうち滅ぼせよう。大臣達など何時でも消せよう。汝らは、我が計画の大成に努めよ」
「「仰せのままに」」
この時代、天皇の命は絶対だ。国家運営においては内閣や国会が直接に担うが、天皇はそれに対する命令権を持つ。
それは元老に対しても同様である。
かくして、貴族らの策謀は深まるのであった。
なんか闇が深そうな会話ですね。