ジャカルタの黄昏
サブストーリーです。今回は、東南アジアです。なかなか、世界が広がって来ましたね。
大東亜連合は、大日本帝国を盟主として、東南アジアに広がる巨大同盟である。その中には軍事同盟も含まれており、東南アジアの軍は、大日本帝国軍の名のもとに統合されている。
また、経済的には、東南アジア巨大経済圏を作ることで、ブロック経済の実施を可能にするに至っている。
だが、現実には大日本帝国の影響が強く、連合の方針を決める大東亜会議も、大日本帝国主導で行われている。
とは言え、東南アジア諸国民はおおよそ高い生活水準と、強大な軍事力を共有している為、不満は少ない。だが、ひとつの国の国民の意見が全て同じなはずがない。大東亜連合を認めるものは圧倒的な大多数だが、各国の独立を説くものも存在する。
その中でも、特に過激な思想をもつ集団が、アーノルド大佐率いる「東アジア独立戦線」である。
率いているのはアメリカ人。まあ大体はお察しの通りである。
そして、それを一言で言うと、ただのテロ組織である。まったく、アメリカというのは、テロ支援国家、侵略国家、ならず者国家の鑑だ。
そんな独立戦線は、インドネシアのジャカルタで、あることを画策していた。
「我々は、これより革命を起こさねばならない」
アメリカ軍人、アーノルド大佐は、数十人の構成員の前で語った。
「我々は、この都市にて蜂起する。そして、人々は我々に味方し、日本を駆逐するのだ」
聴衆は皆、頷いている。そして、口々に祖国万歳の声を上げた。
アメリカからは、武器を密輸してある。武装は整っていた。アーノルド大佐は、開戦以来いつでも反乱を起こせたはずである。しかし起こさなかったのは、機を見る為である。
これは、いわば禁じ手であり、最後の手段である。使わずに済むなら、現地民を捨ててさっさと本国に逃げればよい。だが、使う必要が出てきたのだ。
「馬鹿どもだな。まさか、革命など上手くいくはずはない」
だが、アーノルド大佐は、最も現実を知っていた。日本に対抗しようと言う者など、圧倒的な少数派であることを。彼らは、無駄死にに終わるだろうと言うことを。
アメリカ人以外の命など、彼にとっては軽いものであった。
アメリカをクズみたいに書いてるのは、僕の趣味です。