セントポール攻防戦Ⅳ
最初の方の回を見ると、文章が下手だと思うのですが、これは僕の文章力の発達によるものなのか、そもそもずっと下手で書いてる時はそれに気づかないのか、よくわかりません。
あと、読み返してたら、ちょくちょく「編成」を「編制」にしてたことが発覚しました。
「全艦、容赦はするな!日本軍を叩き潰せ!」
その瞬間だけ、日本軍の中央は、米艦隊に挟まれた。
そして、不運な日本艦隊に、チャールズ元帥は、砲弾を雨あられのように浴びせる。
数にして、およそ4倍の米艦隊から、一斉に砲弾が放たれた。
それは、到底、敵が堪えうるものではない。瞬く間に、日本艦隊のあちらこちらが炎上した。絶え間ない砲撃に、日本艦隊は次々と突き落とされていく。
砲弾の雨は、地獄の炎のようである。
日本艦隊の中央は、もはや機能不全に陥った。全ては、10分程度での出来事である。
「敵艦隊は、壊滅しました。次は、どこを狙いますか?閣下」
ハーバー中将は、中央の次の目標を尋ねる。
「こちらに迫ってきている、敵左翼を狙う。そこには、大和もいるのだろう?」
「はい。先程の戦闘で確認しました」
「うん、よろしい」
目標は、カルガリーで仕留め損ねた大和が率いる敵左翼である。また、その左翼は、先程の米艦隊同様に、チャールズ元帥を狙っているようだ。
「ニミッツ大将に、西に進むよう伝えてくれ。そして、そのまま敵を挟撃し、殲滅する」
現在、米艦隊は、敵の中央を前後から挟むように布陣している。その中央には壊滅的な被害を与えたため、次は、その陣形を西にそのままスライドさせ、敵の左翼を挟むのである。これほどの艦隊に包囲されては、さしもの敵も耐えられまい。
「敵は、予想外に早くこちらに来ています針路を少し曲げるべきでしょう」
「ああ、そうだな。…………ニミッツ大将は、GI4空域で、我々は、II4空域にて、敵を挟もう」
「承知しました。」
敵を横目に見ながら、米艦隊は、敵の右翼の主力を叩きに行く。中央に対しては、適当に砲弾を撃っておけば、すぐに黙った。敵の右翼は、右翼だけで、新たな、纏まった艦隊を編制している。
「敵、我が艦隊に急速に突っ込んで来ています!」
「おいおい、まだやる気なのか」
敵は、チャールズ元帥のもとに突撃してきている。この戦闘で、3回目の光景である。
「全艦、砲を限界まで低くせよ。敵を、接近戦で迎え撃つ」
チャールズ元帥は、これまでの教訓から、味方への誤射の可能性が殆どない、超接近戦での迎撃を指示する。
敵は、砲撃しながら、こちらに迫る。
「まだだ、引き付けろ」
その中でも、米艦隊は、接近を待ち続ける。そして、その距離まで敵は迫った。
しかし、敵は突如として、その進路を変更し、右側に急速に旋回する。
「流石に、察したか。全艦、追撃せよ」
逃げる敵を、米艦隊は追う。
「全艦、命中率は気にするな。撃て!」
逃げられながら、追いながらだが、米艦隊は砲撃を始める。案の定、敵に被害は出ていないが、敵を追いたてるのには貢献しているようだ。
「敵が合流します」
「よし、こちらもニミッツ大将と合流し、改めて、砲撃戦を展開する」
既にこちらに接近していた敵の左翼と、中央、右翼は合流するようである。対して、米艦隊も、分断されていた艦隊を纏めあげる。
そして、両軍とも、纏まった戦力が、再びにらみ会う。しかし、勝負は既に決していた。
「全艦、攻撃を継続しつつ、敵を追え!」
日本艦隊は、牽制に砲弾を放つや、すぐに米艦隊から逃げ始めた。しかし、今や米艦隊がセントポールに近い以上、敵には、大きく迂回するしか道はない。
逃げる日本艦隊に対し、米艦隊から、圧倒的な砲弾か放たれた。
逃げる日本艦隊と、追う米艦隊。その構図は、30分に渡って続いた。日本艦隊のあちこちには、砲弾の傷がつく。もっとも、米艦隊の被害もそれなりのものであるが。
「閣下、燃料が持ちません。これ以上追うのは不可能です」
「ああ、わかった。全艦、セントポールに向かえ」
ついに、米艦隊の燃料が底をつき始めた。ハーバー中将の言う通り、これ以上の追撃は不可能だ。
この辺りで潮時だろう。
「ついに、我々の番だな」
「ええ、これよりは、反撃の時です」
セントポールに降り立った米艦隊には、新たな希望が見え始めていた。