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第8話「七瀬の失敗」
知らないまま書いてて、解らないまま続けています。
ダイドリ!教えてください!
ついに「本番」の日になってしまった。
…と言っても、いきなり本番ではない。
まずは、そこに至るまでのフツウのドラマパート(って言うの?)の撮影だった。
…。
…酷かった。
今回の俺…七瀬の役は、担任教師に憧れる女子高生。
しかし、俺に演技の経験はない。ロクな練習時間もない。ましてや女子高生の経験もない。
ないない尽くしだ。
しかもオリジナルは、この辺が上手かったらしい。
つまり…。
青ざめる共演者。引きつる監督。呆けるスタッフ。
…。
結局、撮影は進まないまま休憩になり、俺は台本を読みながら落ち込んでいた。
俺はAVを舐めていたのか?
確かにAVだ。「本番」は重要だが、それだけじゃなかった。
「本番」を怖れて、そのことを失念していたのだ。
その時。
「よお。久しぶりだな、七瀬ちゃん」
「?」
お相手の男優さんが声を掛けてきた。
少なくとも佐倉まなさんの小説は読むべきでしょうか?