第2話「七瀬、独白」
ちなみに「俺」の名前は、まだ決まってません。
え!?いつものことだって?
…。
…その通りでございます。
「いいよ!いいよ!七瀬ちゃん!」
シャッターの連続音がスタジオに響く。
背景は、後でデジタル合成だ。
どうせなら海外ロケに行きたいな。
もちろん、ムリなのは判ってますよ〜。
いくら売れっ子とは言っても、所詮AV女優だし。
しかし、最近のAV女優…「セクター女優」とも言うんだっけ?って、いろんなことやるな〜。
俺が「七瀬」になってからも、今日みたいな週刊誌のグラビア撮影の他、イベント、テレビのバラエティー、ラジオのレギュラー、そして昨日のレコーディング…。
本業のAV撮ってる方が少ないんじゃないの!?
てゆーか、ヤったことないし。
だいたい「レコーディング」て何だよ!?
アイドルソングみたいなの歌わされて、しかも喘ぎ声?
「あれ?七瀬ちゃん。前は、歌より喘ぎ声の方が上手かったのに?」だと?
喘ぎ声なんて、やったことないし。
バレるかと思って、ドキドキしたぞ!?
てゆーか、どんだけ歌ヘタなんだよ、七瀬!?
そう言や、入れ替わった七瀬(現・俺)と最初はメールのやりとりをしていたんだが…
「DK、ちょー楽しい!」
「オナ〇ー、ちょー気持ちいー!」
「聞いて聞いて!彼女できたー!」
「ごめんね〜!彼女とヤっちゃった」
以上。以後、来ない。
楽しんでますな、彼女!…てゆーか、彼!?
この「俺・七瀬」。
いつまで、グラビア撮りながらの独白が続くのか(笑)?