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7. 器具

糖度22度だった、あのブドウが忘れられない

シャーレ(ペトリ皿)

微生物の培養・動物細胞の培養・植物の組織培養などで使用するやや直径の異なる二枚の皿が合わさった実験器具

ガラス製・プラスチック製・金属製などがある

直径は9 cm15 cmほどが多い

ガラス製は薬品の影響を受けにくく、透明なため中の観察が容易で何度も洗って使用できることから実験の際に最も多く用いられるが、割れやすく紫外線を通しにくいことが難点

プラスチック製は透明で中の観察が容易であり紫外線を通し割れにくいが、薬品による影響を受けやすいため使い捨ての実験に向く

金属製のものは比較的大きいため組織培養の作業などがしやくすく、耐久性もあるが、外からの観察が難しい

ガラスや金属製のものは乾熱滅菌、プラスチック製はクロロホルムやガンマ線による滅菌が多い


ノギス

金属製やプラスチック製があり、モノの外径、内径、深さを測ることができる測定器具

デジタルノギスも存在する

柄の先端がクチバシ状の形をしており、平らな部分が内側になっている部分で外径、平らな部分が外側になっている部分で内径を測定する

柄の目盛りとは反対側にあるスライドする棒を溝に入れることで深さを測定することができる

主軸の目盛りと小さなバーニャ目盛りがあり、バーニャ目盛りは主軸の目盛りと合った部分を読み取る

主軸の目盛りとバーニャ目盛りの合計値がそのモノの測定結果となる


ビーカー

円柱状をした中に溶液を入れることのできる実験器具

ガラス製やプラスチック製がある

容量は50 ml~1000 mlのものが多い

ちなみに、25 mlも5000 mlもある

溶液や物質を混ぜ合わせることができるほか、加熱や冷却もできる実験ではおなじみの器具

目盛りが付いているがおおよその数値なので当てにしてはいけない


メスシリンダー

円柱状の筒で液体の量を量る実験器具

ガラス製とプラスチック製があるが正確性はガラス製の方が良い

溶液をメスシリンダーに入れ、水面と目線を同じ位置に持って行った際に水面の中央部を読み取ることで容量を量る

液体の表面張力によってメスシリンダーの壁面を登ろうとする「メニスカス」が発生するので目盛りを読む際は注意する

水銀を入れると逆に壁面側が中央よりも下になる

測定の精度を下げないためにメスシリンダー内部はブラシでこすってはいけない

あと、オスシリンダーはない


ルーペ

モノを大きく見るための道具

ガラスが凸レンズになっていることで光が屈折し、大きく見える構造をしている

虫眼鏡型のものや収納式のものがある

屋外の自然観察などで活躍

一般的なものの倍率は10~15倍が限界


上皿ばかり

農産物などの収穫物の重さを測定する測定器具

最大で500 gから24 kgまで量れるものが多い

大体、緑色か水色をしている

測定する際は平たんな場所で測定物は真ん中に置くようにしないと正しく測定できないことがある

重りとその距離を見なくても自動で重さが表示されることから上皿自動ばかりとも呼ばれる

はかりは国家検定済みでその有効期間内のものを使用した方が良い


電子天秤

薬品など非常に軽いものを精密に量るための測定器具

お値段によって精度はピンキリ

多くは1 kg以下を量るものは小数点1桁ほどの精度、20 gまでしか測れない精度の高いものは小数点5桁まで表示される(小数第5位なんて、あてにはできないけど)

モノの重さがデジタル表示される


操作手順

平らな場所に電子天秤本体を置き、気泡を見ながら水平を合わせる

電源をコンセントに接続し、最低30分は待つ

電源を入れ、薬品を量る際に容器の重さを加味しないように電子天秤の測定部分に容器を置いてから「風袋」、「ZERO」、「TARE」のいずれかのボタンを押す

重さを量る皿を囲うようにガラスが付いているものは、測定の際はガラス窓を閉めてから数値が安定するのを待つ

測定の際には実験室の窓を閉め、人はできるだけ動いてはいけない

電子天秤の数値が「ゼロ」になったら試薬を入れ、目的の重量に近づいた場合は薬さじの小さい方を使う

測定が終わったら容器をどかし、こぼれた試薬はエアーできれいにする


あと、試薬を入れすぎたからと言って元の瓶に戻してはいけない


温度計

室温や外気の温度、水温などをはかる測定器具

温度計内に入っている液体の温度変化による体積の増減によって温度がわかる仕組みになっている

エタノール式、水銀式、デジタル式などがある

エタノール式は最も一般的なもので赤く着色されたエタノールが温度計内部に入っており、安価だが精度が悪いため目盛りは1 ℃ごとになっている

水銀式は水銀が温度計内部に入っており、高価だが精度がよく目盛りは0.1 ℃ごとになっている

デジタル式はモノから出る赤外線の量を測定することで温度を測定しているものが多い

単位の多くは摂氏(℃)だが華氏(°F)も存在する


液量計

逆円錐状をした筒のような容器で液体の体積を量ることのできる測定器具

ガラス製やプラスチック製がある

精度はメスシリンダーより悪く、ビーカーより正確といったところ

溶液を入れたまま物質を混ぜたりする際に使うので上部の口が広くなっている

100 mlよりも少ない量を量り取ることが多い

目盛りの読み取り方はメスシリンダーと同じ


屈折糖度計

野菜や果物・ジャムなどの糖度を測定する測定器具

手持ちのアナログタイプとデジタルタイプ、非破壊タイプが存在する

手持ちのアナログタイプは円柱状の物体で先端が三角形のプリズムが付いており、その反対に覗き穴が付いている

果汁などをプリズム部分に垂らし、明るい場所で覗くと白と青の境目によって糖度を知ることができる

デジタルタイプは果汁を所定の場所に垂らすか突き刺すだけで糖度が数値となって測定できる

非破壊タイプは果実などに押し当てるだけで糖度が測定できるため出荷前の商品を傷つけずに済む

糖度は光の屈折の度合いによって測定しているが、糖分でなくとも屈折は発生してしまうため甘くない食べ物でも糖度は測定できてしまう

一般的に野菜や果物は甘いと言う前提で測定をしているが、糖度が20度あるからと言って必ずしも甘いとは限らない(たいていは甘いですが理論上の話です)

糖度は「Brix」という単位か「度」で表す

用途によって屈折糖度計は変えなくてはならず、プルフリッヒ型は糖度の低い(0~30度)野菜・果実用、アッペ型は糖度の高い(30度以上)ジャムなどの加工品用となっている

手持ちのアナログタイプは意外と重たい、あと高い


最高最低温度計

一定期間内の最高温度と最低温度を記録する二本の温度計が付いた計測器具

内部に入っている水銀が指標となるバーを温度変化によって押し上げ、その指標の下部がある位置の目盛りを見ることでその日の最高温度と最低温度がわかる

現在の温度は普通の温度計と同様に読めばわかる

温度計の目盛りの黒文字はプラス、赤文字はマイナスの温度を示している

中央にあるボタンを押すことで記録した指標の位置を解除できる


雨量計

銀色の円柱状の装置で雨の量を量る測定器具

真上から降ってきた雨粒をゴミなどが入らないようにした金網でこしたのち、ろう斗のようなもので一か所に集め測定している

集められた雨水はメスシリンダーのようなものに入れられ、その量を測定する貯水型雨量計と一定の水の量で転倒するマスが傾いた回数で測定する転倒マス型雨量計の二種類がある

貯水型雨量計は有人・無人両方あるのに対し、転倒マス型雨量計は無人で観測できる特徴がある

転倒ますは0.5 mlで一回傾くタイプが多い


乾湿球湿度計

空間の湿度を求める二本の温度計が付いた測定器具

外気に直接触れている温度計を乾球、湿ったガーゼなどで覆われており湿度が飽和された状態にある温度計を湿球と呼ぶ

ガーゼは水の入った容器に差し込んであるため毛細管現象によって水は吸い上げられ、湿度が飽和された状態になっている

外気の湿度が低い場合、湿球の水が盛んに蒸発するため気化熱によって乾球よりも温度は下がる

反対に外気の湿度が飽和状態にあると湿球の水は気化しないため乾球との温度差はなくなる

水の気化は風速にも影響されるためあまり強い風が吹く際には観測の誤差が大きくなりやすいので注意が必要

乾球の温度と湿球の温度の差と乾球の温度から表を使用して湿度を求める


照度計

その場所の明るさをはかる測定器具

アナログタイプとデジタルタイプがある

アナログタイプは明るさを針の振れ幅で測定することができる

デジタルタイプは手持ち部分と照度を測定する白い半円状の測定部分が付いている

屋外の明るさや培養室の照度測定に使用する

明るさの単位は「ルクス」で表す

ちなみに太陽の晴天時は10万ルクスほど(満月は1ルクス以下)


地中温度計

地中にさして地面の温度を測る測定器具

棒状のガラス温度計タイプと金属製の丸い文字盤タイプがあるがいずれも地面に突き刺して使用する

地中温度計で測定できるのはせいぜい地下30 cmまで、それよりも深い部分の地温を測定する際には鉄パイプを地面に突き刺してその中に温度計を入れて測る

一日に温度が変化する深さはせいぜい30 cmほど


百葉箱

小学校の理科の実験でおなじみの白い木製の箱

中に温度や湿度を計測する測定機器を入れておく木箱

木を白く塗ることによって温度変化が少なくなるように工夫されている

直接日光の当たらない風通しの良い場所に設置されている

中に熱気がこもらないように強制換気を取り付ける現代版の百葉箱もある

中の観測機器は地面から1.5 mに設置されている

最近は撤去が進んでいるため学校にあることは少ない


pHメータ(pH計)

溶液中の水素イオン濃度の量を測る測定器具

溶液の中に電極棒を入れ、そこから出る微弱な電流によって測定するタイプ、デジタル糖度計のように機械の穴に溶液を入れるタイプがある

pHは0~14段階に分類されている

数字が0近づくほど酸性が強く、14に近づくほど塩基性となる(中性は7)

植物の多くは弱酸性を好んでいるが、ブドウやスイートピーなどは弱アルカリ性を好む

正確な測定にはリン酸緩衝液などを用いた定期的な校正が必要(2点校正とか)

ちょこっと豆知識

実験器具の精度

多い量を取る時

(高精度)メスフラスコ>メスシリンダー>ビーカー(低精度)


少ない量を取る時

(高精度)ホールピペット>メスピペット>液量計(低精度)


さらに少ない量を取る時(1 ml以下)

(高精度)マイクロピペット>特になし(低精度)


pHメータの電極棒が乾いてはいけないタイプの場合、ちゃんと純水などにつけておこう

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