4. 育苗用資材鉢 ・ポット
ポリエチレンポット24個×20ケースに用土を手作業で入れていくのがなかなか大変だった…
育苗箱
水稲苗用であれば
縦580 mm×横280 mm×高さ28 mmのタイプが一般的
用土を入れイネの種子をバラマキすることで播種する
その他の苗用であれば
縦330 mm×横480 mm×高さ80 mmのタイプが多い
用土を入れ植物の種子を播種するほか、ポリエチレンポットを入れることもできる
プラスチック製で黒色が多い(紫外線の耐久性を上げている?)
底が一定間隔に穴があいているため水が抜ける
苗を作る前に育苗箱は次亜塩素酸や熱湯で殺菌した後に用土を入れる
マット状の用土もある
育苗箱自体は軽いが用土を入れて水を加えると給水して重くなるため、重ねて持ち運ぶときは注意が必要
用土に炭やもみ殻くん炭を混ぜることで軽量化がはかれる
化粧鉢
主に鑑賞用に使われる鉢
素焼き鉢に釉薬をかけ、高温で焼いたもの
表面にツヤがありツルツルして手触りも滑らか
観賞価値は上がるが、重く、割れやすく、コストが高い
通気性は素焼き鉢に劣る
通気△、排水△、耐年性○
素焼き鉢
栽培管理で古くから使用されてきたがプラスチック鉢の登場で栽培現場での使用頻度は減少(家庭ではまだまだ主流な方)
粘土を700~800度ほどで焼き固めた鉢
表面にツヤがなく、ザラザラしている
茶色のものが多い
太陽光を吸収し温まりやすく、通気性もよいため根がよく伸びやすい
重く、割れやすく、コストは比較的安め
通気○、排水○、耐年性○
セルトレイ(プラグトレイ)
セル成型苗を作るのに使用するプラスチック容器
サイズは水稲用の育苗箱に入る大きさで黒色が多い
小さな仕切りがあり、台形をひっくり返したような形の穴が無数にある
穴に用土を入れそこに播種することで同じ形をしたセル成型苗を大量に作ることができる優れもの
穴の数は6×12の72穴、8×16の128穴、12×24の288穴などあり、400穴くらいまである
穴の数が増えるほど一つ当たりの苗に当てられる土の容量は少なくなる
土を入れる時に四隅の穴が少なくなりがち
小さい穴で長く育苗すると根が回ってしまうので注意が必要
根菜類は移植の際に根が切れてしまうのでセルトレイは使わない
通気△、排水△、耐久性△
プラスチック鉢
形や色が自由に変えられるデザイン性の高さから近年最も普及している鉢
ポリエチレンポットで栽培した苗を化粧鉢ではなくプラスチック鉢に入れ出荷することも多い
鉢の通気がよくないため多湿になりやすく、かん水の頻度は少なくすむ
軽く、割れにくく、安い
通気△、排水△、耐久性△
ポリエチレンポット(ポリポット)
ポリエチレンでできたやわらかい鉢
色は黒が多いが赤、青、黄、白などもある
表面は少しツヤがあり、ツルツルしている
いくつものポリエチレンポットを重ねて運ぶことができ、形は丸や四角がある
苗の生育によって隣の鉢との間隔を簡単に変えられるため便利
軽く、割れにくく、コストがものすごく安い(3号の大きさで100個、200円くらい)
通気△、排水△、耐久性△
ペーパーポット
紙で作られた鉢の集合体で色は茶色系
水溶性の糊でそれぞれがくっついているだけなので植え付け時に分割できる
鉢に底はついておらず、苗を鉢のまま植えることができる
短期間の育苗に向いている
紙は土で分解されるためそのまま定植できる優れもの
→根をいためにくい
セルトレイよりも割高
通気〇、排水〇、耐久性×
連結ポット
薄いプラスチックで出来た四角いポリエチレンポットがセルトレイのようにつながったもの
プラスチックが薄いので苗を取り出すのが簡単
大きめの種子を播種するときや大きな苗をたくさんつくるときに便利
これ単体では土を入れたときの重さに容器が耐えられないので持つときは慎重に
通気△、排水△、耐久性△
ちょこっと豆知識
鉢の大きさは底に書かれている数字で表される(3なら3号鉢という)
鉢の口径(一番上の大きさ)は数字×3 cm(3号鉢は9 cm)
10号鉢の口径は30 cmなので別名、尺鉢という
素焼き鉢をさらに高温で焼くと堅焼き鉢になる