1. 種子・植物体
ついに公開してしまった・・・
イネ(イネ科)
中国南部が原産とされ、縄文時代後期に日本に伝わったとされている
世界三大穀物の一つ(残り二つはトウモロコシとコムギ)
「コシヒカリ」が有名な品種としてある
日本型(ジャポニカ米)
→日本に多い丸みを帯びた粒、炊くと粘り気がでる
インド型(インディカ米)
→インドやタイで食べられている細長い粒、炊いてもパサパサ
の二つに大きく分類される
うるち米
→普段私たちが主食で食べている米、アミロース2割、アミロペクチン8割含有
もち米
→炊いてこねると餅になる、日本ではお祝い事に食べるが他の国では逆が多い
アミロペクチン10割含有
高温多湿と強い光を好む、25度以上が生育適温、短日植物
発芽から収穫まで120~180日前後(開花から45日)
花は黄色で風媒花
分げつで根本から茎が増えていく性質をもつ(トウモロコシも分げつする)
栽培の多くの期間を水で満たすことから比較的雑草が生えにくく、連作障害も少ない、さらに長期的栽培の効率で言えば三大穀物の中でトップ
カリウム肥料があまり必要とせず、ケイ素を与えると茎が丈夫になる
栽培の途中で田んぼの水を抜く「中干し」は主に3つの効果がある
・土の中に溜まったガスを抜く
・空気を土の中に入れ、根張りをよくする
・無駄な分げつを抑える
脱穀で籾殻を取り、精米で胚の部分を削る
(内側)胚乳→ぬか層→種皮→果皮→籾殻(外側)
長雨の際に起こりやすいのは「いもち病」
水面を埋め尽くしがちな雑草は「コナギ」
イネの苗が徒長してしまう「ばか苗病」から発見された植物ホルモンは「ジベレリン」
「田土」は気相が少ない
カボチャ(ウリ科)
メキシコ~アメリカ原産
乾燥に強いが多湿はあまり得意ではない
どのような土地でも栽培でき、連作も3~4年は大丈夫な強健な植物
ウリ科植物の中でもトップクラスに元気な植物で他のウリ科作物の台木として使われることも多い
基本、ほっといても育つ(作者いわく)
西洋カボチャが全体のほとんどを占めている
雌雄異花で、人工受粉するなら午前10時ぐらいには終わらせたほうがいい
生育適温は20~25度
種は薄い黄色~黄土色で平たい(2cm弱)
花弁が他のウリ科よりも幅広でふちが波打っている、黄色
フライパンで炒ると食べられる
カロテンが豊富(赤やオレンジ色の野菜に多い成分、ニンジンとか)
緑色植物春化型の短日植物
発芽から収穫まで100日前後
ハロウィン用はおいしくない
実に光が当たらない部分は黄色いままなので、定期的に向きを変える
収穫直後はあまり甘くないため、追熟させてデンプンを糖にかえる
実と茎をつなぐ部分が非常に丈夫なため、棚からぶら下げて栽培もできる
キュウリ(ウリ科)
インドやヒマラヤ地方原産
発芽から最短で70日で食べられる→これは果菜類で最短
カリウムを多く含んでいることから利尿作用がある
水分が実の9割以上を占めていることから世界で最も栄養の無い野菜
「ブルーム」と呼ばれる白いロウ成分(ケイ素主体)が表面に現れるが、農薬と勘違いされやすいのでブルームレスの品種が栽培されやすい
また、接ぎ木の台木に「カボチャ」を用いると「ブルーム」が少なくなる
品質の良いものはトゲがあり、かなり痛い
→棘が折れるとそこから水分が抜け、質が低下する原因となる
収穫せずに放置すると50cmぐらいの黄色の塊になり、種が目立つ
土の団粒構造に含まれる空気を良く使う
短日植物で光が大好きだが、夏の暑さには弱いので梅雨があけたら黒マルチをはがしてあげてください
生育適温は20~30度
利益が出やすい植物であるため、農家では基本植物として栽培するケースが多い
雌雄異花だが両性花もある
「単為結果」(受粉しなくても実をつける性質)がある
実の付きが悪い場合は「4-CPA剤」かけるといい
葉はカボチャよりもスタイリッシュで角が多い
花はカボチャよりも細長く、丸みが無い黄色
花弁の端は波打っていない
種は淡黄色で細長く偏平、他の作物よりも寿命が長い5年
ジャガイモ(ナス科)
アンデス高地原産
日本にはジャカルタ?より渡来した
略さず言うとはジャガタライモ
でんぷんが主成分で茎が肥大化しているので塊茎に分類される
収穫された半分くらいはデンプンに加工される
芽(緑色に変色した塊茎部分も)にはソラニンという有害物質が含まれているので誤って食べた人が年に何回か食中毒を起こしニュースとなる
→放射線(X線)を使って芽を出させないところもある
生育適温は10~25度
30度以上の高温は苦手
発芽から収穫まで120日前後かかる
品種は「男爵」や「メークイーン」が有名
植え付けは暖かいところで年に2回、芋を2等分にし、その断面を乾かしたものをそのまま植える
切断面に草木灰を付ける場合もあるが、アルカリ性に偏り過ぎると「そうか病」が発生しやすくなる
花弁は白・ピンク・淡紫色で柱頭の周りは黄色をしている
救荒植物として数々の飢饉を救ってきた作物
古ヨーロッパではジャガイモの天敵である「えき病」が大流行し大規模飢餓が発生
スイカ(ウリ科)
アフリカ原産、しかし砂漠に生えているスイカもどきを食べると死にます
発芽から収穫まで100日前後
高温・高光が大好き
農林水産省的には果実的野菜に分類される(果樹か野菜かどっちや)
弱酸性を好み、ヘタに近い部分が一番甘い
種無しスイカは染色体が3倍体になっているため、種が無いが味がいまいちだったので姿を消した?(個人的にはおいしいかったのに・・・)
果肉の色は赤だけでなく黄色もある
果肉を赤くする遺伝子と糖度を上げる遺伝子が一緒にある場合が多く、一般的に黄色よりも赤色の方が糖度は高い
雌花・雄花・両性花(雌花雄花をどっちもの花)すべて同じ株に存在する
人工授粉する場合は午前9時までにおこなう
「つる割れ病」を回避するために接ぎ木をする
台木には「カボチャ」や「ユウガオ」を使用することが多い
種は黒色(熟していないと白)で「硬実種子」のため暗発芽までに1週間かかる
種の保存期間は2年もつ、大きさは1cm前後
ツルが伸びて16~19節目の3番花を残し、実をつけると甘くなる
ツル2本に実1つくらいの割合で
鳥と獣の害にあいやすい(あと、ウリハムシ)
窒素は少なめ、リンは多め→荒地や開拓地でも育てやすい
水のあげすぎは禁物
生育適温は25~32度、しかし40度前後までなら耐えられる
花は花弁が太く、ふちは波打っていない黄色
葉は他のウリ科とは異なる形で、ダイコンに似る
四角いスイカは高校生が考えたアイデア商品
ダイコン(アブラナ科)
地中海東部・中央アジア原産
浜大根は園芸種が逃げ出して野生化したもの
発芽から収穫まで50~90日前後かかる
冬はロゼット化する
あまりにも寒いと「す」と言うものが発生し、ダイコン内がスカスカになる
日本で最も食べられている野菜で世界全体の約9割が日本で生産・消費している
アミラーゼを良く含んでおり、でんぷんを分解する効果が高い
種子はハクサイよりも小さい2~3ミリ前後の黄土~茶色
種子春化型で嫌光性種子
発芽適温は20~30度と高め
葉が10枚を越すと表皮がはがれ始め、根の肥大化が始まる
ちなみに土の中で肥大化するのは根、土の表面からから葉の付け根までで成長するのは胚軸と呼ばれるところ(青首大根の青いところ)
根の下のほうへ行くほど辛味成分が強くなるのは土壌中の虫に食害されたときに辛味成分で撃退するための防御方法
茎に沿って葉が細かく分かれてついている
花は白色で花弁が4枚の十字型
青首大根はそのまま、白首大根は漬物用にむいている
ちなみに練馬大根は下に行くほど太く根が肥大しているので簡単に抜けない
「マリーゴールド」を先に植え、その後にダイコンを育てると「ネコブセンチュウ」の被害を受けにくい
カイワレダイコンをそのまま育てると普通のダイコンになる
ダイズ(マメ科)
中国北東部・シベリアアムール河原産
日本の自国生産量が1割に対し、輸入は9割にも及ぶ
エダマメをさらに成熟させ、自然に枯れるまで育てたもの
エダマメ→野菜、ダイズ→穀物
短日植物で多くの加工品が存在する(味噌、しょうゆ、きな粉など)
外国ではその多くが遺伝子組み換え
タンパク質を多く含んでいることから畑の肉と呼ばれることもある
根には根粒菌が住みついている(マメ科だから)
→空気中の窒素を根に共生している根粒菌に渡し、使える状態に変化させてダイズに渡す。ダイズは代わりに養分を菌に与える
だが、根粒菌が空気中から使える状態にする窒素よりも多くの窒素をダイズは消費するため、肥料を上げないと土地はやせていく
連作に弱い
無胚乳種子で大きさは1cmぐらい
花は赤紫色で花弁は丸みを帯びたイチョウ型
株が倒れやすいので土寄せや支柱で支えるといい
葉は枝から三枚の葉が分かれ先端はやや丸みを帯びている
トウモロコシ(イネ科)
中南米原産
世界三大穀物の一つ(残りはイネとコムギ)で3つの中で世界の生産量は最も多い
主な用途は家畜の飼料、バイオエタノール、食用など
テオシント(原種)を品種改良したたもの(宇宙起源説はちょっとないかな)
C4植物で成長速度はすごく速い
→収穫まで80~90日、高い生産性を誇るが土壌の栄養を一気に喰う
生育適温は30~35度と真夏向き
バイオエタノールの原料として使われているが、一度でんぷんを糖化させなければならないのでサトウキビのほうが生産性はいい
農薬を使わないと「アワノメガ」にほぼ喰われる
通常売られている種子はF1(第一世代)だが、収穫せずに実が硬くなるまで置いておけば種子を採集することができる
用途や特徴によって飼料用のデントコーン、トルティーヤに使われるフリントコーン、加熱すると破裂するポップコーン、食用のスイートコーンの4つに大きく分けられる
大きく伸びるため倒れやすく、土寄せを多くやるといい
てっぺんに咲くのが雄すいで実がつくのが雌すい
雄すいの方が雌すいよりも数日早く咲く
雌すい一本が一つの実となる(雌すいはネバネバしてる)
収穫後から一気に蓄えていた糖が失われていくのでもぎたてが一番甘い
葉は細長く縦に葉脈が走っている、端はちくちくして痛い
種子の大きさは2cmぐらいでしわしわ(薬剤で多くは赤い)
白と黄色の品種を近くで栽培すると「キセニア」と呼ばれる、二色の実が混ざったものができるので開花時期をずらすか栽培距離を200 m以上離す必要がある
トマト(ナス科)
アンデス高原原産
発芽から収穫まで半年~一年とかなり長い
ビタミン、無機成分を多く含んでいる(リコピン、カロテンなど)
近年では水耕栽培が盛ん
赤色が有名だが黄色、緑、白、黒などある
雌雄同株で単為結果可能な自家受粉、「4-CPA剤」でさらに促進することができる
日長は中性でpHは5~7と幅広く対応
株がある程度大きくなってから花が咲く
光は大好き
種子の大きさは3ミリほどで表面に毛が生えている、ベージュ色
発芽適温は27~30度
少し寒さにも強い、水は控えめのほうがおいしく育つ
わき芽かきは雨の日に行うと病気の原因となるので避ける
葉は一つの茎から分岐した葉がいくつもくっついているように見えるが、すべてあわせて一つの葉となる
カルシウム不足や水分不足で生理障害の「しり腐れ果」となる
花は黄色で尖った花弁が6枚
はじめは毒と思われていたがどっかの誰かさんの勇気によって食えることが判明した
ケチャップには多くのうまみ成分が含まれているため子供に人気
ハクサイ(アブラナ科)
中国・中央アジア原産
日本には明治時代から入ってきた野菜
原種はブラッシカ・ラパでカブなどと同じとされているため、近くのアブラナ科植物と交雑してしまう
生育は-5~+20度まで可能
これ以上寒いと葉が凍結してしまい、解凍した際にヘナヘナになってしまう
結球していれば、外葉を集め縛ることで冬を越すことができる
品種によって結球、半結球、不結球型と葉の巻き具合が色々ある
暖かいと病気や害虫が発生しやすい
高温多湿でN過多→「軟腐病」
ある程度光が少なくても育つ
発芽から収穫まで60~100日
結球時の高温と低温は結球不足の原因となるので注意
種子はダイコンよりも小さい丸型、色は濃い茶色
意外にも根は1~2 mも伸びる
収穫はもっぱら包丁で(サクッ)
花は黄色で花弁は4枚×を書いたような配置、菜花のような感じ
家で種取りをすると不結球ばかりになってしまいがち
おかしな点があればお知らせください
2020年に第一回修正
2023年に第二回修正