~第四話~ 第一の鍵
何だかんだと考えているうちに、もう昼になってしまった。
今から四十八時間後。
それまでに僕は何かを見つけなきゃいけない。男はそれを鍵と言っていた。
ここはパラレルワールド。
昨日までの僕が住んでいた次元の世界ではない、もう一つの世界。
そしてそのパラレルワールドにおいて更にタイムトリップしたって訳だ。
分かったのはそれくらいだった。
四十八時間……ってことは二日後だ。
明後日までに、僕は果たして何を見つければ良いのだろうか。
夜になっても両親は帰ってこなかった。
よく考えてみればここは、昨日僕の生きていた時代の三十三年後の世界。単純計算で両親は七十歳後半。朝からずっといないということは……そういうことなのかも知れない。
この年で僕は四十八歳、妹も四十二歳だからもうこの家、つまり実家にはいないと考えて良いのだろう。
当てがないとはまさにこのことだ。
翌日。僕は遅くに起きた。
万が一にあるとしたら、中学時代の友人くらいなものか。……まぁいい、仕方ない。
ポケットから携帯を取り出し、僕は旧友と連絡を取ってみることにした。
しばらくコール音が鳴り響く。職場だとしてももう昼休みの時間だろうから、通話くらいは問題なかろう。
『もしもし』
電話に出たのは我妻稔という、中学三年間すっと一緒のクラスだった奴だ。
「もしもし稔か? 僕だ、渡だ」
『ワタル?』
「あぁ、中学三年間ずっと一緒だった、河上渡だよ」
もしかして卒業してから会わなくなってしまったのだろうか。確かに高校は違うけど、あれだけ親しくしてた僕を忘れるなんて。
ちょっと残念だったが、それでも続く衝撃的自体よりはそっちの方がずっとマシだったろう。
『……すまん、俺の旧友にそんな名前の人はいなかったと思うが……』
「嘘だろ? だってお前、謙吾や日向や麻紀とでずっと一緒に居ただろう?」
『その三人はよく知っている。ただ、そのグループに貴方のような名前はいなかった』
「そんな……バカな……」
『申し訳ないが、きっと人違いだと思う。では、私は忙しいのでこれで失礼する』
ツー、ツー、ツー、……
「もしかして、」
ゲームオーバー。
為す術、無し。
「これが、第一の鍵……なのか……」