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青色の下で・・・神奈川陵應編  作者: オレッち
第壱章~新たな出会い~
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7話:ええなぁ

報告が遅れたが、部活動開始から翌日には女子マネージャーがグラウンドへと来ておりボールを運んだり休憩時に呑むドリンクを用意したりと大忙しである。


「・・・・」


そんな中、ボールの入ったバケツを持ちながらブルペンで投げ込みを行う秀二を見つめる可愛らしい顔立ちでセミロングで少しクセッ毛が特徴の女子マネがいた。

彼女の名前は成美亜衣なるみあい

一年生で秀二と同級生であり、クラスも実は同じである。


「ほら成美~、何ボーっとしてんの~」


と大きな声で成美亜衣(以降より亜衣)を呼ぶのは佐々木董子。

セミロングの髪型で顔立ちは美人系、そして何より豊満な胸が特徴の女子マネージャーである。

佐々木董子ささきとうこ(以降より董子)は亜衣の一つ上の二年生で栗原と同級生であり、下級生の指導をしており彼女自身も姉御肌があり良い先輩である。


「あ、すいません~」


「ほら早く二軍のグラウンドへ行くよ。来週練習試合だからノックの手伝いだからね」


「はい」


と返事をしながら董子の後をついていく亜衣。

その他にも何人か女子マネージャーがおり、何組かに分かれてサポートをこなしている。

亜衣が二軍のグラウンドへと着くと全体でのノックが始まっており亜衣と董子もボール渡しをする。


二軍と言えども他に行けばレギュラーを取れるほどの選手が集まる陵應。

レベルの高い守備を見せる中、やはりこの男の動きは違った。


「ボールセカン!」


ピッチャーへのゴロを捌きすばやく切り替えて二塁へとストライク送球をするのは秀二。

この無駄のないプレーに他の選手から“おぉ~”と声が聞こえる。

また神坂も堅実な守備を見せ、一塁送球の時には難なく送球を捌く。



「やっぱあの二人は違うな」


とノックを打つコーチは半分呆れ気味に話す。

そんな中で亜衣は秀二をポーッと見つめており董子に言われてアセアセとボール拾いを行うのである。



一日の練習が終わり片づけをする選手たち。

秀二がボールの入ったバケツを持ちながらグラウンドの外へと出ると、すぐ先に亜衣が飲み物の入っていたキーパーを持ちながら歩いていた。


「あ、成美さん」


「へ?あ、村神君?!」


と驚いた様に話す亜衣に秀二も驚く。

しばらく黙って歩く2人だが、亜衣の方から話しかけてきた。



「村神君てすごいんやなぁ。いきなり二軍やもん。これならすぐに一軍行けるんちゃう?」


「ん~、そんなに簡単ではないかなぁ。俺これでもいっぱいいっぱい」


と笑いながら話す秀二。

そんな彼の話を亜衣はウンウンと頷きながら聞く。


「成美さんは…」

「亜衣でええよ?」

「え?」

「名前、成美やのうて下の名前の亜衣でええで?」

「じゃあ、亜衣ちゃんはさ、どうして陵應に来たの?」


と秀二の質問に亜衣は少し間を開けるも、クスッと笑みを浮かべながら答える。


「せやなぁ、憧れやからかなぁ。」


「憧れ?」


「うん。憧れ、小さい時に甲子園で陵應を見てビビッときたんや」


と秀二の数歩先を歩く亜衣。

そして亜衣はクルリと振り返るとニコッと笑みを浮かべると…



「せやから村神君」

「あ、秀二で良いよ?俺の名前、シュウでもいいや、みんなシュウって言うし」

「あ…ええの?」

「勿論」


と先ほどと同じやり取りをする秀二と亜衣。

そして亜衣は再び笑みを浮かべると話した。



「連れてってなぁシュウ君。甲子園」


とパァッと明るい笑顔を見せる亜衣。

その笑顔に秀二はドキッとする。


「んじゃお先に~」


と小走りで行ってしまう亜衣。

その亜衣の顔も少し頬を赤らめており少しにやけていた。



(つい言ってもうたぁ。あかんメッチャ恥ずかしい)



小走りで更衣室へと向かう亜衣。

秀二はと言うとその場からしばらく動かなったのであった。


次回はいよいよ練習試合。


次回へ続く。

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