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青色の下で・・・神奈川陵應編  作者: オレッち
第壱章~新たな出会い~
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2話:野球部

入学前の入寮が終わり翌日には陵應学園も入学式を迎えた。

新1年生の総数は約800人。

姉妹提携校からエスカレーターで来たものや秀二や神坂など運動関係や帰国子女等高校から入学してくる者等様々な生徒たちの顔が連なる。


その陵應学園の校長は羽丘隆之輔はねおか りゅうのすけという仙人のように長い顎鬚が特徴の老人である。

年齢はおそらく70代後半の年齢ではあるが、背筋はピンとしており歳相応と言うよりははるかに若く見える。


「新入生諸君、入学おめでとう。君たちはこれから高校生活の3年間を・・・」


と話を始める羽丘校長。

長々とどこでも聞くような話を聞く生徒たちは退屈であっただろう。

すると最後に校長は一言と言い締めくくりの挨拶をする。



「退屈じゃろうて。ワシも型にハマった話は疲れるんじゃわい。そこでのう、最後に一言言わせてくれい。」


と今までの話をぶった切る一言を発する校長にキョトンとしながら校長を見る生徒たち。



「君たちにはこう言いたい。“進めひたすらに、何があっても”とな。では諸君、入学おめでとう。」


と言い壇上を降りていく校長に生徒たちはキョトンとしながらも、どこか校長のあの言葉が深くに突き刺さる感覚を覚えた。

入学式が終わり、生徒たちは各教室へと戻ると担任の教師の話を聞き本日はここで解散。

鞄を持ち教室から出ていく生徒たちであるが、秀二は違った。


秀二が教室の外に出ると寮の相部屋である浦原、嶋本、晋太郎の三人が来ており秀二らとあいさつを交わすと少し遅れて神坂がやってくる。



「うお!神坂だ。本物だ!」


と動物園で初めて象を見たかのような反応を見せるのは嶋本。

嶋本は神坂の周りをチョロチョロとしながら見回す。


「・・・どうした?」


「いや気にしないでくれ」


と秀二の眼を見て話す神坂に苦笑いを見せながら答える秀二。

その間に浦原と晋太郎が簡単に自己紹介をし、最後にいい加減にしろと言われ静止させられた嶋本が自己紹介をする。


5人はすぐに歩き出し学校から道路を挟んだ向かい側にある野球部専用のグラウンドへと向かった。

グラウンドの大きさは両翼90メートル中翼110メートルの野球場型のグラウンドで隣には室内練習場と屋外ブルペン、他にもグラウンドが2つほどあり軽い運動公園のようである。

また秀二らが過ごす寮も野球部専用グラウンドに隣接されており授業がない日はすぐに練習ができるようにされているのである。



秀二ら5人がグラウンドへと着くとすでに何人かの新入部員が集まっており中学の時のであろうか一人一人違うユニフォームに着替えていた。

5人も持ってきていたユニフォームに着替え他の生徒らと同じように待っていると、グラウンドの入り口から恐らく70代程であろう白髪と黒髪が混じり顎鬚を生やした男性が歩み寄ってきた。


「あ…監督」


そうポツリと呟く浦原。

すぐに生徒らは整列し歩いてくる男性へと大きな声を張りながら挨拶をした。


「むほぉぉ。耳痛い。まぁそう構えなさんな新入生諸君。楽にしなさい」


と笑みを浮かべながらそう話す男性。

そんな男性の対応に生徒らは少し気が緩んだのかこわばんでいた表情がほどけた。


「うむ。リラックスが一番。さて新入生諸君おはよう。ワシが監督の桜月孝元じゃ。よろしくぅ。」


とピースをしながらニッと白い歯を見せるその男性の名は桜月孝元おうつき こうげん74歳。

この男性こそ、この陵應野球部を率いる指揮官であり6年連続で甲子園へ導いている名将とも言われている監督。

この監督のもとで秀二らは3年間野球漬けの毎日を送るのであろう。

そう感じる初日となったのであった。




次回へ続く


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