余談3 ( たまたま入ったカフェでの後ろの席の高校生の会話 )
たまたま入ったカフェでの後ろの席の高校生の会話
(ゲームボーイDSでマ○オカート対戦中)
「ちょ、ま、甲羅はヤバい甲羅はヤバい、せめてここ抜けてからにして、この回ってる橋の上で喰らうと、やばいやばいやばいやばいやめてやめてやめ、アーーーーーーー!!
「ははっ、死にやがれ。おまえのどんくさいゴリラはのろのろと下を走ってんのがお似合いだー。
「くっそ、でもまだだね、抜かれるまでまだ時間はある。次のアイテムボックスで赤い甲羅さえゲットすれば……
「無駄だ無駄だ。ほーら、もう追い抜いたー。おまえはそうやってみじめに俺の後ろを走る以外には無いんだよ。
「ぬう、でもタイミングよくアイテムゲットしたぜ。来い、赤い甲羅!来い来い来い来い……キターー!!!
「げ、まじかよ?だが無理だっ、おまえの甲羅が追いつく前にゴールしてや……ま、まて、何だこの空を切るような音は!?
「ああ、青いやつね。俺じゃないよそれ撃ったの。一位のやつを追け狙う蒼天のホーミング弾、そうか、そいつは今この時の為に存在していたのか!
「意味わかんねえよ。でもやばい、このままだと、喰らう前にゴールしな、え、ちょ、よけ、マグマに、マグっまじで!?まじでまじでまじでうわああああああああああー!
「ふんっホーミング弾を避けるため自らマグマに飛び込んだか。だがそれは愚策、貴様は矢張りここで俺に負けるさだ、え、まさかのキノコ頭が、こ、こいつ……いつの間に………!!
「なにいいいいぃいぃ!
「………。
「………ここでまさかCOMに負けるなんてな。
「でもこれ俺の勝ちだよな?
「なに言ってんだよ。一位以外認めない、て言ったのおまえだろ?
「勝ちは勝ちだろ。俺が二位、貴様は三位。即ち俺の勝ちー。おまえ蓑虫ー。
「いやトータルでは俺だろ。みてみろよ累計ポイント。
「え………?
「な?
「………おーっと手が滑った。
「おいいいい!電源切ってんじゃねええ!
「てへ!
「………………………。
「いや、悪かった。悪かったからその手に持ったドリンクバーをこっちに向けるのはやめようか。
「今日のミラノドリアおごりね?
「ち、仕方ないな。
「ていうかこれドリンクバーじゃねえよ。ウーロン茶だって。ドリンクバーてあの機械のことだろ。
「あ、そうだね。ていうかそれウーロン茶じゃなくね?
「ウーロン茶だよ。ウーロン茶のボタン押したら出てきたんだから間違いない。
「なんでウーロン茶が緑色なわけ?
「新鮮なんじゃない?
「しかもシュワシュワ言ってんだけど。
「きっと炭酸入りのウーロン茶なんだよ。
「なにその残念なウーロン茶。ていうかそんなわけねえだろ。絶対そのウーロン茶、メロンソーダとか混じってるだろ。
「違うよ。メロンソーダ以外にもちゃんとコーラとかメッコールとかホットティーとか入ってるから。
「すでにウーロン茶じゃねえな。それ絶対飲めないだろ。
「大丈夫、飲むつもり無いから。
「うそだね。おまえどーせ、うまいかも、とか思って全部混ぜてから一口で挫折したパターンだろ。
「いや全部は混ぜてないって。ドクターペッパーは避けたよ。
「殆ど混ぜてんじゃん。ていうか避けるもん間違ってるよ。ふつうメッコール避けるだろ。
「いや、メッコールてコーラに麦茶混ぜたみたいな味してるから単体だったらまずいけどさ、こんだけ混ぜたらわかんなくなるだろ?
「あー、確かに。
「逆にドクターペッパーはキャラ濃いじゃん。杏仁豆腐を炭酸にしたみたいな味してんだぜ?風味ぜんぶ持ってかれるっつの。飲めたもんじゃないね。
「ばっ、なに言ってんだよおまえっ。ドクターペッパーうめえよ!あの杏仁豆腐に炭酸がいいんだろ!
「そういえば貴様ドクターペッパー大好きだったよね。
「ドクターペッパーを貶す奴は許さん。そんなやつはこの俺がこっそり心の中でばかにしてやる。
「なにそのせこい攻撃。あんまり害ないよね。ていうかなんでこのカフェのドリンクバー、メッコールとかドクターペッパー搭載してるわけ?
「何を言うか、ドクターペッパーは当然だろう!
「それはもういいだろ。一般的に考えてドクターペッパーがドリンクバーに入ってんのはおかしいだろ?
「まあね。でもそのまえになんでカフェにドリンクバーがあるわけ?ファミレスにあるんだったらわかるんだけどさ。
「さあ?カフェじゃないんじゃない?この店。だって見ただろ、この店の入り口にかかってる暖簾。
「ごめん、みてないや。なんて書いてあったの?
「なんかさ、屋根の右側にネオンで”喫茶”て書いてあって、左側に”居酒屋”て看板がかかってるんだ。で、その下の窓に”ラーメン”て書いてある暖簾がかけてあって、入り口の、電光掲示板?
「電光掲示板て駅とかにあるアレだろ。そんなもんなかったじゃん。
「そっか。じゃああれ何ていうんだろ。あの地面に立てられた光る看板。
「なにそれ……ああ、新橋の高架下の立ち飲み屋とかにありそうなやつ?
「そうそう。なんていうんだっけ?
「わかんない。…………電光掲示板?
「えっと……、まあいいや。なんかわかんなくなったからもう一回言うよ?まず屋根の右側に”喫茶”てネオンで書いてあって、
「うん。
「左側に”居酒屋”て看板。
「……うん。
「窓に”ラーメン”て暖簾があって、
「うん。
「入り口の横の電光掲示板に”カフェ”て書いてあったんだ。
「うん?
「”喫茶”と”居酒屋”と”ラーメン”と”カフェ”の看板的なものが併存してんの。
「まって、ここって何?何の店?
「俺がききたい。
「………。
「………。
「…………カフェでいいんじゃない?
「そうだね。それで何の話だっけ?
「忘れた。とりあえずもう一回勝負だ。
「いいよ。でも貴様が電源切ったせいで累計ポイントパーだけどな!
「もともとそういう勝負じゃなかったじゃん。ていうかさ、勝負の前にちょっと自慢していい?
「今度俺がゴリラね。そしておまえは緑の配管工。
「うわ、俺の自慢話さらっと拒絶しやがった。
「レインボーロードで俺の横を通った貴様は弾かれて宇宙の藻屑と消えるのだー。
「宇宙に藻なんてねえよ。
「、、、。わかんないよ?俺らの知らない画面外では海の藻がうねうね言ってるかもよ。
「うわあしらなかったそいつはすごいや。
「棒読みで言われるとなんかなー。
「で自慢なんだけど前読んでた本に魔導書がでてきたんだけどさ。
「しまった、自然な流れで自慢に話が戻された。
「欲しくなって探したんだけど見つかんなかったんだ。
「うん。
「ジュンク堂とかアニメイトとかリブロも探したんだけど無かったのね。
「へー。
「でも検索したら普通にでてきてさ、ゲットしたんだー見てよこれ。
「……なにその分厚い本。それで殴ったら絶対痛いよね。10センチぐらいある?
「もうちょっとあるんじゃない?
「なんか重そうなもん持ってるなと思ったらそれだったのか。何が書いて、ていうかちょっと待って。今その鞄から出したよね。
「鞄じゃなくてリュックだけどな。
「どっちでもいいよそんなの。その鞄、サイズ的にそれ以外に入んないよな。その一冊だけでパンパンになるだろうし。その本以外になんか入ってんの?
「いや、こんだけ。
「自慢の為に持ってきたわけ?
「無論そう。
「ばかなんじゃないの?
「認めよう。でさ、この本て旧世界の邪神についての伝承で、召喚術とか呪術とか書かれてるんだ。
「俺の罵倒は無視か。
「当然だ。それで、なんかこれ禁書らしくて本当は持ち出しちゃいけないみたいなんだけどさ、見てよここ。
「本当だー。”禁”て書いてある。ミスカトニック大学付属図書館?そんなとこあるんだ?
「そうそう。俺も知らないんだけどね。しかもこの本、翻訳本なの。
「禁書なのに?
「そう、禁書なのに。
「どこで手に入れたわけ?そんな本。
「アマゾンで検索したら普通にでてきた。
「すごいなアマゾン、なんでもあるな。
「ね。ほんとは結構前に入手したんだけど先輩に見せたら持ってかれちゃってさ。”メイクに関するもんは知っとかなきゃね”とか言って。ここなんだけど。
「なにこれ。”旅に出たくなるメイク”?すごいな、さすが魔導書。そのメイク確実に使い道ねえだろ。ところでさっきから気になってたんだけど、この本のタイトルなんて読むの?
「わかんない。ネコノミカン……、猫の蜜柑?いや違うわ。ネクロノミコン?まあなんでもいいんだけど。
「ふーん。他にどんなこと書いてあんの?
「アブドゥル・オルハズレッド著、とか。
「いや表紙じゃなくて。
「あ中身ね。まだあんま読んでないからわかんない。この本のことが載ってた本には、”存在領域を外れた邪悪についての記述などが記されてる”とか書かれてた。
「なにそれ、かっこいいんだけど。
「な、欲しくなるだろ?
「なるなる。でもさっぱり意味わかんねえ!
「だよね、俺もそう思う。
「ちょっと見せて。
「いよ。
「ありがと。ふーん……あ、これ知ってる。”頭を体と分離して生命の根源を隔離保存する方法。注、頭を破壊されない限り体は無敵。実践せんとする者は五感のうち四つ、視覚、聴覚、味覚、嗅覚は頭に集中していて体には触覚のみが感覚としてあるのではないかと諸君は考え施術を躊躇するかもしれないが、その心配は要らない。分離された体にもそれらは備わる。ただしこの施術を実行した場合、頭と体には別々の意識と記憶が宿る場合がある。本来この頭と体が分離した者に一貫した名前は無いが、西欧の民間伝承にはこれを実行したと見られる存在に関する記述が見られる。それにならって拙著でもその存在を”ドゥラハン”と名付けよう”
「あ、そんなこと書いてあったんだ?
「読んだんじゃないの?
「だからまだ読めてないんだっつの、先輩に持ってかれたから。今日返ってきたんだもん。だからこんなリュック持ってきてるんじゃん。
「俺に自慢する為に持ってきたって言わなかった?
「だから今日呼び出したんだよ。返ってきたついでに自慢する為に。重いしまた一回持ってくるっていうのも。
「成る程。
「ていうかなんでそんなの知ってんの?えっと、”ドゥラハン”?
「”ドゥラハン”て名前は知らなかったけどさ、頭と体を分離して生命を隔離保存する、ていうのは読んだことある。
「そんなこと書いてあんの?
「いま読んだところにあっただろ。聞いてなかったの?
「ごめん、最初の3秒ぐらいの時点で理解すんのあきらめて不完全性定理について考えてた。
「ゲーデルの?そっちのがむずくね?
「まあいいじゃん。で、話戻すけど“ドゥラハン”のこと書かれてたのって、なんて本?
「金枝編。
「またかよ。
「あれ、金枝編のこと話したことあったっけ?
「話した話した。雨乞いの方法とか載ってんだよな。通行人を川に投げ込んだりするんでしょ?
「そうそう、それ。言ったみたいだね。おぼえてないけど。
「だろ。でも本当にいんのかね、ドゥラハンなんて。
「あ、それは絶対いるよ。見たもん。
「え、まじで?どこで?
「渋谷ー。
「へー。どんなかんじだった?
「ちょっとわかりにくいんだけどさ、東急の辺り歩いてたらバイクが唸ってんのが聞こえてきたのね。
「うん。
「それだけだったら珍しくないからスルーだし通り過ぎたら聞こえなくなるじゃん、バイクの音。でもそのときは通り過ぎてからまた後ろから唸ってんのが聞こえてきてさ、今度は通り過ぎる前にまた後ろから別のバイクの音が聞こえてきたんだ。で次々と走ってきたのね。でも、結構バイク走ってんなーとか思うだけで振り向かなかったんだ。でも通り過ぎるとき、ちょっとだけそのバイクが視界に入ったのね、歩いてる方と同じ方向にバイク走ってたから。そのバイクがさ、なんか赤かったんだ。それでちょっと気になって見てみたらさ、バイク自体は普通で乗ってる人の服が赤かったんだ。全身赤ずくめでさ、帽子かぶってたんだけど帽子も赤かったんだよ。で縁が白いの。帽子の縁と袖と襟と裾とボタンとめるとこが。要するにサンタクロースのコスプレだったんだ。夏なのに。でさ、なんかたくさんいたのね。一人だけサンタクロースなんじゃなくて、バイクに乗ってる人が全員サンタクロースだったの。俺が見たときはちょうど信号で止まってるところでさ、バイクも数えたら50台ぐらいあって、50台全員がサンタクロースだったんだよ。サンタクロース多すぎだろとか思ったんだけど、とりあえずそういうの見たら写真撮るじゃん。でも撮ろうとしたら信号変わったみたいで走り出しちゃってさ、急ごうと思ったんだけど、急ぎすぎて撮った写真が全部ぶれてたら撮った意味ないじゃん。だから一台でも撮れればいいやぐらいの気で、どれが撮りやすいかなとか思ってよく見たのね。よく見るからには服だけじゃなくて顔も見えた方がいいかな、て思って、撮りやすそうなサンタクロースを狙ったんだけど、そのサンタクロースさ、頭が無かったんだ。他のサンタクロースとは違って。首の付け根辺りを見たらなんかぼやけててさ、とりあえず頭は無いんだけど帽子はかぶってたんだ。
「どうやってかぶってんの?頭が無いのに。
「わかんない。
「それがドゥラハン?
「多分ね。
「写真は?
「そんときちょうどバッテリーが切れた。
「なんだそりゃ。
「あでも、それ以外でも見ることあるよ。
「そうなんだ、どこで?
「いや、色々。都内に出没してるみたいなんだけどあんまり目的があるように見えないんだよね。遊んでんのかもね。
「なんだそりゃ。
(了)
以上で本作、八岐大蛇の受難は完結となります。
読んで下さった方、ありがとうございました。
というか現状ではブックマーク評価等が無く誰も読んでくれてない可能性も感じられます。
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