出会い③
少女が男の手首を掴んで投げようとすると、どこからか静かな声が聞こえて来た。
「止めなさい。」
声のした方を見ると薄紫色の長い髪を横に結った顔の整った人がいた。少女が手首を放さないでいると、またどこからか似たような先程の声より少し明るい声が聞こえて来た。
「兄さん、こんなところで何してるの?……急にいなくなるから捜したんだよ~………今度から置いてきぼり、にしないでね?」
外見は全く一緒で、並ぶとどちらがどっちなのか分からないくらい似ていた。唯一見分けられるとすると話し方だろうか。
「すみません。ちょっと……」
兄さんと呼ばれた方が目で話している。
「だいたい分かったけど、実の弟に敬語は使わなくても良いんだから、ね?」
兄さんの方が微笑んで、止めに入って来たときより優しい声で
「荻は、優しいのですね。……すみま……いえ、ごめん、敬語辞めるように、努力するよ。それと、置いていってごめん。」
と、言う。荻が兄さんの頭を撫でる。
「わかれば良いの♪……………………あれ、どうするの?萩兄。」
突然少女の方に話が向いた。萩が唸る。
「どうしようか?」
荻がすっとんきょうな声をあげる。
「考えてなかったの?」
萩が困ったように頭をかく。
「うん。暴力はいけないことだから止めただけで、その後どうするかは考えてなかった。」
フッ。と、笑って荻が優しく目を細める。
「萩兄らしいね。………それで、王座引き継げるの?……まぁ、僕が着いているから大丈夫、だけどね♪」
「頼ましいな。」
萩が荻の耳元に口を近付け小さく呟く。
「私は荻さえ居ればもう何もいらないよ。」
とたん、荻の顔が赤く染まる。何かを紛らわすように慌てて荻が
「そ……それでどう……するの?」
と、言う。若干声が上ずっていて可愛い。と萩は思ったが胸に秘めておくことにした。
「うーん………一応、同族?ですからこのまま放っておくと事態が深刻になるやも、しれませんね。」
その言葉を聞いて今までお客となっていた、少女が口を開いた。
「ねぇ、僕のこと置いて話、しないでくれる?」
荻がポンッと、手を叩いて話始めた。
「萩兄、学校。あそこなら、暴れても大丈夫。………少女のいく場所決まったから後は……こいつら、だけどどうする?始末、しようか?」
荻は笑ってはいるが黒い笑いで萩に意見を聞く。
「そうですね。……殺しはしなくても良いですが、それなりの処置は必要でしょう。……荻、記憶を消して下さい。」
更新遅くなってしまいました。すみません⤵
少し作者、奏の愚痴を聞いて下さいますか?
返事、聞いていませんが勝手に愚痴ります。
卒業式謝恩会等々、色々あってもうくたくたです。謝恩会については予定時間を過ぎて、この後の私の予定が狂いまくりました。…次の日はMyeスマホが2時間手元を離れました。
そんなこんなで更新が遅れてしまいました。
読者の皆様、奏の愚痴を聞いて下さってありがとうございます。そしてこれからもどうぞ宜しくお願いします。
最後に活動報告のほうも是非覗いて見て下さい。コメント
大募集です。
ありがとうございました。奏でした。