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出会い②
「だから金じゃぁなくても良いんだけど?」
少女は数分固まってからやっと、男の言っている事が分かった。
「それだけは勘弁して……下さい。」
少女がそう言うと腕を掴んでいる男の口元が二ィ、と意地悪く笑った。
「そんな事、言ってもぉ良いのかなぁ?あんたなんて俺達にかかれば…………一殺…………だと思うんだけどどう?」
そう言うと腕を掴んでいる男が笑いかけて来た。
「止めて………下さい。」
少女が声を絞り出して言うと腕を掴んでいる男が鼻で笑った。
「あくまでも逆らう気?………………良いよ。その強情さそそるねぇ」
腕を掴んでいる男の唇が少女の唇に近づく。少女は反射的に男の腹を殴った。
「なっ。………………………てめぇ、喧嘩売ってんのか?」
今まで弱気だった少女の発言が強気になった。よく見ると、少女の綺麗な木賊色の瞳がどこまでも深い紅、深紅に変わっていた。
「僕の唇に触らないでくれる?」
少女の一人称が僕に変わった。
更新遅くなってしまってすみません⤵少ない物好きの皆様、本当にすみません