遭遇
朝霧の掛かった山を私はひたすらに走っていた、特に向かう先もなくただひたすら、振り返れば後ろには得体のしれないバケモノ、牛の頭をし手には斧をもっている、捕まったら死ぬと言う直感からひたすら逃げていた。
疲労の限界を感じとっさに古びた大木の影に隠れた、膝を抱えて小さくなってじっと待った、しばらくすると大きな足音と共に牛頭のカイブツが私を探しながら歩いてきた、ぐっと息を殺しすぎるのを待つ、しかし運悪く大木の穴から光が漏れていたつまりカイブツから私は見えるのだ。
穴に気づいたのかカイブツは息を荒くしこちらに向かいあるき始めた足音が次第に大きくなる、そしてカイブツの足が見えるところまで来ると私は気づいた、足が動かない、それもそうだ朝からずっと走っているので足に限界がきたのだ、私の命もここまでと思ったその時、キィンと大きな金属音がしたのだそれと同時に私の足元にカイブツの頭が転がってきた、力を振り絞ってたち上がるとそこには、白銀に輝く鎧、青白く鋭い剣、そして綺麗な長髪をした女性騎士がいた。
彼女は振り返るとそっと私に手を伸ばした
「怖かったけどもう大丈夫だぞ」
私はその言葉に壮大な安心感をもったのか意識が遠のいた。