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ナミニキク  作者: ユン
4/4

4中【カレーライス】

弓一が弓道部に入部することのなった次の日のところから始まります。

学校生活二日目の彼はどうなるんですかねぇ?

ちなみに弓道成分は今回はないです。すいません。


 

「というわけでこの式はこのようになるわけです」



 みなさんわかりましたか?と教壇の上で教師が授業を進めている。


 弓道場であの出来事があっての次の日である。


 昨日いつの間にか決定していた入部決定…。


 そしてその対象になってしまったド初心者こと弓一は配布されたプリントを机上に開いている中に他の人とは違う紙を一つほど出していた。


 それは普通自ら教員室に行き直接受け取るもの、そして普通は自分で書くはずの宛先には弓道部と大きく書かれていた。



「………まぁ良いか」



 少し考えていたが正直めんどくさくなってきた。まぁ流れとは言えこれも縁だと書き始めることにした。


 えっと、名前と申し込む部活動は、もう書いてあるか……、住所に連絡先か……、んーこの前引っ越してきたばかりだからおぼろげにしか覚えてないな……なんだっけか?


 という風にのめり込みながら授業中なのを忘れて書き込んでいく。



「ん、んんー」



 何か耳元で聞こえ他のでそちらを向くと教壇に立っているはずのお方がいらっしゃった。



「今は何の時間かなぁ? ねぇ的前くん?」



 その顔はにっこりと怖いほどに……。


 案の定新学期最初の注意第1号の称号を受けとるのであった。



 キーンコーンカーンコーン____。


 午前中終了の鐘が鳴り昼休みを迎えた。


 各々が授業の道具を片付けて行き食堂に行く人売店に行く人持ってきた弁当を開くなりしていた。




「ん、んーっ」



 かくゆう僕は大きく背伸びをしてそんなあたりを見渡す。


 引っ越してきて登校二日目の今日。


 特に仲の良くなった人はいない、なのでどうもこの一週間ほどは一人で昼を迎えてしまいそうな感じだ。



「まぁーいいけど」



 正直あまり知らない人と関わるのは疲れてしまう、冗談ではなくて割と本気で。


 特に1人が好きというわけではないが許している人がいないこの状態は心があまり休まらない、いや休まってくれないのだ。


 だが体はそんな理由で欲求を忘れてくれたりしないらしく途端に空腹を覚えた。



「んー飯にでもするか……」



 と、いうわけで食物を取得しないといけないのだが……食堂と購買どちらにするべきか…どっちも人が多いのは必須だ。



「んーー」



 悩むなこれは…人混みがあまり得意ではない僕には結構な問題だ。


 いっそ昼休みは食べずに午後の授業後の休憩で軽く買ってというのも良いかな…だとなると暇になってしまうな。


 などとうだうだ考えていると「おーい的前一回生は飯行かないのかぁ?」


 と声をかけられてそちらを向くとそこには1人の男子がいた。


 名前は苦手なので覚えてないが確かこのクラスの一員だったと思う。


 気さくな感じで誰にでも好かれるような性格だと思う。


 はっきり言って僕とは正反対に近い方だと思う。


 ひとまず無視は良くないのでとりあえず反応しておこう。



「……誰だっけ?」



「うおっ!?」



 おお、驚いている表情だ、リアクションも大きい、正直初めて見る人種だ。


 だがこのままでは誤解を招きかねないので少し訂正させていただこう。



「えっと、クラスメイトだったのは覚えてるんだけど……名前覚えるの苦手で…んと、そのごめん」



「あぁ、そうかそれなら仕方ないなぁ、俺は藤木ふじき ゆうだ改めてよろしくな」



 よろしくと、差し出してきたその手を握り握手する。



「で、どうなん?」



「ん?」



「飯のことだよ的前クン」



「あぁ、どうしようか、しょうじき5限目終わってからでもいいんだけど…」



「まじでか、燃費いいのな的前クンってば。 俺なんか休憩時間きたらとりあえず何か糖分なりなんなり入れないとダメだね……」



 お恥ずかしながら。と言いながら頭を掻く藤木悠くん。



「まぁ、でも今話しかけたのを運の尽きと見て一緒に食堂にでも行かないか?おすすめとか探したいし……ど?」



「まぁ、いいけど。準備するからちょっとまって藤木くん」



「ういっ」



 まさか二日目にして会話できる人ができるとは……幸先いいんじゃないのかな?


 まー待たせるのも悪いから急いで準備しよう。


 財布の中は……まぁ千円あればいいだろう。



「お待たせ藤木くん」



「お待たせされました、的前クン。では行こうか」



 では、といった感じで藤木くんと僕は食堂に向かうまばらな行列に並びながら会話してしながら向かった。



「で、何食べる?的前クン?」



「んーモノによるけど、定番でカレーでいいかな。多分どこにでもあると思うし……」



「ほう王道できましたか。 ならばワタクシめはA定食とかそんな感じの中身がよくわからないやつにしますかねぇ」



「攻めるねぇ〜」



 ……それも定番じゃないか!?と思ったが些細なことだというわけで…。まぁいいや。突っ込むのもなんか悪い。



「お、順番きたみたいだぜ」



「おぉ、選ぼう」



 と列の最先端に来ると券売機があった、なるほど食券制か。



「…むむむ」



 にしても数が多くサンプルがないために迷う。


 カレー一つにとっても、カツカレーや野菜カレーカレー定食などなど、インド人もびっくりの豊富な種類。


 しかもそれはカレーだけに収まっていないために券売機は3台しかも全て内容が違う状態である。


 三列の左にきておいてよかった、カレーはこの券売機だけだったらしい。


 証拠に三分の一がカレーのレパートリーとなっている。



「…んー」



 後ろの人を待たせては良くない、昼休みは有限なのだから。


 えいと、僕は何の変哲も無い【カレーライス三百円】というボタンを押した。


 そしてでてきた食券を受付のようになっているカウンターに並べお盆を持って昼ごはんを待つ行列に並んだ。



「よぉ」



 と、気がつくと横に藤木くんがやってきた。


「買えた?」


「残念、一番右のとこに定食系が固まっていてねぇ、今回は鳥唐揚げ丼にしたよ」



 肉も食いたかったしねーと藤木君は食券をひらひらと振って先ほどの僕と同じようにカウンターに並べて昼飯の列に並んだ。



「で、的前クンは首尾はどうだったんだ?」



「ん、上々だよ、予定通りカレーライスをゲットいたしました」



「いいねぇ。…お、来たっぽいよ、ほらカレーライス呼ばれているぞ〜」



「お、サンキュー。 なら席とっとくわー」



「よろしくー」



 お先に〜。と僕はカレーを受け取りスプーンと福神漬けをトッピングして手近い席を探してから水を汲んできたら藤木くんが丁度やってきたので食事を開始した。



「「いただきます」」



 二人合わせて合唱をする。



 そのあとは、「的前クンってどこから来たの?」とか「藤木くんももしかして一人暮らし?」などなど些細な会話をしていつの間にか二つの食器は空になっていた。



「「ごちそうさまでした」」



「うまかったな」



「そうだね、しかもだいぶ量多かったね」



「あぁ、そうだな。しかもあんなに種類があるんだから、コンプリートしてみたいな」



「それいいねぇ」



 などと会話をしながら教室に向かった。


 そして教室にに差し掛かる時に



「あ、せっかくだから連絡先こうかんしないか?」



「おぉ、いいよちょっとまってて」



 というわけで携帯の中に家族以外の連絡先が追加された。


 そのあとは授業が始まるまでぐだぐだと会話して授業では予想以上の量だったカレーの為か眠たくなり重くなった瞼を開けながら割りかし真面目に取り組んだ。


 そして同じ感じで、5、6限と過ぎていき放課後を迎えたのだった。


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