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すいませn。自重します
零夜一行は王国の外、平凡な草原を歩いていた。膝ほどもない丈の草と、見渡す限りに何本かしかない木だけの草原。要するに見晴らしがいい。彼らの視線には機兵の存在はなく、ただただ一番近い村、【イシュタルの村】を目指していた。だが、この世界にもともと存在していたモンスターという生物は残っているようで、いつしかのワニムカデ、【アリゲイツフッド】や、【ブルーホーン】という、全身青と水色で彩られたサイなどが歩き回っている。
そんな清々しい筈の状況で、零夜は一言愚痴った。
「んで……、なんで俺のグループは女子しかいないの?」
一番の不満点。零夜以外女子だけで構成されたグループ。
今、零夜を除いて6人の女子が彼の隣を歩いている。朱音と恵里奈、魅琴以外は皆知らない顔で、話しかけようとも話しかけずらい。
どうやらそれぞれ一人ずつ連れを誘ったようだ。彼女たちは零夜に仲間を誘う権利を与えてくれなかった結果、零夜以外女しかいないグループ構成となってしまった。案の定零夜の思った通り、彼女らに「男を誘う」というコマンドは無かった様だ。
一人、恵里奈の連れ。名をエミという。恵里奈と同じくらいの身長で茶髪ロングヘアーを野放しにしている。使用している武器は見たところ普通の片手剣の様だ。白い刀身に水色の紋様が刻まれており、長さは1m程だろう。零夜はその武器を見たことがあった。その片手剣の銘は【聖竜剣・劉】。結構な上等武器だったはずだ。そして彼女の左手には大きな盾が持たれている。メインカラーは赤色で、その盾には白い十字架が描かれている。銘を【白十字架の紅蓮盾】。
一人、魅琴の連れ。名をミャーニャという。装備品として猫耳をつけていて、髪の毛は茶色く、肌もそこらへんをうろつくギャルの様に日焼けしている?というか、それが自分のもともとの肌の色なのかもしれないが、薄茶色の肌をしている。口もまるで猫の様で、ほがらかなイメージを与える。スタイル抜群で完璧な女性といえるであろう。武器はどうやらNicoと同じ銃系統の様だ。だが、彼女の二丁拳銃とは違い、アサルトライフルという部類に入るだろう。
彼女が腰に付けているそのアサルトライフルは、全長850mm程だろうか。全体黒で覆われていて、銘を【M4カービン】と呼ぶ。機兵を相手には一発では核を打ち抜けないが、彼女なりに有効な武器を用意してきたのだろう。そして……、
「なんか俺たちもアサルトライフル持たされたし……、」
そういう零夜一行の背中にはミャーニャと同じ【M4カービン】が吊るされていた。
理由は簡単。7人全員にアサルトライフルの使い方を知ってもらい、少しでも対機兵を楽にできたらという考えらしい。マガジンはそれぞれ5つ。そしてそのマガジンには合計30発ライフル弾が備えられている。合計150発無くなればあとはミャーニャしか銃を使えるものはいなくなるが、少しでも戦況は楽になるだろう。それだけ接近戦は避けた方がいいのだ。奴等とは。
一人、朱音の連れ。名をアリスという。かなりお色気度が高いというか、露出度が高いというか、防具には見えないような装備をしている彼女は、金髪に近い茶髪をしたロングヘアー。彼女の眼は綺麗な藍色。そんな彼女の装備は矛。金に染まったその矛は龍の刺繍が入った超レア物で、おそらくゲーム時代で持っていた者は片手で数えるだけしかいないと言われている【金色の竜矛(ドラゴン・スタージャ・グングニル】。まるでお姫様の様なその姿は、何人の男に告白されたか勝手に想像してしまいそうな雰囲気を漂わせる。
「んーと、アリスさん?その矛は一体どうやって……?」
「あぁ、これですね?これは遠征BOSSを倒したらドロップしたもので、たまたまダイスで私が勝ったから手に入りましたの。丁度矛は新装しようとしていたので丁度よかったわ」
「凄いなぁ。俺でも持ってる人は初めて見たよ。掲示板でよくその矛の話題が出てて、それがキッカケで知ったんだけどね」
少し気まずい中なんとか話題を作り出して話しかける。だが、周囲の警戒は怠らない。
「まぁ、偶然ですよ。運が良かったようです」
「それにしても、何からドロップしたんだ?」
「えーと、デュアルホーンドラゴン……でしたね」
「ッ!?……えと、一体どんなパーティで出たの?俺も行ったことあるけど結構な強力BOSSだったけど……」
デュアルホーンドラゴン。その名の通り巨大な角が2本、立派に生えたドラゴン。全長50mはあるだろうその巨体は藍みがかった身体に、各関節部分から角が生えている。30人からしか挑むことのできない超遠征依頼の一つだ。
「1位のギルドの方々と言ってきました」
「え!?1位のギルドってことは『Justis』……!?私もその超遠征言ってたんだけど……、」
零夜とアリスの会話に横から入ってきたのはエミ。どうやら彼女はデュアルホーンドラゴン討伐に出かけていたらしく、なんとその会話内容が自分のギルド関係だとも思っていなかったらしく、遂会話に足を踏みこんでしまったようだ。
「本当ですか!?じゃぁ……あの【聖竜剣・劉】の持ち主はあなただったんですね?かなり活躍してましたが……」
「そういうアリスさんのおかげでデュアルホーンドラゴンの片角を折ることができたも同然ですよ!大活躍じゃないですか!あれはかなりの決定打ですよ!」
零夜を差し置いて勝手に二人で話に盛り上がる二人に、零夜は小さなため息をつく。そんなところに一体の【ブルーホーン】が近寄ってくる。零夜は鞘から黒刀(漆)を抜刀し、その【ブルーホーン】を一発の斬撃で薙ぎ払う。すると、それを見ていたミャーニャが随分とニコニコした表情で零夜に近寄る。
「さすがだネ、零夜くン。どう?ちょっとそこら辺でアタシと遊んで行かない?」
ミャーニャはその大きな胸を持ってして、零夜の背中に腕をまわし、身体を預ける。豊満なその胸は、零夜の胸板に押されて楕円形となる。彼女は零夜の足に自分の足を絡めつけ、完全に無防備ない態勢となる。そんなことを気にしてしまい、零夜は赤面しながら返答に困る。
甘い匂い。彼女が発する甘い匂いが更に零夜の精神状態を崩壊へと導こうとする。もう、彼の頭の中は甘い匂いと柔らかい感触で埋め尽くされる。
「え……ぁ、えぇと……、」
「いいじゃなイ、少しだけ……ダメ?」
零夜とミャーニャの顔の距離わずか10cm。そんな状態となり、更に赤面した零夜とミャーニャの間に割って入るようにして現れたのはアリスだった。
「ダメですよ、そんな事は私が許しません」
「……なんで?」
と、アリスが割り込んでくれたおかげでなんとか精神状態を正常まで取り戻した零夜が小声で呟くが、ミャーニャにもアリスにもそのつぶやきは聞こえてなかったらしく、そのままスルーされる。
「ぇー、私が先だヨ。どんな事をしようと私の自由じゃなイ……。もしかしてアリスちゃン……?」
ミャーニャがそう言うと、アリスが急に手に力を込めて赤面する。そしてそのままミャーニャに言い放った。
「いやッ、そういう訳じゃ……ッ!と、とにかく、破廉恥な行為は反対です!」
「ていうか零夜君、結構カッコいいじゃん。どう?ちょっと私と楽しいことしてみない?」
「エミさん!」「エミちゃん!」
口をそろえて叫ぶミャーニャとアリスの声にしかめっ面で耳を押さえる零夜は、その後つぶやいた。
「……疲れる」
ありがとうございます。今回はどうでもいい話ですねハイ。失敗しました。
感想などいただけたらもっと頑張れそうです!




