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再び洞窟へ
短いです。
そして、朝。
もう足の腫れも引いたし、歩けないほどではない。
シンさんにお礼を言って、家に帰ろうと思う。
が、帰り方が分からない。洞窟に入れば戻れるのか?
それとも別の、どこかに帰り道があるのか?
その辺は言い伝えにはないらしい。
とりあえず洞窟に連れて行ってくれることになった。
『ドーナツ型の石・・・が、壁に埋ってる』
そういえば夢で逃げてるときに洞窟の中のドーナツ、くぐったな。
あれか。でも、壁に埋もれた石じゃくぐれない・・・どうしよう。
石の前でへたり込んでしまう。
「帰り道が見つかるまで、うちにいたらどうだ?過去にもそんな話が伝わっているし。」
う~ん。シンさん、大雑把でいい人だ。
でも、ただお世話になるわけには・・・かといって特技もないし。
『帰れないなら、仕方ない!お世話になります。でも、何か私にお仕事ください。』
「それは気にしなくてもいいんだが・・・待っている人はいないのか?」
『今はもう、いません。だから、こんな状態でも案外気楽です。』
「・・・」
次はちょっと暗いお話です。