シンさんの評価
いい人なんですよ?
朝。
まぶしい朝日とともに目が覚めた。
足の腫れは昨日よりずっといい。熱もなし。
・・・そして目の前には毛糸の山。
あっそうだった。シンさんにひざ掛け編んであげなきゃね。
こんなのでお礼になるか分からないけど。気持ちということで。
昨日に続き、またお姫様だっこされ、食堂へ。
なんか、開き直ってきたような・・・やっぱり無理(泣)
今日も朝ご飯は美味しかったです。
そして、シンさんにお願いし、木の棒をもらい、ナイフでちょっと先を削り、かぎ針の完成!
これで、せっせと編んでくぞ!太いからあっという間さ(笑)
日向ぼっこをしながら、女性陣がお仕事しているところで編みました。
おしゃべりしながらね。
そして一日がかりで出来上がった大きなひざ掛け。染めてないので、羊色。
2m近いシンさんでも、羽織れるくらい巨大だ!どうだ!
「それは何だ?」
『シンさんのお仕事用ひざ掛けです。冷える日に、足に広げて乗せると暖かいんですよ。肩が冷える日には、肩に掛けてくださいね。』
「そういうものなのか?」
『そういうものです。寒い夜に布団の上に掛けても暖かいですけどね。はいどうぞ。』
「わかった。ありがとう。」
あら?笑った顔はちょっと可愛いじゃないの、シンさん。
後ろで、女性陣が「めずらし~」と驚いていました。・・・シンさん、あんまり笑わないの??
そういえばシンさんって何歳なんでしょうね?
あんまりしゃべらない人みたいだし、私から見ても結構年上のおじさまっぽい雰囲気だけど、よく分からないな。
女性陣に聞いてみよう。
「今年40歳ですよ」
・・・あんまり私と変わらなかった・・・
「無愛想なので、老けて見られます。」
・・・。
そういえば、シンさんの奥様は?ごあいさつしてないけどいいんでしょうか?
「貧乏田舎領主の上、無愛想で、身体も大きいから、威圧感もあるし、女性が寄ってこないんです。」
なんか、いろいろ言われてますが。でも、愛されてる証拠だよね。
いい人だもん。
貧乏領主か・・・あんまり豊かな所じゃないんだね。
でも、森も山もあるし、水も家の目の前に小川が流れてる。
いい所なのに・・・土が痩せてるのかな~。
森があるなら、腐葉土とか入れればいいのに。
あっでも、あっちの世界の知識をあんまり取り入れるのはどうなの?
えっ?あっちの世界?
え?ここって別の世界なの?いやいや、まさか~あはは。
うそでしょ・・・なんだか、目が回る・・・
にぶいヒロインです。