王妃様たちのお茶会 ~シンSIDE~
エーメがいなくなった。
兄上が拉致したに違いない。
だが、今ここを離れるわけにはいかない。
連れていった以上、城の中に居させるだろうし、危ない真似はさせないだろう。
心配だが、こちらが落ち着くまで預けておくしかないか・・・
1週間後、交代で帰る兵士に手紙を持たせた。
返事に2週間はかかる。
「彼女は、城からすぐに居なくなった。お前と村の事をしきりに心配していた。とりあえず、王妃達のお茶会があるから、城へ来なさい。ついでに、田舎でも良いという、見合い相手も用意した。」
まさか、行方不明!?
もう3週間だぞ?
見つかったのか?
まさか、自力で帰ろうとしてるのか?
いや、交代の兵士が見かけないのはおかしい。
まさか、途中で攫われたのでは?
いや、エーメはしっかりしてるし。
でも、女が一人で無事とは・・・
ああ、もう、こんな時に見合いなんて、どうかしてる!
「マーサ!すぐ都に出かける!復興はだいぶ進んでいる。あとは自衛団に任せた!」
急いで馬を走らせるが、どうしても1週間はかかる。
途中の村でも情報を集めるが、全く出てこない。
気は焦るばかり。
どうか無事でいて欲しい。
母上達のお茶会はギリギリで間に合った。
とりあえず身なりを整え、部屋へ。
父上兄上と母上達が集まっている。
お茶なんか飲んでる場合か!
「エーメは?見つかったんですよね?城で保護してるんですよね?」
「残念だが城では保護していないんだ。」
「とりあえず、座ってケーキ食べなさいよ~。おいしいよ?」
「ケーキなんて、のどを通りません!!」