でかい・・・そして、恥ずかしい
やっと遭遇です。
・・・バタバタと音がする。
足音?大勢だな~・・・まさか!追いかけてきた人達??
「誰かいる!」
「女性?」
「けがをしている!」
目を開けると、おそろいの青い詰襟っぽい服を着た、男性の集団がいた。
追いかけてきた人達とは違うみたい。
「お嬢さん、大丈夫ですか?」
落ち着いた声の持ち主を見ると・・・茶色の髪に、茶色の目の男性。
この人は茶色の服だ。
これは、一応断っておかないと・・・
『あの~私、お嬢さんではありません。今36歳、もうすぐ37歳になります。ところで、ここはどこでしょうか?私のいた所とかけ離れた風景なんですが・・・』
茶色の男性はしばらく黙り、(歳にびっくりしたのか?私童顔だから)
「ここはミルという村で、シェザードの都からは馬で1週間ほどかかる田舎で、私は一応領主の“シン”といいます。」
『・・・えっ?(聞いたことない。って言うか、日本じゃない?どうしよう。いや、馬って??)』
「・・・とりあえず、けがの様子を見なければ。今、鍵を開けますので。」
よく見ると、頭の血はこびりついて固まり、ヒールの靴で走ったので、足も血が出てる。
しかもすごい腫れてるし・・・いまさらながら痛い。
お気に入りのワンピースも泥と血でひどいありさま。
・・・パジャマで寝たはずなのに。
歩けないので、茶色の領主様に、お姫様だっこ!してもらいました(泣)。
ええ、始めてですとも!だれが、身長164.8㎝(165ではない!)、標準体重(詳細は秘密)の女を担ごうとするもんですか!
思ったより、こっぱずかしいいいい~(泣)
『大きくて重いので、下ろしてください~!手を貸していただければ歩けますから!』
「そんなに、大けがした人を歩かせるわけには行かない。それから、私から見れば随分小さくて軽いですよ」
そういえばこの人達大きい・・・2m近くあるんじゃないの?
決して165㎝ではありません。